「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:パラリンピックで思ったこと

2021年09月05日 | 時事随想

 9月5日、パラリンピックのマラソンや閉会式がありました。オリンピックに出場していたアスリートを見て、その特別な才能と極限の鍛錬に感動しました。パラリンピック選手は、生まれつきの障がいを背負った人もいますし、事故や疾病で障がいを抱えてしまった人たちもいます。そうした厳しい現実に潰されることなく、諦めずにチャレンジする姿勢に、多くの人が感動し力付けられたと思われます。

 私の母は、私が幼かった頃に重症心身障害児施設で看護師として働いていた時期があります。障がい児の情報を母から聞き、特別な動きをする脳性麻痺の人たちに対する偏見がなくなった経験があります。障がい者に対しては、生理的に直視できなかったり、また相手に配慮して直視することを遠慮することが私達にはあります。そうした距離がある現状で、障がい者をよく理解し接する機会を増やすことが、偏見を少なくする手段となります。

 そうした意味で、パラリンピックの役割はとても大切だと感じました。弱者に対して配慮する優しい社会、多様性を認める共生社会の実現には、バリアフリーなど環境の整備も大切ですが、心のバリアフリーが一層重要だと思われます。最近で言えば、メンタリストDaiGoの弱者に対する差別と攻撃的な主張には、間違いを指摘し明確な批判が必要です。けれども最も重要なことは、一人ひとりが障がい者に対して、差別の壁を取り除いて敬い身近に接することが必要です。

 社会が成熟する過程で、障がい者を含む弱者に対する配慮ができる状況を創出し、多様性を尊重しマイノリティの人たちと共生できる社会の実現が必要です。多くの人たちが、特に子どもたちが障がい者に対して理解し共感できる人になるきっかけとして、今回のパラリンピックが評価されるなら、コロナウイルス蔓延の危険性の中で開催された意義があると思われます。不協和音を調和させる不断の努力が必要な時代であることは確かです。

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