私たちは、この世に幸せになるために生まれてきたのです。しかし、その幸せは、煩悩の満足では無いのであります。浄土真宗に申しませば、それは如来の救いに出会い、現世を最後に、迷いの世界から解脱して、仏の世界に生まれ、仏様とならせていただく、これが最高の幸せであります。これ以上の幸せは無いのです、人間に生まれる事は本当に稀なことです、そして、仏様に出会うことも本当に稀なことであります。何回も何回も生まれ変わっても、人間に生まれる事は稀であり、仏の救いに出会うことも、稀なことなのです。今、私が迷いの世界に生きているという事は、ずっと阿弥陀如来の救いを拒否し続けてきた結果であります。しかし、この現世を最後に、迷いの世界からおさらばして仏の世界に参らせていただける。これは誠に幸せなことなのです。ですが、これを、幸せだと思えないところが、仏様を拒否し続ける理由なのであります。今、阿弥陀如来の救いに出会い、お浄土へと参らせていただく人生を歩ませていただいている方は、既に、お浄土に参らせて頂くことが決定した仲間なのであります。まだ煩悩を抱えていますから、仏様では無いのですが、もう仏様になることが決定したのです。もし今、臨終でも仏様です。明日、生きているかどうかわからないのが私たちです。しかし、いつまで生きようと、この幸せは変わりません。長生きできればありがたいし、できなければ、一足先にお浄土に参り、仏とならせていただける。既に、この人間に生まれたことの目的は成就しておりますから、いついかなる時、臨終がおとずれても空しい人生では無いのです。皆さん、この人生をおもいっきり楽しんでください。最後に申し上げますが、阿弥陀如来の救いに出会えなければ、この人生を思いっきり楽しむことはできません。だって最後に1番嫌な死が待っているんですから。