カピレイラは、シエラ・ネバタ山脈のふもとに位置する白い村である。グラナダから2時間半で行けることもあって、ヨーロッパでは知られた観光地である。
私は、バスに乗る前に見知らぬ人に声をかけて、私と一緒のところに行く人を探した。運転手の案内は理解できないため、その人が席を立ったら私も降りようと考えたからだ。その作戦は、成功した。今後も、バスに乗る前には、声かけするように勤めた。
昨夜の大雨がうそのように晴れ渡り、夏空、高原のすがすがしい風、そして日差しを浴びた山々、絶好のロケーションである。山登りに出かけるのだろうかリュックを担いだ人もかなり乗っていた。小さな村をいくつか通り越したところに目的の白い村があった。
地図があるわけでもなく、まず小さな村をくまなく歩くことにした。白い部厚そうなごつごつした壁に周囲を彩る花と緑の調和は、そこで暮らしている人々の心意気を感じた。特に、各家いや各部屋かもしれないが、とんがり帽子をがぶった白い煙突は、メルヘンの世界に出てきそうなかわいらしさがある。公衆トイレにも煙突?
昼食は、駅前のホテルに併設したレストランにした。そこは、2ヶ月前、私が通っているデッサン教室の先生が訪れた所であり、オーナーは片言の日本語でしゃべりかけてくる。壁には日本の画家が描いた絵が飾ってある。日本びいきである。料理は美味しくテラスからの眺めは最高である。
帰りのバスまで待ち時間があったので、隣町のブビオンまでゆっくりと歩いた。小高い稜線に建つ白い家並みは、遠くから眺めるとあたかも山が雪化粧しているようで、感動した。