松永 SVC-1010 自動電圧調整器
ヤフオクではよく出るが、電源が入ることのみ確認しました、という場合が大半だ。電源を入れるとすぐシャリッと音がする場合はだいたい動作品である。何度も買ったが完動の確率は半分は無い。音がしない場合はサーボ回路が不調になっていて修理は普通は諦める。ただ、箱入りスライダックとしては使いやすいのでダメ元でそれ目的で買う。動作するかどうか分からないのに、安くない場合は手を出さないほうが良い。
不動の場合はサーボ回路を撤去して単なるスライダックにする。改造に当たってアンメーターを付けるのは大きな困難は無いが、筐体は鉄なのでアルミのような訳には行かない。それにアンメーターは左端に近づくと信用出来ないので外部でクリップオン式で測ったほうが信用出来る。
自作アンプを調整・測定する場合は誤配線などの有無を確認しいろいろ下準備してから電源を入れる。その場合の電源電圧は一定の電圧であるのが望ましい。然しこれが意外に変動するのである。家人が掃除機を動かしたり、電子レンジを作動させても変動する。
即ち負荷の変動によって電源電圧が変動する。これが真空管アンプだったりするとDC電圧も少なからず変動してこれを無視してよいのか迷う。こういうのが当初は気になったものだった。
負荷変動を検知してサーボモーターが摺動子を移動させて電源電圧が変動しないように保つのがこの種の機械だ。かつてはこの目的でコイルとキャパシターによるものが有って、サンスイはそのような製品も出した。
松永のこの製品は摺動子の作動音がかなり頻繁に発生する。シャリ、シャリと静かとは言えない音がする。動くとは言っても機械式だから僅かのタイムラグはあるわけでそれが面白くない場合もあるだろう。高速の追従目的にはエヌエフから高速の電圧発生機が製造されていて威力を発揮する。
但し、これは相当に高価でかつ重い。一度入手したが、ファン音が煩く、とても音楽を聴く部屋には置けない。能率もかなり悪い。
結論としてアマチュアが電源電圧を厳重に保つのは困難が大きい。