よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

ゴースト・スナイパー   ジェフリー・ディーヴァー

2023-12-24 07:36:22 | 

タウンハウスで来るはずの医者を、苛立ちながら待つリンカーン・ライムの元へ、いつものように

皺くちゃなスーツを着たニューヨーク市警重大犯罪課所属ロン・セリットーが訪ねてくる。犯罪の

発生だ!しかも「極秘」だという。リンカーン、美貌の刑事アメリア・サックス、セリットー、介

護士のトム、そして地方検事補のローレル、さらには後から、我らがプラスキー(常にリンカーン

にルーキーと呼ばれるが今回も大活躍で、いつも応援したくなる)も加わり、チームは米国政府謀

略機関を敵に回す。

 

本シリーズでは初めから犯人が登場する。大抵姿を現さない犯人が不気味な空気を作るが、ジェフ

リー・ディーヴァーは犯人像を克明に描きながら、頭脳明晰な犯人のち密な行動により、リンカー

ンやアメリアが窮地に陥ることになる。この辺りの展開はいつもながら読者を惹きこみ、ついつい

読み進めてしまう。

 

天才犯罪学者のリンカーンだが、遠く離れたバハマでの事件に証拠資料の調査もままならず、地元

警察の非協力的態度に、ついにバハマへと赴く。真っ赤なストームアロー(電動車いす)でバハマ

の国際空港を出るリンカーンの姿に感動を覚えた、シリーズの最初の頃(ボーン・コレクター)で

は自殺することを本気で考えていたことを思い出した。本シリーズでは四肢麻痺のリンカーンの懸

命なリハビリと驚異的な医療の進歩に驚かされる。

 

何度も危機を脱してきたリンカーンのチーム(勿論介護士トム・レストンも含めて)は作品を重ね

るごとに練度を高め、何気ない会話も愉しむことが出来るし、お互いの行動に密接な関連性を感じ

させる。年末年始の休暇にも最適な本です。

 

   ゴースト・スナイパー   ジェフリー・ディーヴァー         文春文庫

 

 

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