よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

第125回川崎市定期能 川崎能楽堂

2022-03-13 07:30:45 | 日記
久しぶりに降り立った川崎駅は気温の上昇とコロナ慣れで、沢山の人が行きかっていました。川崎能楽

堂は東口を出て横浜方面へ歩いて6分程度。時間前に着きましたが、皆さん落ち着いており開園前でも

寛いでいる人ばかり、着席して辺りを見回すとほぼ満席。



狂言は「鬼瓦」でシテ大名が和泉流・野村万蔵(9世)です。正面席の1番前でしたので目の前まで来

ての生声の大迫力に圧倒されました。アド太郎冠者の野村万之丞と共に時代がかったセリフが1音1音ハ

ッキリ聞こえ、とても分かりやすく、所作も見事で因幡薬師の大きさ、御堂の造作が目の前に広がり、

鬼瓦の姿、形から故郷の妻に結びつく辺りは会場も大笑いで楽しめた。


百聞は一見に如かずとは正に今回の能の公演で、実際に目にすると空気感が全く違う。能は「井筒 物

着」でしたが、元々出演予定だった観世芳伸が体調不良で寺井榮に変わったとアナウンスがあり会場で

は「えぇっ」という声も聞こえましたが、初心者の私には無問題。鋭い笛の音と小鼓、大鼓の不思議な

間に妙味を感じ、シテの豪華な衣装に見入ってしまう(パンフの右側が前シテ里女、左側が後シテ紀世

常の娘の霊)。地謡も地の底から湧き出るような謡が続き幽玄の世界に引き込まれました。舞台や着替

えに後見も結構忙しいのだと感心し、日常では味わえない不思議な体験でドナルド・キーン先生が習得

しようとした気持ちも分かります。
コメント
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