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HIROZOU

おっさんの夜明け

ここは天国3

2023-03-07 07:40:14 | メモリー

もう釜ヶ崎も40年以上前の事で街の様子もすっかり忘れてしまったが

ただ町中が小便臭かったのを鮮烈に覚えている

何年か前にストリートビューで釜ヶ崎の現在の町の様子を見てみたら

今でも真っ昼間に立小便をしているおっさんが映っていて笑ってしまった

1980年釜ヶ崎

一つ年上の土方の先輩に吉田がいた

吉田はいつもえらそうにしていて根性なしの癖に背中に入れ墨を入れていた

それにどこやらの組の事務所に出入りしていてそこの親分に盃を貰うたと言っていた

先輩土方連中にもタメ口を聞いていて嫌われもんだったけど

吉田は物心ついた時にはもう土方をしていてエリート、土方界の市川海老蔵だ

小さい頃からのモッコ担ぎとブロック積みで鍛えた馬鹿力は侮れなかった

よその子供が学校給食を食べてた頃、吉田はもう飯場の飯を食べていた

だからかどうか分からないが危険を察知する能力が高くて

こりゃもめ事が起こりそうやなと言う時、いつの間にかすっといなくなっていた

「ボス(親分)がわしの事かわいがってくれてな、いつでも正組員にしたる言うねん」

吉田は頭が足りんアホやからいい気になって言うていたけど

それなりの親分になるような人は頭が良かった

吉田は案の定、誰ぞの身代わりに豚箱に入れられた

副監督格に成田さんがいた

この人も性格がこすからかった

毎日、仕事が始まる前に社員の奢りで喫茶店でモーニングサービスを食べるんだけれど

たかだか数千円のおごりでえらいふんぞり返っていた

「ひろ造、わりゃ役に立たんわりにパン旨そうに食うやんけ」

「えらいすいません」

長椅子に腰を沈めて足を組んでたばこの煙吐きながら上から目線でわしに意見した

もう気分は仁義なき戦いの成田三樹夫に成り切っていた

成田さんは自慢話をよく言っていた

「昨日仕事帰りに天六のパチンコ屋でフィーバーを3回当ててなタクシイで家に帰ったんや」

「へえ~すごいですね、」

「わし近いうちにここの仕事辞めて独立すんねん」

「だいたい月にこれこれこんだけ儲かる計算や」

「へえ~こりゃまたすごいわ」

「そやから独立するにあたってお前とお前それにお前は雇うたる」

「ひろ造はいらん、お前はいつまでも釜ヶ崎で見張りをしとけ」

いつもこんな話をしていた

あの1980年頃パチンコ台のフィーバーが登場した

仕事が終わって現場で別れた土方仲間が帰りのパチンコ屋で皆揃った

もう空き台が無くて誰かの持ち金が無くなるのを待って並んでる状態で

パチンコ中毒者、破産者が続出した

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夏の思い出2

2021-08-07 10:33:32 | メモリー

もう40年も昔になるかな・・

10代最後の夏

2度目の受験に失敗してその年の5月頃から人生初めてのバイトに出た

まだ出始めの薄っぺらい求人誌を見て一番時給の高い所を選んだ

何をする仕事か分からなかったが「簡単な軽作業」と書いてあったので

「楽勝やな」と気楽に考えてた

そこの会社は天六の商店街に近い南森町にあったんだけど

会社の前にオンボロのワゴン車が並んでいて車の中にツルハシやらヘルメットが入っていた

新喜劇のチャーリー浜、似?の課長に面接して貰ったら

「もう忙しいて誰でもええねん、明日から来てくれるか?」

「ヘルメットと安全靴はこっちで用意するから」

「おーい!タゴやん、明日からこいつを手元に使うてくれるか?」

とチャーリー浜似の課長が横山やすし似のガラの悪そうなおっさんに声をかけた

(知らんかったけど、この業界?では助手の事を‘手元,って言うんですよ)

横山やすし似のおっさんの教え方が・・

「ええか!言うとくぞ!言われて動くのは遅いんじゃ!」

「わしがこれから何をするかよう見極めて先に動くんじゃ!ボケぇ~!」

「わりゃ~ぼけ~と、しとったらシバキ倒すぞほんま、ボケぇ~!」

「は~い!」

と僕がびびっとったら

「タゴやん、ま~ええやないか、ほんなに言わんでも入ったばっかしでまだ右も左も分からんのやさかい」

「兄ちゃん、そんなにびびらいでも大丈夫やで、ここは優しい人がぎょうさんおるがな」

と成田三樹夫似のおっさんが中に入ってなだめてくれて

「兄ちゃんもな、がんばって働いて田舎のお母さんに蔵でも建てたったらええやんか!」

「わしの家は平屋の借家やけどな」

「わはは」

とかなんとかあったけど

終いにはこの成田三樹夫似のおっさんに一番いじめられた

「こんな役たたん奴知らんわ、ここの飯場始まって以来やな」

「もうええ、お前には何もさせん現場の見張りだけしとけ今日からお前のあだ名は看守じゃ!」

とか何とか言われながら

だけどここのバイトは正味2か月ぐらいしかいなかった

現場仕事はあぶないし

同僚は海千山千の連中ばかりで

会話と言えばパチンコ競馬に野球賭博

その割に宗教しとる人が多かった

辞めた最大の原因が僕が役に立たなかった

土方に向いて無かった

真逆やもんな

7月頃かな

ここのバイト先で知り合った梅本と言う同い年の男と一緒にここの仕事を辞めて

二人で白浜のホテルに住み込みのバイトに行った

続く・・

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成田三樹夫さんのように

2014-05-07 19:14:53 | Weblog

この連休、初日に腰を痛めて

連休中は近所の銭湯三昧・・・

なんちゅーつまらん連休じゃ

花子とアンの蓮子さんの兄の伯爵

なかなか憎まれ役でええ味を出してる

この間、見た映画の永遠の0

主人公を散々に殴りつける上官の俳優もいい演技をしてた

観てる客が

こんちきしょー!と思わせるような悪役

調べてみたら同じ役者やん

飯田基祐さんと言う方なんだな

テレビはほとんど見ないので知らなかったがけっこう有名な俳優さんなんだな

けっこう忙しそう

でも悪役って目が出るまでが長そう

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