HIROZOU

おっさんの夜明け

読了

2024-01-04 08:21:31 | 

       

この正月休みに‘あきない世傳金と銀,全13巻読み切りました

この話の主人公‘幸,の元々のモデルは松坂屋の前身、いとう呉服店のいとう宇多さんを取り扱ったんだって

名古屋のはなしを大阪にしたんだね

まあ商い話は大阪の船場周辺に話を持って来た方がおもしろいもんね

それに商売って実際、男が取り組むより女の方が向いているんじゃなかろうか

うちのばあちゃんは田舎でただ一軒の洋服屋をやっていた

町でただ一軒だから結構繁盛していて季節ごとに大阪に仕入れに行くんだけど

船場にもよく行ってて店の大将と商談が決まると店の前で‘腰巻,から札束を取り出して

現金払いするんだ

誰も笑う人はいない、もう50年以上前だから

買った商品を風呂敷に包んでそれを両手と肩に背負って地下鉄に乗る

手で物に掴まる事も出来ない

しかし、良くできたもので三つの風呂敷を持って歩いていると必ず

「おばはん、持ちまっさ」

と必ず誰かが両手の荷物を持ってくれる

「おおきにおおきに」と礼を言って歩いているとまた誰かが持ってくれる

僕は恥ずかしくて

「おばあちゃん、チッキ(宅配便の前身)頼んだらええやん」と言うと

「あほぬかせ、チッキ頼んだら銭がいるけど頭下げるんはタダや」

まあ今の時代だったら誰も持ってくれないだろうけど

あの頃は普通だった

それでいて祖母の普段の生活が‘しわい,(ケチ)かと言うとそうじゃ無くて

好物は牛カツに‘ずぼらや,のテッチリ

大阪のコマ劇場に美空ひばりの公演を見に行ったり砂かぶりで相撲を見たり

僕が仕入れについて行くと宝塚のファミリーランドに鬼太郎を見に連れて行ってくれた

削れるものは徹底的に削ってそれでいて使うところは使う

あの頃の年寄りにしたら随分贅沢な生活をしていた

女性のくそ度胸と繊細な感性が商売に向いているんだろう

この本の話の中にも何度も‘図太い,と言う言葉が出てくる

「図太うになりいや」と故郷を送り出され

主人公‘幸,は「図太い」を実践して出世して行く

「図太い」と「偉そう」とは違う

ひかえめでいて言うところは言うやる事はやるひるまない

女性は「図太くて」男は「臆病者」

絶対に商売は女性の方が向いていると思う


コメント
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