今回、土曜からの立ち合い作業の中で、かなり待ち時間があったので、職場の上司と初めてじゃないかってくらい今までの仕事のことや
これからの展望、プライベートな話からプロジェクトの人の話まで色んな雑談をしていて思い出したお話です。
私がまだぎり20代の頃の話。
7年くらいいた職場からやっと異動することができて、配属されたプロジェクトでの話。
配属されてすぐ、同じチームの相方として作業する人として、当時40代半ばの吃音症のオジサンを紹介された。
(仮にAさんとしときます。)
紹介してくれたチームリーダーもまたクセのある悪ノリいじめっ子タイプでセクハラなオジサン。
「Aさんは、浦和レッズが大好きで、カメラ小僧で、熱帯魚マニアの素人〇〇なのでよろしく。」
って・・・、めっちゃいらない情報つけてくる。
40人くらいのプロジェクトに、当時、IT業界の現場にしては珍しく、女子社員が8人もいる職場で、そのうち同じ20代の後輩社員たちが
ランチに誘ってくれたので、ちょっと相方になったAさんの話を聞いてみた。すると、
「あー、ちょっとすみません、誰だか分からないです。」
って。え?2年以上同じプロジェクトに一緒に働いてて、名前知らない人とかいんの?って。
結局、若手の女子社員4人中、2人がAさんの存在自体知らないと言い、2人は、名前は知ってるけど話したことはないとのだった。
若手女子がドライすぎるっていうのもあるんだろうけど、存在感が薄すぎる・・・。
多少不安を抱えつつも、まー仕事は仕事ですから。
ある時、Aさんと一緒に確認作業をしていると、北海道旅行に行ったらしき人がお土産の「白い恋人」を配って回っていた。
すると相方のAさんが
「し、ししし白い恋人って、どどどこのチームのスポンサーだったかな。」
と言ってきた。え?めっちゃサッカー好きなのに今更そんな質問?忘れちゃったのかな?と思いながらも
「コンサドーレじゃないすかね?」
って言ったら、
「せ、正解!」
と、指を指された。
はぁ!?
なんだよそれ。試したのかよ。って。
まぁ、ここで「あー、そうだったんだ」とか言われたら危うく得意げに「コンサドーレって、道産子(どさんこ)から来てる名前なんですよ」
とか得意げに話すとこだったとか思いながらも、やや腑に落ちないもやもや感。
またある時、ちょっと二人で待ちの時間があったので、熱帯魚が好きだって言ってたなーとか思い出して、話を振ってみた。
うまくいけば、グッピーとかネオンテトラとかちょっと分けてもらえないかなーとか思って。
「Aさんって、熱帯魚たくさん飼ってるんですか?」
「あ、ああ、あれはKさん(セクハラチームリーダーのこと)が勝手に言ってるだけで、ほ、ほんとはき、金魚。」
と。あー、金魚かー、ってちょっと残念に思いながらも
「あー、そうなんですねー。私も子供の頃、らんちうとかオランダとか飼ってましたよ。専用の高い餌があるんですけど、せっかく
あげても一緒に飼ってる安い和金にすぐそのエサ食べられちゃったりとかしてー。意外に飼育難しいですよねー。」
「え、え、え、えええ、え。お、おおおオランダとか知ってるの?すす、すごい。オランダ知ってるなんてポイント高いね。」
って。何のポイントだよ。勝手に人に点数つけんじゃねぇよ。
って感じで、毎回話すたびに「え?」って思うところがある。
AさんのPCのデスクトップの壁紙画像を見て
「あ、それ石舞台古墳じゃないですか?写真撮りに行ってきたんですか?」
って聞いた時も、
「え、え、え。な、ななななんでこれがこ、ここ古墳だって分かるの?」
「あ、石舞台古墳じゃなかったですか?」
「い、いや、そうなんだけど、ふ、ふ、普通の人が見たらた、ただの岩でしょ。」
って。だからもー、なんで自分だけ特別な知識があるって思ってんだよ。今までどんだけ他人と会話しないで生きて来たんだよ。って。
まぁ、これは火の鳥ヤマト編てマンガに出て来たからたまたま知ってただけなんだけども・・・。
っていう感じで、会話がけっこう上から目線・・・。
なのでついつい、Aさんが私のPCの壁紙見て突っ込んできたときは、
「misoさん、そ、その写真は何?」
「あー、これは、大阪に行ったときに梅田スカイビルっていうビルに行ったんですけど、そのビルの空中庭園を下からとった写真です。」
「りょ、旅行とかがす、すきなの?」
「いや、旅行って言うより、写真を撮るのが好きでー。」
「あ、じゃじゃじゃ、やややっぱり、かかカメラとかもたくさん持ってる?」
「いや、1コしかないですね。私が好きなのは、カメラを集めることではなく、写真を撮ることなので。」
「あ、あ、ああああ、あぁ。そそそそ、そうですか。そうですか・・・。」
Aさんがカメラ好きで、一眼レフとかすごい望遠レンズとかいろんなカメラを10台くらい持ってるってのは知ってたけど、ちょっとだけイヂワルな
回答しちゃいました。
(ちなみに、梅田スカイビルも、昔好きだった「D-ASH」っていう陸上マンガに影響されて、初めて大阪行った時に行った場所です。)
そんなこんなで、そこのプロジェクトを私が抜けることになって最終日、送別会の席でみんなに挨拶に回っていると、セクハラチームリーダー
に呼ばれた。
その席にはAさんも。
お世話になりました的なテンプレ的な挨拶をしていると、セクハラチームリーダーがAさんに
「ほら、Aさん、最後にmisoさんに告白しとかなくていいの?話が合うっていってたじゃないの。」
まじこの人、最後までセクハラだなー、と思いつつ、面倒な感じになるとやだなーと思って
「あー、話が合うって言うかー、Aさんのために、私の色々な話の引き出しの中の端っこの部分を開けてた感じですけどねー」
って言ったら、Aさんてば
「そ、そそうなんです。ふ、ふ、フツウのお、女の人は私と話とかしてくれないんですけど、misoさんは、い、いつもわ、私に話を合わせてくれて
すごく話がしやすかったですし、た、楽しかったです。あ、ありがとうございました。」
って。
なんか、ちょっと泣きそうになりました。
きっとコミュ症のオジサンのことだから、最後に私に伝えたくてけっこう勇気を出して言ってくれたんでしょう。
いつもいつもなぜか二人で会話するとただの日常会話のハズなのに彼の方がちょっと上から目線で感じ悪いなって思ってたのに、最後の最後に
ちょっと牽制したら、むしろこっちが罪悪感を感じさせられたっていう話です。