21日の衆院予算委員会。自民党は谷垣禎一総裁が異例の登板。若手議員2人を合わせ丸4時間も質問したのに舌鋒鋭い追及や新事実はなく、迫力ゼロ。全くの肩すかしだった。
「民、信なくば立たず」と、論語の有名な一節を引き合いに出し、冒頭では谷垣総裁も威勢がよかった。しかし、その後はお行儀のいい優等生発言に終始。
小沢一郎幹事長のカネの問題について追及したが、軽くいなされてばかり。追及は難しいとあきらめたのか、「まあ、きょうのところはそのぐらいにしておきましょう」とあっさり次のテーマに移ってしまった。これじゃあまるで、吉本新喜劇の池乃めだかだ。
オソマツだったのが、消費税増税について触れた場面。菅直人財務相から「過去にも消費税増税の議論はあった。これまでの政権ができなかったのは、国民が『こんなムダ遣い政権に増税させたら、もっとムダ遣いするだろう』という不信感が理由だ」と、逆襲に遭う始末だった。
●週刊誌報道の受け売りばかりで新事実なし
続く2人もヒドかった。柴山昌彦は、鳩山首相が実母から資金提供を受けていた問題について質問。しかし、「2000年以降、お母さまと会食した事実は?」「お金が足りなくて困っていると言った事実は?」と、とぼけた内容で失笑を買った。
極め付きは、小里泰弘だ。質問のほとんどが、新聞や週刊誌の報道の受け売り。委員長から「憶測ではなく事実に基づいて質問を」と何度も注意され、原口一博総務相から「(従来から)予算委員会の申し合わせは、報道をもとにするのではなく、事実や具体的な証拠をもとにやろうということだったと思います」とやり込められた。
最後に、「(実母からの)資金がなければ総理は国会議員になれたのでしょうか?」と質問していたが、自分自身が典型的な2世で、父親(元自民党総務会長の小里貞利)の威光がなければ、議員になれなかったということに気がつかないのだからお笑いだ。
予算委は各党とも「エース」を投入する。なのに、この程度の質問しかできないのだから、やっぱり自民党は、どーしようもない。
自民党が政権を取ることは二度とないのではないか。
(日刊ゲンダイ2010年1月22日掲載)
(niftyニュース、http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02044387/1.htm)