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地域経済を元気にするためのヒントを、人との出会いと経営学の2つの視点から考えるブログです。

100年企業の新しい挑戦(前編)~いしかわMOTシンジケート体験交流会から~

2010年09月03日 | 経営に学ぶ

さて、今回の主役は『いしかわMOTシンジケート』。この組織は、もともと『いしかわMOTスクール』卒業生が「北陸企業を元気にする」ために活動しようと結成した地域企業ネットワークです。『いしかわMOTスクール』とは石川県IT総合人材育成センターが北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)と提携して開設している講座で、各企業から未来の改革人材をめざす人たちが参加し、毎年修了生を送り出しています。

その後このシンジケートも次第に発展拡大を遂げ、現在では『いしかわMOT スクールメンバー』を中心に、『JAIST』、『石川県IT 総合人材育成センター』、『石川県商工労働部産業政策課』、『のと・七尾人間塾』、『かが元気塾』、『はくさん元気塾』とそのほかさまざまな「応援団」からも参加者が増え、“北陸を元気にする”活動を行っています。このブログでも以前ご紹介した「北陸MOTセミナー2010」でもコーディネーターとして大きな役割を果たしていました。

「北陸MOTセミナー2010」 http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/d197958af361be9bdb17bc76a0c4ba46

 写真はJAISTが主催し、石川県IT総合人材育成センターといしかわMOTシンジケートがコーディネートした「北陸MOT改革実践2010」より

その「いしかわMOTシンジケート」の主要な活動のひとつに、「体験交流会」というイベントがあります。これは改革実践の仲間が互いの会社を訪問しあい学び合うという企画で、今回で20回目になります。 ※過去の体験交流会の記録については、シンジケートのブログをご覧ください。 http://blog.goo.ne.jp/ims2007/e/d0a9b6e0ee24e5ca60e28aecd2faa98b

そして20回目となる今回は白山市にある(株)ニッコーさんを訪問しました。同社は創業100年近くになる陶磁器メーカーで、日本国内はもとより、海外にも事業を展開されている企業です。近年では住設環境機器事業や電子セラミック事業、さらには環境エネルギー機器事業の分野にも幅広く事業を展開されています。   当日はいしかわMOTスクール修了生をはじめ、最近スタートした「はくさん元気塾」受講生の方などが参加されました。

まずは幹事を務めていただいている砂崎さん(右:朝日電機製作所)の開会宣言。砂崎さん、ちょっと緊張気味ですね。(左は小松電子の滝川専務)

それでは砂崎さんに、今回お訪ねした(株)ニッコーさんについてご紹介いただきましょう。

今回は、ニッコー株式会社様におじゃましました。こちらは明治41年に、硬質陶器のパイオニアとして、金沢市で産声をあげ、平成20 年に創業100年を迎えた、いわゆる100年企業様です。現在では、「土・水・風」を生かした商品づくりをコンセプトに、環境に配慮しつつ、確かな技術とデザインで暮らしに密着した製品を提供する企業として、商品開発に取り組んでおられます。最近では小型風力発電機や脱臭装置など異分野にも既存の技術力を活かして進出されています。

砂崎さん、ご紹介ありがとうございます。そして同社の執行役員である滝本さんも、『いしかわMOTスクール』の一期生。卒業後もお互いに交流を続け、学びあっている仲間です。本当にうらやましいですね。

ところで砂崎さんの右に置かれている白磁の器は、同社が最近開発・販売を始めた新しいエコ脱臭剤『澄玉』を入れた『澄器』です。シンプルなデザインながら温かみがあるこの『澄器』は、同社の新しい可能性を開いてくれる新製品です。(もちろん、脱臭効果は先日の近藤志塾夏合宿の折に実証済み!)

その後は同社の社員食堂にお邪魔して、ちょっと早めのお昼ご飯です。同社の社員食堂は、北国新聞社が出版している月刊誌『アクタス』7月号で「こだわりの社員食堂」と紹介されたほど、本格的なメニューで有名です。実は今回私が参加した理由のひとつが、この社員食堂で食事ができると伺ったこと(笑)。ちょっと期待しながら、プレートをもって列に並びます。

 

社員食堂は、こんな具合で落ち着いたレストランのような感じです。

この社員食堂は、『アクタス』でも紹介されていたように、機能やデザインなどすべて計算されてトータルにコーディネートされているとのこと。案内してくださった同社の川中さんによれば、この食堂自体が同社の製品を実際に使ったショールームでもあるそうです。そういえば、使われている食器や照明のかさ、それぞれのテーブルに置かれている観葉植物の鉢にいたるまで同社の製品。とくに私たちが座った奥の一角はとくにカフェテリアのような雰囲気のデザインで、取引先との会食や商談もそのスペースで行われるそうです。製品のすばらしさを伝えるには、まず実際に使っているシーンを見てもらうこと。「百聞は一見にしかず」といいますが、それは製品に自信と誇りがなくてはできないことです。ここは同社のものづくりに対する熱い思いがあふれた食堂なのですね。

当日私がいただいたランチ。このボリュームでなんと¥350!(当日はご馳走していただきました・・・・とても美味しかったです。)

さて、食後は2階のショールームを見学です。このショールームがまた広くてすばらしい施設。同社の多彩な製品を一覧できます。広々とした贅沢なスペースに魅力的な製品が並べられていて、皆さんすっかり見入っていました。社員食堂で同社の製品が使われているシーンを見た後で、このショールームをのぞいてみれば、イメージもわきやすいですよね。もちろん、その反対もあるでしょうが、いずれにしても食器という同社の製品を販売するに際しては、「手にとって見る、使ってみる、イメージしてみる」ことがポイントなのですね。このショールームにはいろんなタイプの製品が並べられていますが、その他にもバックヤードにはすべての品番が取り揃えてあって、すぐに商談に入れるとか。落ち着いた雰囲気のスペースですが、そこは同社のビジネスの第一線なのです。

   

それでは前編はこれまでにして、後編ではいよいよ今回の体験交流会のメインディッシュ。工場見学とグループディスカッションの様子をご紹介します。

 


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