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コミュニティ・スクールとは?~これからの地域と学校の在り方~

2017-07-24 16:30:46 | 社会に開かれた学校

 平成29年の3月31日に幼稚園教育要領と小中学校学習指導要領が告示されました。4月1日にコミュニティ・スクールの規定された地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正された。また地域学校協働活動が社会教育法に新規に規定されました。これから順次施行されていきますが、このことによって「地域と学校の在り方」が大きく変わってきます。
 その目的は、今の子供たちや将来の地域住民がこの地で心豊かに生きていくことができるように、社会を改革することにあります。地方創生の実現です。そのことについて説明していきますので、ぜひ読んでください。
 これは、熊本県のある町でお話しをした内容です。



 日本創成会議提言です。1800の自治体の中で、消滅可能性都市はいくつでしょうか。
 ほぼ半分の自治体となります。


 消滅可能性都市を列記するのでなく、そうでない都市を上げてみました。
 県南では八代市だけです。県北は熊本市と接する自治体や観光地です。
 「おや、何ででこのが?」という自治体があります。


 ○○自治体は1400人の小さな自治体です。ここに上げたような多彩な教育に取り組んでいます。○○学は、ここに生きる子供たちに伝えたいこと、考えてほしいこと、取り組んでほしいことをなどを、地域の皆さんと学校が協働して教育にあたります。このような取り組みを永年続けてきたことが地域存続につながっています。きっと豊かに生きることが実現されているのでしょう。


 私たちの地域でも、○○自治体を手本として、“教育に力で、地域を変えることができる。”を実現していきましょう。


 このグラフは、○○自治体が作成した人口ビジョンです。全国の自治体が作成して、市町村のホームページに公表されています。熊本県のホームページにも県下全市町村の人口ビジョンが公表されています。
 左上の数字64.9は、50を超えると消滅可能性都市というわけですから、ここが消滅可能性都市であることを示しています。厳しい数字です。
 グラフからも、人口が直線的に減少しています。0(ゼロ)に近づいている感じです。


 世代別の人口の推移です。生産年齢人口は15~65どんどん減少していきます。
 老年人口は65以上、今がピークです。これからは生産年齢人口と重なって減少していきます。
 年少人口は15未満、低い数字ですね。益々減少していきます。この減少が止まらなければ厳しい状況になります。


 町では、4つの施策を考えています。それが実施された場合の展望が、上のグラフです。基本的には2060年までには平行になる(減少をくい止める)ようにするというのが、目標ですが、そうなっていないところです。しかし、何年か後には減少が止まることが伺えます。


 平成26年5月の日本創成会議の提言は大きな衝撃をあたえました。国もすぐ対策を立てました。4ヶ月後の平成26年9月には「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げました。本部長は安部総理大臣です。副本部長は石破創生大臣です。先の人口ビジョンはここからの発信でつくられました。
 教育ではさらに5ヶ月後平成27年3月に教育再生実行会議第六次提言がありました。これは安部総理大臣の諮問機関です。
 提言の内容は、目的が「教育がエンジンとなって地方創生を!・教育の力で地域を動かす。(変える。)・地域を担う子どもを育て、生きがい、誇りを育む。」です。それを実現する手段は「・全ての学校のコミュニティ・スクール化 ・学校と地域をつなぐコーディネーター等の人材配置」です。
 さらに、文部科学省では提言を具体的な施策にするために中央教育審議会で話し合い、平成27年12月に答申しました。
 翌年の1月にはそれを実施する推進計画を示しました。最初の提言が“内閣府”からですから、必ず実行される計画というわけです。


 ここでさっき出てきた「コミュニティ・スクール」と「コーディネーターの人材配置」について簡単に説明します。
 コミュニティ・スクールとは、学校運営協議会のある学校をいいます。協議会には地域の皆さんがいて、学校の経営や運営を学校地一緒に取り組んでいきます。つまり、地域住民が学校経営に参画する仕組みです。
 コーディネーターの人材配置では、コーディネーターという人材を中心として地域学校協働本部を作ります。本部の仕事は、地域の人々を、学校の教育活動に派遣する機能を発揮してもらいます。地域住民が教育活動に参画している活動を“地域学校協働活動”といいます。
 つなり、学校経営に参画するのがコミュニティ・スクール、教育活動に参画するのが地域学校協働活動です。


 推進計画にもどります。
 左側の青い文字が計画です。学習指導要領の改訂
 コミュニティ・スクールでは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正、ガイドラインの改訂、ハンドブックの策定をします。
 地域学校協働活動の推進では、社会教育法の改正、ガイドラインの策定が計画されています。
 右の赤い文字が“できました・つくりました・策定しました”というところです。ほぼ計画どおりにできています。


 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正についての内容です。
 これまで学校運営協議会は“置くことができる”となっていましたが“置くように努めなければならない”という努力義務となりました。
 学校運営協議会は学校ごとにしかつくれませんでしたが、場合によっては、二以上の学校に一つの学校運営協議会をつくることができるようになりました。
 学校運営協議会の委員について、地域学校協働活動推進員(コーディネーター)を加えることになりました。委員を任命するときに校長は意見を申し出ることが出来るよう2なりました。
 指定について、その取り消しの規定がなくなりました。


 社会教育法の改正についてです。
 これまで地域学校協働活動については、法律の規定はまったくありませんでした。それがこの社会教育法に規定されました。まず、第5条は教育委員会の事務(仕事)が規定されていますが、そこに2項として柱立てして“地域学校協働活動”が規定されました。地域と学校の適切な協力体制の整備です。これは地域学校協働本部の立ち上げが教育委員会の仕事になったということです。また、普及啓発・必要な措置が規定されています。
 さらに、“地域学校協働活動推進員”これはコーディネーターのことですが、法律にはカタカナの名前は記入できないとしてこのようになりました。地域学校協働推進員の委嘱が規定されました。“委嘱をする”ということは、謝金を支払うということです。この仕事はボランティアでできることではないということを暗に示しています。
 次の3つは地域学校協働活動推進員の仕事を規定しています。


 幼稚園教育要領と小中学校学習指導要領についてです。それぞれの校種で何を学ぶかを規定したものです。
 これらには、前文があり改善の基本的な考え方が記述されています。この記述はそこから抜き出したものです。
 「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」これは“地方創生の実現”を記述したものです。学習指導要領に地方創生が明記されたのは異例なことです。
 「未来社会において自立的に生き、社会に参画する・・・・」とは“地域を担う子どもの育成”ということではないでしょうか。「社会の形成に参画する資質や能力を一層確実に育成する」とは、“地域に生きる子どもに必要なことをしっかりと学校教育で取り入れ確実に身に付けさせる”ということです。「その資質・能力とは何かを社会と共有する」とは、これは学校だけで教材をつくることはできません。地域の皆さんとしっかり協議して作り上げていくものです。その場がコミュニティ・スクールの学校運営協議会ではないでしょうか。「社会に開かれた教育課程」とは、その資質・能力を学ぶ教材を教育課程にしっかり位置づけて、日々の授業の中で学んでいくというわけです。先進校では○○学という教材を作成して、生活科や総合的な学習の時間で実施しています。
 どのように学ぶかというところに「主体的・対話的で深い学び」「アクティブラーニング」があります。“主体的”は自ら進んで学ぶという意欲です。“対話的”というのは“学び合い”とも捉えることができますが、その程度で“アクティブラーニング”と言えるでしょうか。私としては先生と児童生徒の教室だけの学習ではなく、“人との交わりの中で”と解すると、児童生徒が学びたいという意志を持って、教室だけに止まらずたくさん人々と触れ合うのかで体験を通して学んでいくことを思い浮かべます。これは“地域学校協働活動”そのものです。
 これが「何を学ぶか」「どのように学ぶか」です。「何ができるようになるか」についてもこだわるのが“カリキュラムマネージメント”です。授業で学んだことがちゃんと身についているのかを常に確かめながら推進するのです。できていなければ、改善をして、再び学習して身に付けるのです。計画→実施→検証→改善のサイクルで確実な育成を行います。
 こんな学習指導要領となります。

 これらの改善で、教育再生実行会議の提言が具体的なものとなります。


 これまでのことを整理してみます。
 目的は「地方創生の実現」「地域の未来を担う子供たちの育成」です。今の子供たちが大人になったとき、この地域で心豊かに生きることができるように準備することです。
 その手段が、コミュニティ・スクールの学校運営協議会で「地域を未来を担う子供たちをどのように育てるか!」を協議することです。その内容を教育課程の中にしっかりと位置づけるのです。
 手段の2つ目が地域学校協働活動をできるだけたくさん行うことです。そのためには地域学校協働本部がぜひとも必要です。

 ここではこれからコミュニティ・スクールについて、チョット詳しく説明していきます。


 ガイドブックに示された説明図です。文字と絵を組み合わせて読んでみてください。
 これは法律に規定された内容のみを説明したものです。実はこれだけでは十分ではありません。協議会の委員として任命されたときのことを考えてください。委員になってすぐ学校の課題や地域の課題を真剣に話し合うことができるでしょうか。学校に一歩足を踏み入れることにも抵抗のある人もいます。このように制度を作っただけで機能するわけがありません。
 そこで、次のようのことを行います。


 みんなでよく考え話し合う“熟議”です。
 同じ目標に向かって、一緒になって活動する“協働”です。
 校長を中心として、人をつなぎ、学校の組織の力を引き出す“マネジメント”です。


 “熟議”をすることで、自分が学校経営をしているんだ!という当事者意識を、委員の皆さんのこころに生み出されてくるようにします。そのことによって、地域でどのような子どもをそだてていくのか、何を実現していくのかという目標・ビジョンを共有できるのではないでしょうか。
 どのようなことを熟議するのかの例が示されています。
 熟議を深めることによって、自分自身も活動に加わってくることは当然のことと思います。それが“協働”です。委員の皆さんから始まって活動の輪を広げることによって、地域の子供たちを思う気持ちが広く深くなっていくものと思います。
 “マネジメント”は学校だけでは十分ではありません。地域との関係を構築し、地域人材や資源等を生かした学校運営を行っていく力が必要です。そんなマネジメントです。


 ○○町には小中が一校ずつあります。そこに学校運営協議会をつくる場合には、この2つの例があります。
 1の学校運営協議会の場合は、○○町の子どもを育てるには最適の仕組みです。しかし、それぞれの学校の課題を協議する場合には、小中で違った者があります。そのときには協議会を2つに分けて小学校部会・中学校部会として別々の委員で話し合ったらいかがでしょうか。
 2の学校運営協議会の場合は、町の子どもを育てるという視点では“合同学校運営協議会”を設ける必要があります。
 以上のことを参考にしてください。


 コミュニティ・スクールだけでは十分ではありません。今回の法改正で“地域学校協働活動”が求められています。そこで、地域学校協働本部について考えます。
 本部の設置については教育委員会が立ち上げることになります。しかし、本部そのものは、コーディネーターを中心として地域人材を置いた地域の皆さんの仕組みです。コーディネート機能を発揮させるためには、各学校がつくった地域学校協働活動年間計画を提出してもらうと、年度始めに地域住民の代表者に集まってもらって、どの地域学校協働活動を担当するかを協議して決定してもらえれば、後は学校の担当者っと、担当する地域の方と連絡を取り合うことで実施できるようになります。本部の仕事はその円滑な運営に享禄したり、支援助言を与えることです。また、学校には随時の要請もあります。それに対する対応も必要です。


 これまで、地域学校協働活動に参画されるボランティアには言及してきませんでしたのでここをご覧ください。
 ボランティアの皆さんは、最初は躊躇されるところもありますが、強く引っ張ってみると参加してもらえることできます。一度地域学校協働活動を体験すると、このようなメリットに気づかれて喜びに変わることが多いです。ぜひ、引っ張り出してみましょう。


 実現すべきコミュニティ・スクールの姿をまとめてみました。
 ○○町の子供たちを育むわけですから、1の学校協議会をつくることがいいでしょう。でこの仕組みが保育園や幼稚園も同じ目標・ビジョンを持って推進して行くことが必要ですから、その関係者を委員としてはいかがでしょうか。
 地域学校協働本部についても小学校中学校だけのものでなく、○○町の全ての学校等に対応するものを創ってもらえれば、0才からの育ちに地域の皆さんが参画することができます。
 ○○学の必要性は先に述べましたが、それをつくることが必要です。その作成委員会をぜひ創ってください。


 以上で説明を終わります。
 最後にお薦めの案を示しました。それを参考に○○町に合った確かな仕組みを考えてください。
 
  






 




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