ひぐらしの思い出

17年続くライフログ。
2020年2月から2022年12月まで毎日日記を書いていました。

ゴージャス☆アイリーン

2009-12-03 13:49:15 | 本・漫画・アニメ
「ジョジョの奇妙な冒険」でおなじみの荒木飛呂彦先生の短編集。

私、小学生の頃毎週買ってたジャンプの中で「ジョジョ」って苦手だったんだよね。わりと頻度の高い残虐シーンが女の子にはちょっとハードル高くてさらさらと読み流す感じでした。だから第三部くらいからかな、面白さに気付いて(精神年齢やっと追い付いたんでしょうか)しっかり読みだのは。
コミックをぜんぶ通して読んだのは高校生くらい。「ジョジョ立ち」を「笑ってもいいんだ」って思えるようになってからは大好きになりました。

『ゴージャス☆アイリン』は、メイクをすることで変身できるという特殊能力を持った殺し屋一家のお嬢様アイリーンのお話。おお、荒木テイスト!1P目からジャンコクトーの引用を使ってたり、かなりカッコイイです。

女の人って誰でもお化粧をするとちょっと人格変わったりするでしょ。キリっとなったり色っぽくなったり。そうゆうの実感としてあるから一見荒唐無稽な設定もなんとなく納得しちゃう。こうゆう説得力は荒木先生すごい上手だと思う。
ジョジョの「波紋」も「スタンド」も科学的に考えれば相当アレな感じだと思うんだけど、なんとなく納得しちゃうんだよね。絵柄や効果なんかも相まってリアルさすら感じてしまう。
この、なんとなく納得出来るか出来ないかって実は漫画にとって一番大事なことなんじゃないかしら。
説明口調が白々しいとどんなに素晴らしいストーリーでも読者は読んでて萎えちゃう。かといって説明をおろそかにするとつじつまが合わん!って厳しいツッコミを受けるわけで。だから読者を「なんとなく納得」させるのって作家さんにとっては一大事なんだよね。

漫画ってさ、読んでる時はどっぷりその世界に入っちゃいたいじゃん。漫画家さんは読者に魔法をかけてあげなきゃいけないんだよね。荒木先生はその魔法を上手にかけてくれる、素敵な作家さんだわ。

独創的なストーリーとそれを読者に読ませる説得力、そして魅力的な絵。これを自由自在に使いこなせるのって並大抵の人じゃないわ。著者近影で若き日の荒木先生のお姿拝見できるけど今とまったくお変わりがないのは、やっぱりそうゆう人だからなのかも。


同収録の『魔少年ビーティー』『バージニアによろしく』『武装ポーカー』もそれぞれ短編なんだけど読み応えがあって、近年多い味の薄いストーリー漫画にはない満足感を得られます。それぞれのレビュー別々に書きたいなー


『ゴージャス☆アイリン』荒木飛呂彦

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