ひぐらしの思い出

17年続くライフログ。
2020年2月から2022年12月まで毎日日記を書いていました。

多摩川「たぬきや」のしあわせ

2015-08-05 10:32:44 | 食べ歩き・飲み歩き

「たぬきや」パリッコさん画

ネットで見かけてからずっと行ってみたかった場所があった。
「たぬきや」というお店。
多摩川の河川敷にあるので住所はないし、電話番号もない。そんなお店。
わたしのバイブル、大好きなパリッコさんの大衆酒場ベスト1000でも紹介されてて「必ず、いつか行くぞ!」とは思っていたんだけど。

今回のきっかけは、たしかきれいな虹が見れた日。Twitterで「たぬきやに架かった虹」って画像が出てたんだよね。
「あ~いいなあ、天国のようだ…行ってみたいなあ!」
と盛り上がりに上がったこの気持ち、この夏にぶつけてみました。
(どんなに素晴らしいお店なのかはパリッコさんが語ってくださってますので皆さんもぜひこちらを読んでからこのブログをご覧ください)
「大衆酒場ベスト1000第66回たぬきや(稲田堤)牛もつ煮込み」

ズボラでぐうたらで、普段の集まりは基本「誘われ待ち」というやな感じのわたしが今回ばかりは友人を呼び集めまして。
総勢8名。(わたしにしては頑張った…)
参加してくれたみんなありがとー。

人を集めたはいいけれどなんせたぬきやは電話がないので予約も出来ない。
不定休なのでその日にお店が開いてるかどうかもあやしい。
そんなわけで連日の猛暑もなんのその、真っ昼間の12時に集合という近年まれに見る早起き作戦を立てていざ稲田堤へ。
(もしお店がやってなかったら近所のサイゼリアに避難しよう、とかまで考えた。えらい。マメだ)

稲田堤駅からまっすぐ多摩川に向かって歩くこと5分ほど。
その道中、あまりにも暑いので途中コンビニで「もしものために」と水と塩飴を買う。(わたしのマメさその2)

健康第一。楽しい飲酒は健康から。

河川敷に出るとすぐのところに建物が見えた。あれだあれだ!と大興奮。よかった。
(お店が見つからないかもしれない、と前日不安になってGoogle earthで探しといた。マメその3)
しかし様子がおかしい。
お店のシャッターは半分閉じているし、人がいない…
すわ、休み!?



情報によると営業時間は11時~19時だったはず…ええ~
一同緊張感に包まれるも、おじさんがひとり缶ビールを持って軒先の席についた。
「どうやらやっている…らしい?」
一安心して様子をうかがっていると、お店の中の方でおばちゃんがひとりお掃除をはじめてらした。

「今日やってます?」と聞くとちょうど今からお店を開けるところだったらしい。
よかった、気合いを入れすぎて11時に来なくて…

このとき集まっていたのは4人。とりあえずおばちゃんの開店準備を見守りつつしばし待ち、頃合いをみはからって注文。
とりあえず生ビールで乾杯。


生ビール500円

最高。(関係ないけどわたしの髪、弁天様みたいじゃね?)



近くの川辺では近所の小学生達がなにやら着衣のまま川で遊んでいてなにかの訓練?が終わったところだったらしい。
子供達のにぎやかな声。軒下には川からの風がとどいて意外と涼しく、むしろ暑さはビールを美味しくしてくれる。
最高。

お店の準備(おばちゃんの準備)が整ったあたりで食べ物も注文。まずは同行者がネットで見て絶対食べると言いはっていた焼きそばを。


焼きそば500円

間違いようのない味。最高。
夏の昼ごはんって焼きそばなイメージありませんか?わたしはある。
ここで2名参加者が到着、こっちもにぎやかになってきたよ。

 

画像を見ておわかりかと思いますが、このときお客さんはまだ我々と最初にいた缶ビールのおじさんのみ。ほぼ貸し切り。
なんとも贅沢だよ。
追加で焼き鳥盛り合わせ、おでんを注文。


おでん値段不明

午後1時を過ぎ、たまに人がやってくる。
近所の人って感じからわざわざ飲みにきた風のお兄さんから。
たぬきやはキャッシュオンの支払いなので飲み物だけ買っていく人なんかもいたり。自由だなあ。
ここいらからすでに飲み物は瓶ビール(550円)に移行。
汗をかきながらビールを飲み、眼前に広がる多摩川を愛でる。
さすがに川に入ったりはしなかったけど、水着の用意を半分本気で考えていた(マメ4)くらいなので時たま水辺へ近づいてみたりする。



水はにごってる。
石のまわりにもよもよとしたコケというかなんというかがまとわりついてる。
これ足すべるから気をつけなきゃいけないんだよな、とか思う。
わたしが育ったとこには相模川ってのがあって、夏はそこでしょっちゅう泳いでた。溺れかけたこともある。いい思い出だ。
楽しい。最高。

ここでイチゲも到着。あいつの遅刻ぐせはもうどうしようもないな、もう怒るのやめよう、と固く心に誓う。怒ったけど。
外席で飲んでたんだけどだんだんと陽が移動してきたので我々も席がえ。店内へ。



なんだか親戚の家みたい。みな口々にそう言ったけど、わたし正直こんな親戚いないんだわ。
あるよね、謎の郷愁。謎のノスタルジー。
ここらで同行2名が帰宅。
まつさん旦那さんお酒飲まないのに参加してくれてありがとう。楽しかったね!

追加で枝豆、スナック菓子などをつまみつつ瓶ビールはひとり一本抱えて飲むスタイルで宴はつづく。



「夏に夏じみたことをするのっていいね」
そんなことを話した気がする。そしてなんとなく青春時代にもどったような気になった。
たぶんたぬきやがとても自由で懐かしい雰囲気だったからだろな。

午後4時すぎ、お店は繁盛していて気がつけばお客さんはかなりの人数。
おばちゃんひとりで切り盛りしていて大変だなあと思ったけどお客さんたちもなれたもんで、ひと声かけてお金置いて勝手にビール持ってったり。
空いたグラスやビン、お皿なんかを片付けにきたりとか自然とそうなってる感じ。
わたしもせっせと空きビン運びましたよ。
いいお店だ。

座った席の上に額がかざってあって、どうも見覚えがあるなと思ってまじまじ見たらパリッコさんの絵だった。



たぬきやの絵。すてきだなあ。
Twitterにあげたら翌日ご本人から返信が来てうれしくて。もはやパリッコさんはわたしのアイドルだ。

それなりに飲んで夕方となり「そろそろ行きますか」と後ろ髪をひかれながら腰を上げた。
ずっといれるなここは。また来よう。そんな声が聞こえてなんでかわたしがうれしかった。
最後に記念撮影。



いい顔をしている。
みんな「最高だ最高だ」と言ってくれた。
いまだかつてわたしの企画した飲み会でここまで人が喜んでくれたことがあっただろうか。
感無量。みんなを誘ってみてよかった。言い出しっぺの責任感が苦手でなかなかやれないけどがんばってみてよかった。
最高。

その後浮かれた我々はカラオケへくりだし(大人は帰ってしまったなあ。猪子さんまた遊びましょうね)イチゲが入れたくるりを横取りして歌ったりブルーハーツで2名のみ盛り上がり今度しばりカラオケやろうと話したり。(布施よ、絶対実現するぜよ!)
〆にニンニクのきっつい二郎系のラーメンを食べ(自己責任だよわたしが悪かったんだ)帰宅の途についたわけです。
うちに帰ってシャワー浴びてさっぱりしてもまだ21時すぎとかで、先に寝ちゃってた旦那氏を見ながら「今日一日って夢だったのかな」と思ったよ。
そんですぐ寝た。
子供の頃の夏休みみたいな一日だった。

今回このブログを書くのにネットを検索していて出てきたこの記事 「デイリーポータルZ/多摩川ロケットボーイズ」、これに当時ものすごく憧れたのを思い出した。へーこんなことやってる大人がいる、こんな大人になりたいなって思った。
なれたのかなそんな大人に。
なっていいのかという疑問はおいといて。