ハバナムーン。

まるで水と油なのに不思議に仲良くなった。
ほんの偶然かも知れない出会い方だったんだろうと。
おおげさに言えば奇跡だと思う。
ハバナムーン店主・キノピーは物事にとことんこだわる人で、俺は知っての通り、物事なんでもありな性格。
ひとつ間違えば、すれちがって終わりだっただろうな。

初めてハバナムーンに行った日のことは、ぼんやりだけど憶えている。
ハッキリ憶えていることは「こんなお洒落な店、俺には似合わないな」と思ったこと。（笑）
今の場所に移る前。吉祥寺南口の曼荼羅の裏あたり、中古レコード屋の２階にお店があった頃。っていうか開店したての頃。
ってことはあれから20年！？（爆笑！）

当時一緒にバンドやってた後藤と高田漣くんにスタジオリハの後、連れていかれたんだ。
カウンターに3人並んで座った。
ぶっきらぼうに兄貴分みたいに漣君と音楽の話をしてる店のマスターとは、ひと言もしゃべらなかった。と、思う。（笑）
あの頃のキノピーの毒舌は絶品だったなあ。
（この最後の一週間、あの毒舌が復活しつつある・・・・）

後年何度かキノピーと話したけど、俺たち世代にとっては呑み屋のマスターは客より格段に偉かったのだ！
今よりずっと。

そう言えば出会った頃は「木下さん」だったな。
それが「木下くん」になって、「キノピー」になったのだ。
キノピーって呼び始めたのは俺orタカシ（山本）が最初だと思う。
おそるおそる、呼んでみたよなあ。
短いようで長い歴史が呼び方にもあるね。

もしその店が気に入らなければ二度と行かないし、好きになってしまえば何度も通って顔を憶えてもらって、マスターから話しかけてもらえる。
呑み屋ってそういう場所だった。

今にして思えばハバナムーンのことを好きになって、キノピーと仲良くなるのに結構時間がかかったのだ。

きっかけはキノピーと「通天閣」ってバンド組んだこと。
ロックの名曲のカヴァーばかりやる本気お遊びバンド。
メンバーはギターがキノピー＆山本タカシ、ベース俺、ドラムけんちゃん、ボーカルは大ちゃん＆レヨナ。
結成当初は永やんもメンバーだった。

そのころ（15年くらい前？）俺は漣くんが歌うバンド「デキシー頭巾」（なんてバンド名だよ！笑）でベース弾いてて、キノピーのバンド「ロス・アルマジロス」と対バンしたのだ。
場所は吉祥寺の呑み屋の殿堂！？今はなき初代「のろ」

アンコールで蓮くんがいきなり知らない曲をやったのでベース弾かずに踊ってたら、大ウケしたキノピーから誘われたのだ。
高田渡さんに「黙れ！ヘタクソ！」って怒られたのもこの日（笑）
今となっては自慢のひとつだね。

「通天閣」は年に一回「吉祥寺グランプリ」ってイベント出演してた。
これが吉祥寺のいろんな呑み屋が集まって、この日だけの特別バンドをそれぞれの店が組んで、朝まで吞み放題で騒ぐって恐ろしいイベント・・・

うわ、もうこんな時間！？

（続く・・・かも！）

今夜はハバナムーン、最後の夜。
これからいってきます！

いろんなことは、おいといて、今夜は楽しく吞むぞ！


8年前、初代「ハバナムーン」が閉じた大晦日の灰日記