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「もっともあぶない刑事」 レビュー (ファミコン)

2018-06-29 21:00:33 | ファミコンレビュー
当時、日本テレビ系列で放送していた同名刑事ドラマのファミコン版
サイドビューアクションゲーム+α
マイクロニクスが開発
東映動画から発売
1990年2月6日発売

あらすじ
特にこれと言ってデモ画面もないので
スタート直後の二人の会話を抜き出してみる。

タカ「昨日の女はどうした。」
ユウジ「午前0時のチャイムと同時に別れたさ。
タカ「良い女だったじゃねえか。」
ユウジ「生活を変えろって言うんだ。」
タカ「男を変えようとするもんさ。女は。」
ユウジ「変えられるか今更。」
タカ「無理だろうな。」
ユウジ「こんな面白い仕事やめられるか。」

そこからステージが始まる…
(予告編の冒頭部分でもある)




特徴
本作独自要素は皆無

どこかで見た事があるようなゲームの寄せ集めである。



操作方法

サイドビューアクション時

左右キー:移動
下キー:しゃがむ
Bボタン:射撃
Aボタン:ジャンプ
 上+Aボタン:大ジャンプ

スタートボタン:ポーズ
 ポーズ後にAボタン:武器選択
 (拳銃→マシンガン→手榴弾→拳銃→…)
  ※拳銃以外は弾が必要。

3Dシューティング時

十字キー:カーソル移動
Bボタン:射撃


カーアクション時
左右キー:移動
Aボタン:アクセル


点数は10点

良い点
・二人同時プレイ可能


悪い点
・キャラが出てこない
・操作性悪し
・効果音殆どなし
・敵の種類少なし
・ギミック少なし


・2人同時プレイ可能
 「あぶない刑事」と言えば
 『タカ』と『ユウジ』のコンビって事で
 同時プレイ出来る…
 だが、2人プレイにすると処理落ちがきつくなる…


悪い点の解説
・キャラが出てこない
 タイトル画面でうっすらと似ている「タカ」と「ユージ」が出て来るが
 ゲーム中に顔は出てこない。サングラスしている姿もですかぁ?

 「透」は遠目から見たのっぺらぼうの姿&台詞だけ登場
 「薫」や「課長」に至っては台詞のみ
 それ以外の港署の人は出てこない。

・操作性悪し
 左右の操作性は別にいいが
 ジャンプに関しては敵の射撃の速さに対して非常に遅い
 ジャンプ中は十字キー操作を受け付けないのでダメージを食らいやすい。
 空中に浮いているアイテムは放置が安定である。



・曲、効果音殆どなし
 サイドビュー面での曲はラスボス戦含めると2曲だけ。
 ステージボス登場の時も通常の曲である。

 効果音に関してはこちらの射撃のみ

 「タッ!タッ!タッ!」

 と、やたら軽い音がするが敵の被ダメージ時や敵を倒した時の音もない。
 敵の射撃音もなく、
 向かって来た沢山の敵がこちらが撃った弾に勝手に当たって
 無音で死に続けるというシュールな光景が終始続く。

 ボスを倒しても効果音はない。


・敵の種類少なし
 人間の色違いが少々いるが
 動きにそれほど違いはない。

 「包丁持って突撃して来る奴」
 「銃撃してくる奴」
 「スライディングしてくる奴」
 「手榴弾投げる奴」

 これら4種である。


・ギミックなし
 ステージ中にこれと言った仕掛けは殆どない。
 せいぜい見えている石が近づくと落ちて来るぐらい。
 後は障害物がありそれを飛び越えるぐらいか…




上記、特徴で『寄せ集め』の前に付け加える言葉があるのなら
『極めて出来の悪い』という所だろうか?

立ち止まっていると敵が左右からワラワラ出て来るんだけど
敵の被ダメージ音がなく、弾を避けようという行動もしない。
適当に撃った弾に敵が自ら突撃して接触し、無音で死亡していくサマは

「一体、何なんだコイツらは?」

困惑するに十分である。
というか…気味が悪いとか気色悪いんだよね。
銃殺されに来ているのかと…
薬でもキメてんじゃないのかって疑いを持つレベルである。
(まぁ…ヤクザ相手の戦闘でもあるからその線は、設定的に大いにありうる話ではあるが…)
「ジョジョの奇妙な冒険」の敵にも銃殺されに来たような奴がいたけど…

「スタンド攻撃でもしてくるのか?」

という気持ちにさせられる。
スタンド攻撃とは言わないが、銃殺しすぎで後にペナルティが課せられるんじゃないかと思った。
(特にそんな事はない)

ちなみに点数表示がないのでそんな殺されに来る敵の多くは無駄死にである。
(たまにアイテムを出す奴がいる)

3Dシューティング面が出て来る。
現れた敵に十字キーでカーソルを合わせて射撃という訳だ。
が、効果音は相変わらずのままである。
タッタッタッと射撃するが敵を倒しても無音である。
迫力も臨場感もありゃしない。

カーレース面は
基本、直線の道で乗用車に接触するとスピンして左右端に接触すると爆発。
時間のロスをしつつも再度、車で走る事になる。

車に接触してスピン時に左右に振ると復帰可能。
箱トラックが走っていてそれにあたると爆発。

完全に「ロードファイター」パクリである。


こういった何の実感も高揚感もない状況がステージ終わりまで続く。
そうなるとこっちの心が乾いて来るんだよね。
何も感じられなくなる。
最終的に驚きも、興奮も、悔しさも、悲しさも何も生まれなかった。

「無」

そのものである。

2人同時プレイが出来るからと言って友達とプレイするのはオススメしない。
ただでさえ酷いゲームの上に処理落ちが更にきつくなるのでまともに遊ぶ事が出来ない。
ドラマ劇中で『タカ』と『ユウジ』は結構

「コンビ解消だな」

なんて言っていたが…
友達同士のコンビを解消することになるからやめておけぇッッ!!



ちなみに本作の発売時期の他のゲームは

1月26日「わんぱっくダック大冒険」
2月2日「スーパー魂斗羅」
2月6日「もっともあぶない刑事」
2月11日「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」
2月23日「人間兵器デッドフォックス」
2月23日「キテレツ大百科」

などがある。
似ているゲームの「デッドフォックス」よりは一応、前なんだ。

どこかのゲーム紹介本で本作の事を
「もっともあぶない出来」と称していた。
『危ない』とは危険な状態が続いている事を指すものだ。

ここまで来るともう危ないじゃなくて
もう起こってしまっているんだよね。

『事故』が…

別の刑事ドラマの台詞を拝借するなら

「事故は会議室で起こっているんじゃない!
 ゲームで起きてんだ!!」





ここからがネタバレ






















エンディング
黒い2人の後ろ姿が現れる。

ユウジ「明日の晩は南の島で愛を語り合うか、、、
 とびきりいい女と。」
タカ「じゃあ俺は北国の女と愛を語り合うか
 炬燵の中で。」
課長「鷹山、大下 事件だ。
 空からテロリストが
 降って来たらしい。」
ユウジ「課長 冗談じゃないですよ。」
タカ「俺達 明日から
 久々の休暇
 なんですよ。」
課長「悪いなぁ。休暇を返上させて」
トオル「先輩 失礼します。」
ユウジ「トオル てめえ。」
カオル「捜査課の皆さんお先に。」
タカ「どこ行くんだ?そんな恰好で」(姿は出てこない)
カオル「ディスコよ。ディスコ。」
ユウジ「、、、懲りてない。」
課長「また検挙率アップを頼むぞ。
 大下、鷹山。」

タカ「生活かえてえ。」
ユウジ「こんな仕事やめてやるんだ!!」

スタッフロール。


そこそこの人があだ名ではなく実名っぽい表記。
エエ根性してるな。
ま、昔のゲームのスタッフロールであだ名っぽいのは
引き抜き防止の意図があったようとの話だが
このゲームならば関係者を誰一人として引き抜こうと思わんから安心か。
いや…
寧ろ

「この人達を引き抜きをしない方が身のためですよ」

と、親切に教えてくれているのだろう。
痛み入るな…その優しさ…

本家「あぶない刑事」のオープニングで
『タカ』と『ユウジ』がこちらに向かって発砲していたが
何に向けて撃っているのか分からなかった。
カッコつけかと思っていたが…
ああ…
本作に向けてぶっ放していたんだなって理解したよ…




さて、最後にこのゲームに対し
「柴田恭兵」氏の「あぶない刑事」の挿入歌の歌詞が
実に本作に馴染んでいる。
というか本作の為に歌詞をつけたんじゃないかとさえ思えるほどだった…
一部だけノー編集でお送りしよう。
本心で言えば、全文全てノー編集で載せたいが…
気になる方は個人で歌詞サイトにいってくださいませ…
歌詞を載せるって行為は色々と『あぶない』のでやめておきます(笑)


最悪だぜ。
ゲームって奴の無為にはなるな。
ドン底から叫び続けろ
冗談じゃないぜッ!





元タイトルは

「TRASH」



つまり『ゴミ』である。





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