髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「スケバン刑事III」 レビュー (ファミコン)

2018-07-06 21:00:37 | ファミコンレビュー
同名実写ドラマのファミコン版(但し元々は漫画原作)
アクションRPG(トップビュー&サイドビュー)
開発はショウエイシステム
発売は東映動画
1988年発売1月22日発売

本作の元となった
『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』というドラマは本作発売の3ヶ月前に終了している。
(1986年10月30日~1987年10月29日まで)

だが、本作発売の後に
1988年2月11日に映画
「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」が放映されている。
(髭人は内容について全く存じません)

1991年には
本作の絵柄とは違う漫画版の絵柄を元にしたOVAも出ている。
(詳しくはwikiなどで調べてねん)


ゲームのあらすじ
日本支配を企む暗黒の軍団『影』に風間三姉妹が挑む。


特徴
スタートボタンで使用キャラを切り替え可能。

『風間三姉妹』を操作する事になる。

『風間 結花』長女
 通称『折り鶴の結花』
 その通称通り、折り鶴を使用する。

『風間 由真』次女
 通称『リリアンの由真』
 リリアン棒(編み針)を使用する。

『風間 唯』三女
 ドラマでの主人公
 「九州一の大スケバン」を名乗る。
 ヨーヨーを使用するが
 ドラマ劇中の初期では
 使い方が下手で修行を命じられたこともあるとのこと。


武器の種類こそあれど使い勝手は皆同じ。
移動速度、ジャンプ力も同じである。
異なるのは使用する忍術のみである。

レベルアップ要素があり敵を倒す事で
レベルが上がり攻撃力、使用できる忍術が増える。

NP(恐らく『忍術ポイント』だろう)を用いる事で忍術を使える。

池や川や穴に落ちると即死。
 ※「蘇生の巻物」の所持者のみHP10で復帰する。

効果の説明はなくわかり辛い書いておく。

「げーむのせつめいしょ」さんから」から

金縛り:10秒間敵の動きを止める
飛行の術:10秒間時間飛行する(1面だけしか使えない)
凍結の術:敵の地中に潜るのを防ぐ
閃光の術:10秒間暗闇を明るくする。
闇封じ:暗闇を明るくする
防御の術:10秒間ノーダメージ
稲妻の術、爆発の術:全画面攻撃
復元の術:HPを50にする
 ※HPを50のするものである。
 HPが50未満でもそれ以上でも術を使うと50になるのである。
時空破り:時空間を破壊する事によりHPが減らなくなる(時空間のみ)

操作方法

アクション画面時

 十字キー:移動

 Aボタン:ジャンプ
  ジャンプ中Aボタン:回転キック(サイドビュー時)
 Bボタン:武器使用
 A+Bボタン:忍法の使用

 スタートボタン:ポーズ画面


ポーズ画面時

 十字キー:カーソル移動

 Aボタン:カーソルの物を使用
 Bボタン:カーソルの物を捨てる。

 セレクトボタン:ポーズ画面での選択したものの使用
 スタートボタン:画面切り替え




得点は10点

良い点
・「スケバン刑事III」のゲーム
 ドラマ未視聴なのでどれだけ再現出来ているのか不明。
 ただ、この出来のゲームでは本作発売後に映画が公開されたとの事だが…
 このソフトをプレイして

 「よし映画を観に行こう!」

 って方はいたのかと疑問に思う。
 いたら是非ともコメントください。


悪い点
・パスワード面
・レベルアップ時に何もない。
・回復手段が乏しい
・上下スクロールの仕様
・喋らない『風間三姉妹』
・『唯』が死ぬと詰む

悪い点の解説

・パスワード面

 いくつもあるので項目に分ける。

 ①パスワード表示法
  まず、プレイ中にスタートボタン押すことで3姉妹を選択可能であるが
  キャラ選んだ時点でパスワードが表示される。

  一々表示されて実に鬱陶しい。
  何で、パスワード表示コマンドを用意せんの?


 ②パスワードの文字数
  文字数は何と73字である。
  多いッッ!!
  長いと言われた「ドラクエ2」ですら最大52字である。


 ③パスワードに空白無し
  3行ほど表示されるのだが空白がない。
  ドラクエ2であれば

  「ゆうて いみや おうきむ
   ……… ……… …………」

  といった風に
 「3 3 4
  3 3 4
  …」

  という調子で短めに表示され改行されて打ち込みやすいのだが
  本作は

 「26
  26
  21」

  という具合であり文字数が多すぎるために
  今カーソルが何文字目を指しているのか非常にわかり辛い。


 ④カーソル移動時の不協和音
  カーソルを移動するたびに

  「ビリビリ…」なのか
  「ブリブリ…」なのか…

  と気持ちが悪い音、もしくは実に汚らしい音がなるのだ。
  何が楽しくてそんな音にするん?

  
・レベルアップ時何もない
 敵を倒しているとレベルが上がるのだが

  「レベルが上がりました」

 というウインドウが表示されるでもなく

  「♪~」

 と音を鳴らして知らせるでもない。
 ただレベルアップ時に無音でHPが微回復するといぐらいだ。

 『結花』が4回復
 『由真』が6回復
 『唯』が5回復

 という違いがある。

 髭人「ん?
  ちょっと体力が回復したぞ。
  レベルがあがったのか?」

 そんな感じで
 ありがたみ、実感は皆無だ。
 結構レベルを上げていると
 数発当てて倒していた雑魚に当てる回数が減る事で
 攻撃力があがったのだとやっとレベルアップを何となく感じる。


・回復手段が乏しい
 このゲーム、手軽に回復するアイテムがない。
 最初は町から始まるが回復できるような施設はなく、お金もない。

 体力の回復手段は『復元の術』『復元の巻物』『レベルアップ』である。

 『復元の術』は全員覚えるがそれを覚えるまでは回復する手段が殆どない。

 『復元の巻物』は使用できるのは『唯』のみ。
 『結花』『由真』は持っていても使用する事が出来ない。
 但しこのアイテムがあるのは4面である。

 レベルアップすると上記の通りHPが増える。
 最大LVの20まで行くと敵を10体倒すとHPが1あがる。

 ただレベル20を最初から目指すのは大変である。
 まずはレベル上げをして『復元の術』を覚える事だな。

 ファミコンのRPGでパスワードを使って再開すると
 HPが最大まで回復するものがあるが本作は現HPを記憶する。
 つまり瀕死の状態でパスワードを取って再開しても瀕死のままである。

 但し、NPは記憶せず全回復する為
 瀕死になってNPも乏しい状況なら
 パスワードで復帰して『復元の術』を使うのがいいのかもしれない。

 だから何とか『復元の術』を覚えるレベルまでレベルアップするのだ!!


・上下スクロールの仕様
 4面は、高低差があるステージであるのだが
 下に降りる場合は普通にスクロールする。
 しかし、上に登る場合、ジャンプしただけではスクロールせず
 ジャンプして足場に乗った瞬間にスクロールを開始するので
 上下激しく動くと混乱する事請け合い
 かなり苛立つ


・喋らない『風間三姉妹』

 「せからしか!」

 と、実写のドラマの次回予告で主人公の『唯』がそのように言う。
 意味は熊本弁で

 「うるさい!」

 という意味だそうだ。

 その『唯』の言葉を信条にしているのかどうかは知らんが
 本作で『風間三姉妹』は一切喋らない。
 折角、女子キャラが主人公なのに勿体ないだろ。コレ。
 オッサンとかジジイとかヒントらしきことを言うけど…
 お前等いらねぇよ。

 ちなみに3姉妹の大きな画像が出るのはタイトル画面のみである。


・『唯』が死ぬと詰む。
 このゲーム、完全に死ぬと復活する手段がないようだ。

 『蘇生の巻物』というものがあるが
 これはやられた場合に本人のみがHP10で復帰するというものであり
 別の誰かに使ってあげる事は出来ないのだ。

 それで『唯』がいないと倒せない敵がいるために、
 『唯』が死ぬと詰みである。
 もちろん、それを予め教えてくれるようなキャラはいない。

 パスワードを用いても復活しない。






悪い点というか何というか…仕様なんだが…
その場では敵が1種が複数出て来る。
歩いていると操作キャラが1秒程度、その場で足踏みをする。
すると敵が切り替わるのである。
処理上の問題だろうが他に見られない仕様である。

それと、歩いているとどこからともなく斜めから矢が降って来る。
誰かが撃っているというような描写はない。
本当に降って来るだけだ。

「ああ~…『北斗の拳』を
 開発した『ショウエイシステム』だけはあるな~。
 虚空から矢を放たねば気が済まないんだろうな~」

と、しみじみ感じた。



電源を付けるとタイトル画面が表示されるのだが
9秒程度の音楽が流れたら後は無音である。
曲がループしないし、デモ画面もない。
無音で停止して

「バグッたか?」

と、疑ったぐらいである。

スタートすると、何の説明もなしにトップビューの町に放り出される。

「『スーパーマリオブラザーズ』のように
 ただ右端に行けばクリアってゲームじゃねぇんだから
 何をすればいいのか説明しろタコ!」

と、途方に暮れた。

トップビューとサイドビュー面があって操作方法が異なるのかと言えば

サイドビューはトップビューのキャラが上下に向かないだけのものであり
トップビューの流用である。

せいぜい違いと言えば…
トップビューではジャンプ中に上下左右の移動が出来ないが
サイドビューではジャンプ中に左右移動できるぐらいか…




ゲーム自体は『面白くない』に尽きる。
スピード感はないし、敵を倒す爽快感もない。
効果音や動きなどの仕様も「北斗の拳」の流用も目立つ。
(流用するほどの完成されたシステムじゃねーのにな…
 ただの手抜きかね。少しは向上させる意欲はないんかい!)

しかし、パスワード。
髭人の物だけがそうだったのかただの偶然なのか分からないが…
「しぬ」とか「しね」とかって文字が出やすい。
まぁ「う〇こ」「ち〇こ」でキャッキャと笑い転げる子供なら

子供「パスワードで『しね』とか出た!
 しねしね―――!アハハハ!」

なんて喜ぶかもしれないが
そんなんせいぜい1~2回だろ。
同じソフトのパスワードで何度もやられたら流石の子供も

子供「もうええわ」

って飽きるだろうに…

体力回復手段が乏しい。
上記の通り、『復元の術』とパスワードを用いる事で安定して進める事が出来るようになるが…
パスワードの文字数が多く
現在のカーソルが何文字目なのかわかり辛く
『しね』とか『しぬ』とか負の言葉の出現率が多く
その上、カーソル移動の度に不快な音が鳴り響く。

ああ~…
多方面からプレイヤーを心理的に追い込んでくるな…
このゲーム…

ここまで来ると製作者も相当病んでいたんじゃないかと
その精神状態を案じるレベルである。

このゲームの発売後に映画が公開されたとの事だが
どう考えても足を引っ張ったとしか思えん。

いや…

「ファミコン版はあまりにも酷すぎる。
 口直しに映画を観にいこう」

って意味では効果があったといえるのかもしれない。



ここからがネタバレ





















表向き

「日本が『影』に征服される!」

なんて話だが
一部会話してくるキャラがいるが住民は0である。
1面は町でビルとか立ち並んでいるのに入れるところは一切なし。
せいぜい、『唯』が持っている『テレホンカード』を用いて
電話ボックスで電話するぐらい…

倒しても倒しても無限にうじゃうじゃと湧いて出て来る敵の忍者たち
こいつら元善良な市民なんじゃなかろうか?

もう征服完了してね?

1面は川を越えるのに『結花』の『飛行の術』が必要となる。
術という物だから凧でも用いるのかと思いきや
普通に本人が浮いている。
飛行というよりは浮遊である。

劇中でも『結花』は体一つで空を浮遊していたんだろうか?
こえぇぇ!!




さて、

「ラスボスには『バジュラ』しか効かない」

というヒントを得て『バジュラ』探しをする事となる。
『おびな』と『めびな』というのを見つけてとある場所に行くと
『バジュラ』が出て来る。

それを持ってラスボスの所に行く。
これと言って、曲が変わる事もなくメッセージもない。
取り敢えずこのゲームは
ボスが出るとスクロールしなくなり逃走不可なので倒すしかない。

が、ラスボスの攻撃は大したダメージでもないし
敵味方共に無敵時間がないのでゴリ押しで良い。
ラスボスが倒れる。
これと言ってやられ音もなければファンファーレも鳴らなければ

唯「やった―――!倒した―――!」

とか

ラスボス「私を倒したからと言って安心するんじゃないぞ。
 私を継ぐ者が必ず現れる!」

なんて敵味方、メッセージもない。
曲も変わらないのでラスボスを倒したのかどうかという実感もない。

敵が出てこないので自分が来た方向の画面端に触れると…

1枚絵でスタッフロールが現れる。
右端には『ヨーヨー』と『鶴』と『編み物の毛糸』がある。
3姉妹の姿はない。

髭人「な、な、何だ?
 こ、これは…
 風間三姉妹の姿どころか台詞すらないのか?

 『日本は平和になった~』とか
 『風間三姉妹は平穏な日々に戻った~』とか

 ナレーション風な説明すらないのか?」

『ジョジョの奇妙な冒険』などに代表される能力バトル漫画で
何らかの攻撃を既に受けているが本人には全く理解できていないようなシーンを思い起こさせる。
スタートボタンを押すとタイトル画面に戻る。



………

……………。


絶句して暫く動けなかったよ…
さて、徒労感が半端ない本作…締めよう。



YouTubeで本作のCMが見つけた。

「スケバン刑事III」のCM(YouTube)

アニメ映像だけでゲーム画面皆無。

その映像は唯がヨーヨーを投げ、敵忍者に当たってカッコイイ。
CMが最も出来が良かったね。
ゲーム画面を一切出さないようにした采配は宣伝としては有能である。
(プロモーション詐欺と言われても知らんけどね)
そして、CM中の台詞



唯「闇の住民共…許さんばい!」



どうやら本作も闇の住民共の内だったという事で『唯』にシバかれたんだろうなぁ…



合掌…




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