京都中央信用金庫(中信)被害者の会

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大阪高裁13民判決のおかしさについて⑩ ~5 根拠もないのに証言とは真逆の事実を認定すること?

2020年09月08日 17時37分52秒 | 日記

 条件変更申込書(甲15)と金銭消費貸借変更契約書(甲5の1)という証拠があります。これらは,本件訴訟において,中信がHさんたちに対して180万円余りの支払いを請求しているのですが,その根拠とされる中信側の重要証拠です。

 

 これらの証拠について,私たちは,内容白紙の条件変更申込書と金銭消費貸借変更契約書は同時に作成したと,ずっと主張してきました。

 それに対して,中信職員Tも,証言で「同日にワンセット」で作成したと証言し,私たちの主張と同様の証言をしました。すなわち,条件変更申込書と金銭消費貸借変更契約書を作成した当事者双方が,同時に作成したことを認めているのです。

 この条件変更申込書と金銭消費貸借変更契約書は,いずれも,中信にとって重要な証拠です。特に,条件変更申込書は,中信側の証人である中信担当職員T自身が,「契約内容を無断で変更した」事実を自白しています。すなわち,本件請求にかかる残債務をHさんが,知っていたのかどうかの判断にかかわる重要な証拠です。

 

 しかしながら,大阪高裁13民判決は,

「同契約書(甲5)が,・・・これが条件変更申込書(甲15)と同時に徴求されたとも認められない。」(原判決63頁)

として同時に作成したものではないと認定し,さらに,

「被控訴人の職員であるOは,別件訴訟において,控訴人Aを介して,他の控訴人らの押印を徴求していた事実を証言しているが(乙A238),同人は,控訴人Aを利用してその余の控訴人らの署名押印を偽造しようとしたことを証言しているわけではないし,常識的に考えても,控訴人Aに対し,家族であるその余の控訴人らの了解を得て押印を徴求してくるように求めたものにすぎないと理解されるのであって(Oは,控訴人Aを代理人と解していた旨も証言している。),控訴人A以外の控訴人らの意思確認をしない点で手続的に杜撰であるとしても,これらから,Oが偽造に関与していたり,また,控訴人Aの偽造の事実が認められたりするということにはならない。」(原判決43頁7行目~16頁目)

と判断しました。

 

 つまり,大阪高裁13民判決は,当事者の主張や証言を黙殺して,書類に記載された日付の違いを引用して,別々の日に作成されたと判断したのです。

 

 これまで,一連の裁判で問題となった債権書類,債権関連書類は,数百枚にも上ります。これらの全ての書類に記載されている契約締結日について,中信は,その書類に実際に記入された日ではないとはっきりと認めています。

 つまり,中信は,債権書類に記載のある作成日に徴求したのではなく,契約日以前に署名押印を頂いたと主張しているのです。そして,実際に署名押印を徴求した「日」は,その記録も職員の記憶も残っていないため明らかにすることはできない,と弁解して,すべての契約作成日は記載されている日の「頃」と主張しています。すなわち,書類に記入されている契約締結日について,中信も,実際にその書類に記入した日ではないとはっきりと認めてるのです。

 

 そして,それらの債権書類に記載されている契約日に,契約者が不在であったことが次々と明らかになっていきました。その結果,債権書類の筆跡が偽造されていたことが明らかとなっていったのです。

 

 それだけではありません。

 

 中信職員Oさんは,「Hに会っていない,Hの意思確認をしていない,Aが上告人Hの代理人であるかAに聞いたこともない」と証言しています。

 大阪高裁13民判決は,「常識的に考えても,控訴人Aに対し,家族であるその余の控訴人らの了解を得て押印を徴求してくるように求めたものにすぎない」といいます。しかし,金融機関の職員の適正な職務対応としては,大阪高裁13民判決の言葉を借りれば,本人に意思確認をするのが「常識的」です。

 つまり,原判決は,「常識的に考えても」と述べながら,まったく「常識的」ではない判断をしているのです。

 その上で,「Oは,控訴人Aを代理人と解していた旨も証言している。」と判断している箇所は,中信職員Oの証言をあたかもつまみ食いすることの言い訳のように,付け足しで記載されています。これは,中信職員Oの証言の主要部分との比べると,不合理極まりないといえます。

 

 大阪高裁13民判決は,中信職員Oの証言を歪曲して,その趣旨を変更して判断に用いるものであって,もはや自由心証主義の裁量を逸脱していると言わざるを得ません。

 



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