京姫の 病なほりし 美人の湯
八百年後 偲び浸かりぬ
待望の雪の湯となる一夜明け
膝痛に 効けと腰湯で 長湯せむ
寒気きびしき 雪の露天湯
松葉杖で初旅(その2)
東北の「磐梯熱海温泉」の名になぜ「熱海」?、でありますが、やはり静岡の熱海と関係がありました。源頼朝が奥州平泉の藤原氏を征服した「文治5年(1189年)奥州合戦」の後、この地の領主となった伊東氏は、 出身地の伊豆を偲んでこの地に熱海という名を付けたとのことです。
そして、ここの温泉はアルカリ性単純泉で、pH(ペーハー)は一般的な石鹸とほぼ同じ9.1とのことで、肌への刺激はほとんどなく、肌もスベスベし、「美人の湯」と言われています。このような温泉には、今から800年前の室町時代に遡る「萩姫伝説」があります。京に住む萩姫が難病にかかり、京から500本目の川岸にある温泉につかれば治るとの不動明王のお告げを受け、旅をして500本目の川(現在の温泉街を流れる「五百川」)のほとりに湧く湯につかったところ、 病が治り元の美しさを取り戻したということです。
この伝説にあやかりたく、松葉杖をついてでも来ました(?)。できるだけ長く膝を浸けようとしますと腰湯になりますが、雪の露天の寒気は厳しく、耐えられなくなると全身を湯に浸けていました。