おととい8月14日に開催されたゲーム音楽のオーケストラコンサート、
「PRESS START 2011」東京公演 夜の部に行ってきました!
その様子をなるべく詳しくレポートしたいと思います。
行った方には当日の様子を思い返してもらえれば、
行けなかった方へは会場の雰囲気を少しでも多くお伝えできれば幸いです。
※注意
本記事はコンサートの内容に深く触れています。
9月に開催される名古屋公演に参加予定で、楽曲の詳細について知りたくない方は
閲覧されないことをお勧めします。
会場は、東京都新宿区の新宿文化センター!
僕はプレスタには開始当初の2006年から毎年欠かさず行っていて、
今回で6回目の参戦になります。
会場は多くの人でにぎわっていました。
ロビーには株式会社2083代表取締役・斉藤健二氏(=だよタン)から
花が届いてました。浜村さんより目立ってましたね…w
2083フリーペーパーの第2号目も配布されていました。
僕は坂本英城さんのインタビュー記事で協力させてもらいました。
よかったらご覧ください。
開演前に、昼公演に参加した知り合いの皆さんと話をしたのですが、
みんな「よかった!」「やばかった!」「満足した!」と言ってて、
わくわく度を増しつつ中へ入りましたw
そしてコンサートが始まりました!
第1部―――――――――――――――――――――――――――――――
■ゼノブレイド
メインテーマ/ガウル平原/機の律動/伝説の勇者リキ/
燐光の地ザトール 夜/名を冠する者たち/敵との対峙
これを1曲目に持ってくるとはあああー!!!!!!
いきなりかあああああああ!と思わずテンションが上がってしまいました。
選曲が完璧でしたね。ユーザー人気の高い曲が選ばれていました。
ちゃんと事前のリクエストでの結果が反映されてるんでしょうね!
あと曲順もしっかり考えられてたなと思います。
「敵との対峙」で締めるのがわかってるなあ、とw
最初のメインテーマは少々短めでしたが、その後のガウル平原で
グァァァァァッとゼノブレの音楽世界に会場が引き込まれました!
目を閉じて聴くと、そこには雄大なガウル平原が広がるような感覚がしました。
ゲームをプレイしたことのない方でも、きっとゲームのスケールの大きさを
感じてもらえたのではないかなと思います。
戦闘曲である「機の律動」や「名を冠する者たち」は、作曲者のひとりである
ACEの工藤ともりさんがギターを演奏されてました。ギュンギュンいわせてましたねw
これは一度でいいので、ライブハウスだとかで大音量で聴いてみたいものです・・・!w
「燐光の地ザトール 夜」や「敵との対峙」では、同じく作曲を担当された
清田愛未さんと、ACEのCHiCOさんがコーラスで参加されていました。
とても美しい声で、幻想的な雰囲気をつくりだしていましたねー。
個人的にものすごく好きな曲だったので、生で聴けて感激でした!
ちなみにお2人はモナドの形をしたかんざしをしていたそうですw
(写真はこちら)
■スペランカー
スペランカーのテーマ/地底探検~ステージクリア/ミス~ゲームオーバー
プレスタ2008の再演ですね。
ステージ探索時の曲演奏中に、例のミスしたときの効果音の演奏が
突如挿入され、何度も何度も死にまくっていたスペランカー先生。
そのたびに会場からは大きな笑いが巻き起こっていましたw
僕はネタや曲の流れはすでに知ってましたが、
それでも思わず噴き出してしまいましたねw
■ポケットモンスターシリーズ
オープニング/ポケモンセンター/6番道路(春~夏)/戦闘!野生ポケモン
(ポケモン赤・緑、ポケモンブラック・ホワイトより)
意外や意外、プレスタにはこれが初登場となるポケモン!
白黒など、最近のシリーズは未プレイなのですが、最初の赤緑のオープニングの曲は
耳になじみがあったので懐かしくなりましたねー。
演奏後は、編曲を担当されたゲームフリークの景山将太さんが登場。
酒井さんと共に編曲を行ったという話をされていました。
まだ28歳だそうですよ。ひえええ・・・自分とほとんど変わらない!;
■グラディウス
ステージメドレー
シューティングゲームの代名詞ともいえる、有名な作品ですね!
以前のプレスタでシューティングゲームメドレーの中のひとつとして
演奏されたことはありましたが、今回は単体作品としての演奏でした。
僕はがんばれゴエモンのミニゲームとかコナミワイワイワールドくらいでしか
プレイしたことがない作品なのですが、よく知ってる曲もありました。
音楽としての質もすごく高いと思います。
先日のドラクエコンサートで、ドラクエも100年後にはクラシックに・・・
という話をすぎやま先生がされていましたが、グラディウスの音楽も
いずれクラシックとして後世に残るかもしれませんね。
■428 ~封鎖された渋谷で~
メインテーマ
オープニングムービーで流れるメインテーマが演奏されました。
過度なアレンジはされておらず、ほぼ原曲と同じ印象でした。
ゲームで起こる大事件を予感させる、勇ましくかっこいい曲です!
当ブログでは何度か書いてますが、このゲームは本当におすすめです!
演奏を聴いて興味を持たれた方は、ぜひぜひやってみて頂きたいなと思います。
個人的にはいつか『手紙』を生で聴いてみたいですね。
ゲームをやってて数年ぶりに涙を流した、すばらしく美しい曲なので。。。!
■ファイナルファンタジーIV
赤い翼/ダンジョン/バトル1/勝利のファンファーレ/飛空艇/少女リディア/
ゴルベーザ四天王とのバトル/ファイナルファンタジーIVメインテーマ
FF4きましたー!
今年は発売からちょうど20周年ということで選ばれたようです。
FF4といえば「愛のテーマ」が定番ですが、それはあえて今回は演奏されず、
いままであまり演奏されることのなかった新曲も入っていましたね。
リディアをやってくれたのは個人的にすごく嬉しかったです!
あの優しいメロディ、リディアをよく表していてとても癒されますよね。
ただ欲を言えば、バトル1はもうちょっと長く聞きたかったなと思いました。
いいところに入る前に勝っちゃった(ファンファーレが流れちゃった)ので;w
あと個人的には巨人のダンジョンも聴きたかったな、と。
そういえば、昨年秋のDistant Worlds FFコンサート日本公演ではなぜかFF4は
演奏されてなかったので、FF4好きの方は嬉しかったのではないでしょうか。
なお、演奏前には、FF4のシナリオを担当された時田貴司さんと
植松さんが登場し、FF4制作当時の話をされていました。
FF1や2の制作をしていた頃には、まだ演出にはあまり凝っておらず、
音楽を流す際にも、マップごとに曲がはりつけてあるという形式だったそうです。
しかしFF4ではストーリーの演出に凝りたかったので、曲をはりつけるのではなく
「このタイミングで曲を入れる」というのを細かく打ち合わせて
つくっていったのだそうです。
たとえば、ゲーム始めのほうの、セシルの部屋にローザが来るというシーンでは、
最初から愛のテーマを流すのではなく、チクタクという時計の効果音の後、
ひと呼吸置いて(ローザが来て、セリフを言ったところで)曲を流す・・・
という形だったとのことでした。
植松さんは、愛のテーマについて「夜這いの曲」という表現をされてました;ww
あと植松さんは「愛のテーマって教科書にも載ってるんだぜー」と
ちょっとした自慢もされていました。w
休憩を挟んで第2部へ!
第2部―――――――――――――――――――――――――――――――
■ニーア レプリカント/ニーア ゲシュタルト
魔王/エミール/カイネ/イニシエノウタ
昨年のゲーム音楽界を席巻したニーアがプレスタに初登場!
やはりこの作品の音楽は絶品ですね。とても美しい旋律が会場に響き渡りました。
ボーカルではオリジナルと同じエミ・エヴァンスさんが登場され
歌声を披露されました。歌もお姿も本当に美しい方です・・・!
ただ、若干声がオケの音にかき消され気味だったのが少し残念でした。
エミさんの声の特徴である繊細さがなくなってしまってたというか。
以前ニーアは、ピアノでのゲーム音楽ライブ「KEYS OF GAME」でも
演奏されていましたが、どちらかというとあのような
ピアノ主体+ボーカルという構成のほうが、エミさんの声の魅力が
生きるんじゃないかなと個人的には思いました。
(そういえばこのイベントはレポート書けてませんね;
もし需要あるのなら今からでも書きたいです)
演奏後はニーアの作曲者、岡部啓一さんが登場され、
ニーアの世界は1000年後の未来であることや、
エミさんは未来語で歌詞を書いているという話に。
あと9月発売のトリビュートアルバム「echo」の宣伝もされていました。
ちなみにパンフでのエミさんの紹介に「世界中の迷宮」という
ゲームタイトルがありましたが、これは「世界樹の迷宮」ですという
訂正も入っていました。
世界中の迷宮を冒険するゲーム・・・ちょっとやってみたいですねw
■エルシャダイ
エルシャダイのテーマ/悠遠なる天地~イーノックのテーマ/悲壮なる叫び
僕はゲームは未プレイでしたが、壮大な曲調が耳に残りました!
機会があればぜひプレイしてみたい作品です。
演奏途中には、突然パチンという指鳴りの音がして、演奏が止まりました。
そしてスクリーンに登場するルシフェル(ゲーム中のキャラクター)。w
「人間の英知の賜物である音楽・・・・実にすばらしい。
私にとっては短い一時だが、君たちにとっては夢の時間となるだろう。
共に楽しもうじゃないか。・・・最高の一時を」と語っていました。
これ、ボイスは新しく収録したんでしょうかね?;w
そんな演出で大丈夫か。・・・大丈夫だ、問題ない!
女性のエルシャダイファンは悶絶したんではないでしょうかw
■スーパーマリオギャラクシー2メドレー2011
あのマリオとは思えないくらいの荘厳なオーケストラ音楽です。
後半の壮大な演奏やコーラスは本当にかっこよくてしびれました!
演奏後はメインコンポーザーの横田真人さんが登場。
マリオギャラクシー2はゲーム本編にもオケが使用されていますが、
ゲームでのオケ音楽を収録するときはいつも竹本さんに
指揮をお願いしている、ということを話されていました。
その理由としては、竹本さんは
「作曲者の意図をゲームらしく演奏家の方に伝えてくれる」のだそうです。
たとえばクッパとの最終決戦に向かう際には、
「マリオが大事な姫さまを助けに行くシーンだから、
ここは真剣な冒険心をもって演奏してね」というように
具体的なシチュエーションを演奏家の方に伝えるのだそうです。
今年は、ゼルダの最新作「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」の
オケ収録をしたそうですが(すでに収録は終了しているそうです)、
そのときにも竹本さんは「ここは大事な姫さまを助けに行くシーンだから」
・・・と同じような指示をしていたそうですw。
横田さんは「宮本茂という人物の作るゲームは毎回ワンパター…」と爆弾発言、
それに対し竹本さんは「いやいやいやいや!!」と必死に否定されていましたw
会場は大爆笑。
その後横田さんはすぐに「シンプル。シンプルなんですね!」と修正されました。
たしかに言われてみると、毎度ピーチ姫やゼルダ姫がさらわれるような展開ですよね。w
■ゲームで使われたクラシック名曲メドレー
天国と地獄、結婚行進曲、交響曲第9番「合唱」、ウィリアム・テルなど、
ゲームに使われたことのあるクラシック曲が次々と演奏されてゆきました。
ステージ上部のスクリーンには、モザイクがかかった状態で
その曲が使われたゲームタイトルが表示され、モザイクが徐々に解ける。。。
というかたちで、(いわゆるヒントでピント方式。w)
クイズとしても楽しめるような仕掛けがされていました。
曲数的には15曲以上はあったと思います。
これだけのクラシック曲を生で次々に聴けるという機会も
普段なかなかないと思うので、贅沢な感じがしましたねー。w
こんなにたくさんのクラシック曲がゲームで使われてたんだ!と驚きました。
ちなみに以前、ゲームに使われたクラシック曲をまとめたCDが出ていたそうです。
ご興味のある方は聴いてみてはいかがでしょうか。
■大神
始まり/両島原 其の二/「Reset」~「ありがとう」バージョン~
プレスタ2009の再演でした。
以前も生で聴いたことがありましたが、何度聴いてもすごくいいですね!
尺八と三味線のコンビ、HIDE-HIDEさんによる演奏も素晴らしい!!
「Reset」ありがとうバージョンでの盛り上がりは、身体の底から震えがきて、
おもわず涙がこぼれそうになりました。
和楽器の魂のようなものを感じましたね。とてもかっこよかった・・・
植松さんも「何度聴いてもいいよね」と絶賛されていました。
欲を言えば、『太陽は昇る』も新しくやってほしかったですね;
いつかやってくれるのを期待しています。
■ラストストーリー
翔べるもの
オリジナルの歌い手であるカノンさんが登場し、「翔べるもの」を歌われました。
とても想いが伝わってくる、透明感ある素敵な歌声でした。
演奏前にはシークレットゲストとして坂口博信さんがいらっしゃいました!
(夜公演のみいらしていたそうです。)
なんと1階の最前列に座られていましたw
第一部最後に演奏されたFF4を聞いて涙したそうで、
「お盆休みに四男坊が久々に帰ってきたような感覚だった」そうです。w
それに対してラストストーリーは「年老いてから生まれた末娘のような感覚」とのこと。
ラストストーリーの作曲者である植松さんも登場し、作曲の際のエピソードを
話されていたのですが、坂口さんの指示はとても厳しかったとのこと。
なかなか提出する曲をOKしてくれなかったそうで、「全然違う」という
全ボツのメールを坂口さんからもらったこともあるそうです。
どういったゲームにしたいか、というのはディレクターしかわからないため
それに合わせて曲を作るのはしんどかったが、ボツになった曲よりも
確実にいい曲ができたので、結果的にとてもありがたかった、と植松さん。
坂口さんがそれに対し「でも、ちょっとやりすぎたかなとは思ってる…」と言うと
「おせーよ!!」と植松さんはツッコんでいましたw
坂口さんは、そういうやりとりがあったおかげで、気持ちの部分が近い状態で
植松さんと仕事ができてうれしかったそうです。
そしてアンコールへ。
なにが来るのかな、と思ってわくわくしていたのですが。。。
スクリーンに映し出された赤い「X」の文字。
■ゼノギアス
紅蓮の騎士/悔恨と安らぎの檻にて/飛翔
ゼノギアスきたあああああああああああああ!
今年2月にオーケストラアレンジアルバム『MYTH』がリリースされてたので
もしかしたら・・・とは思っていましたが、本当に来るとは思わなかったので
リアルに「ガタッ」しかけましたw
演奏が始まったとたん、会場からもどよめきが起こっていましたね。
ゼノギアスは去年のプレスタでも演奏されていたのですが、
そのときは光田さん・岡宮さん・佐野さんの3人による
DSソフト「KORG M01」での電子演奏だったんですよね。
だけど今回は正真正銘の生オーケストラでした!
『飛翔』の盛り上がりはやばかったですね。
■光神話 パルテナの鏡
まさかこれを持ってくるとは思いませんでした!
始まったときは歓声も少々あがっていましたね。
3DS版の新作が出る予定があるので取り上げられたんでしょうか。
コミカルかつポップ、そして楽しげな曲調で最後を締めてくれました。
そんなこんなでコンサートは終了しました。
今年は個人的に知っている曲が多かったせいか、満足度はとても高かったです。
最初のゼノブレからしておなかいっぱいでしたからねw
演奏されたゲームタイトルは、新旧タイトルがバランスよく
取りそろえられていたなという印象でした。
・・・・ちょっと思ったことを。
個人的な考えですが、プレスタのみならず、
こういった多種多様な作品の音楽を演奏するコンサートは、
「自分の知らなかった新しい音楽に出会える」場所であると思います。
ファミコンが誕生して30年弱の時間が経ち、
ゲームをプレイする世代は年々幅広くなってきています。
そのあいだ、数えきれないほどたくさんのゲームから
たくさんゲーム音楽が発信されています。
たとえば、プレスタで演奏された作品のなかで、
ゲーム自体は今までまったく知らなかったけれど、気に入った曲があったとします。
いい曲だな、と思ってちょっとでもその作品自体に興味を持ったなら、
ぜひ、サントラを買って聴いてみたり、元ゲームをプレイしてみてほしいなと僕は思います。
若い人は、最近の作品だけしか知らないよりも、
過去の名作群の作品を知ったほうがより楽しめます。
昔からのゲームファンの方は、昔の作品だけを懐かしんで
最近の作品に触れないよりも、最近のゲームにもいいものがあることを
知ったほうがより楽しめます。
つまり、自分が今好きなものだけにとどまらず、
より幅広く、いいゲームやいいゲーム音楽を開拓していったほうが、
絶対にもっといろいろな作品や音楽を楽しめる、ということです。
(これはゲーム音楽に限らず、だと思いますけどね。)
プレスタは本当に多彩な楽曲を毎年演奏してくれるので、
まだ見ぬいいゲーム音楽を知るいいきっかけになるイベントだと思います。
ぜひ次回以降も、幅広い世代が楽しめるようなプログラムで
さまざまなゲーム音楽を演奏していってほしいなと思いますね。
余談:
コンサート終了後には、ゲーム音楽サントラ好きの「ハサントラクラスタ」の
メンバーで懇親会をやりました。(しかもオールでw)
プレスタの感想話は全くと言っていいほどなく、サントラ話やコイバナとか
ここにはとても書けないようなあっち系の話だとかしてました。w
こういう風に皆で集まれるのもイベントのいいところですね!
◇関連記事:過去のPRESS STARTレポート
PRESS START 2006 第1部編 第2部編(2006/9/22)
PRESS START 2007 横浜公演 第1部編 第2部編(2007/9/17)
PRESS START 2008 開演前編 第1部編 第2部編(2008/9/14)
PRESS START 2008 上海公演(代理レポ)(2008/10/31)
PRESS START 2009(2009/8/2)
PRESS START 2010(2010/9/11)