ヨーロッパの街を散歩すると、必ず旧市街というものがあります。ロンドンではシティ、パリではシテ島など。だいたいが教会を中心として古い町並みが広がっている地域です。これらの地域はその街の良い歴史も悪い歴史も併せ持ちながらその街の成り立ちを語りその街の人々の誇りともなっていますし、その街の人々が自分の街を愛するよりどころとなっています。日本国内にも奈良町をはじめ旧市街が残っている町がたくさんあり、地元の人々がボランティアでガイドなどをしながら旧市街を愛し守る活動をしています。振り返って我が大阪には誇れるような旧市街という地域はあるのだろうか。中央区の空堀や東成区の今里、福島区の野田など戦災に会わなかった地域に戦前の長屋などが残り若者を中心に魅了的な散歩道になっているエリアはありますが、大阪の歴史を象徴するような街とまでは言えないように思います。大阪と言えば商人の街。天下の台所として全国各藩の蔵屋敷が並び諸藩の藩主からも恐れられた大阪の豪商たち。このような歴史を語れる街が必要だと思うのです。歴史博物館やくらし今昔館などジオラマはありますが、実物大の街並みがあれば大阪の歴史を学びながら大阪の繁栄に尽力した人々に思いをはせる機会ができると思うのです。私が大阪の人たちに提案したいことは、前回までに提案した豊國神社の船場のご遷座に合わせてその参道を創りそこに船場商人街を再現します。赤福が伊勢神宮の参道におかげ横丁を再現したように大阪にも商人街を再現し、併せて太閤殿下への信仰を深めるカルチャーを創るのです。場所はズバリ、船場センタービルを撤去した跡地です。70年万博に合わせて建設された船場センタービルと高架道路は2020年にはまる50年になります。そろそろ次の計画を考える時期ではあります。
大阪の中心の繁華街心斎橋エリアに歩行者天国を設けてはどうかという提案をさせていただきます。いわゆる心斎橋というエリア。北は長堀通、南は道頓堀、東は堺筋、西は四ツ橋筋に囲まれた真四角のエリアです。町名でいうと東心斎橋、心斎橋筋、西心斎橋および宗右衛門町になります。このエリアは、道路が格子状になっていて、狭い道ですが飲食店がひしめ生き合っていて人通りも昼夜問わず多く、また自動車の交通量も結構多い地域です。私も歩いていて危険を感じたことが何度もあります。通りには看板や自転車などが置いてあるのでますます通りにくい状態になっています。最近藤井聡氏の「車を捨ててこそ地域は甦る」という書籍を読んで気付いたのですが、もしこのエリアをある一定の時間だけ歩行者天国にして車の通行を制限したならば、一大ショッピングモールができるのではないだろうかと。買い物客は車に気を遣わずに自由にウインドウショッピングを楽しめるし、小さい子どもたちも安心して連れて歩ける。例えば、午後12時から深夜1時ごろまで歩行者天国にする。真中を通る周防町通りと御堂筋だけは車の通行は可能にするなどなど時間帯や通行止めにするエリアなど具体的には検討が必要だが、実現すればかなりの経済効果が見込まれるのではないだろうか?さらに銀座の歩行者天国のように御堂筋や周防町通りも月に一度は同時に歩行者天国にするとたいへん活気にあふれた地域ができると思います。ほぼお金をかけずにできる街おこし策として私は今後地域や行政に提案してまいります。