洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

ミリオンダラー・ベイビー

2005-06-29 | 映画

 出張の合間を縫って、平日なのに「ミリオンダラーベイビー」を観る。映画館は半年前の「マイ・ボディガ-ド」以来だ。
 「ノミソング」にしようか、かなり迷ったのだが結局「ミリオン~」に。
 女子ボクサーが主人公なので少し引き気味だったのだが、そんな妙な懸念を吹っ飛ばすような大傑作である。「ミスティック・リバー」と同様に重いテーマで、登場人物の人生がギッシリ詰まったハードボイルド大作だ。
 それにしてもイーストウッドは傑作連発である。「トゥルー・クライム」や「ブラッド・ワーク」では、年齢不相応な役柄を演じる困った年寄りだったが、今回はイーストウッドとは思えないような、ヒーロー度ゼロな役柄。「トゥルー~」や「ブラッド~」で辟易としていただけに、このダメ男ともいえるイーストウッドがやたらと素晴らしい。
 最後はマギー(女子ボクサー)の尊厳を守るために自分のすべてを投げ出すことになるのだが、愛=自己犠牲であるならば、まさに究極の愛。アルティメットクラッシュなラブストーリーだ!彼は○○量の10倍の愛を彼女に注ぎ込み、その代償として自分を虚無に落とし込んだのである。ボクシングから去り、長年こだわり続けた娘への手紙も止め、マギーとの楽しい思い出の場所を死に場所とした。
 船戸与一の小説で、殺された恋人の体をナイフで引き裂いて心臓つかみ出し、それを食いながら復讐を誓うシーンがあったが、そのシーンを思い出した。 心にズシッと重い余韻を残す久々の感動作である。   


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