洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

U2  ②

2004-11-22 | CD
How To Dismantle An Atomic Bomb / U2

 妄想語ってよかですか!?の続き。大人のU2についての。何となくU2ってハードボイルドな感じなのでココは思い切ってハードボイルドチックに・・・・。ゴホ、ゴホ(咳払い)

 25年。彼らが飛び出してからの時間。気が遠くなるほどに長くそして重い歳月である。25年間で彼らはとてつもなく大きなものを得てきた。そして同時に大きな何かを失ってきたはずである。歳月の重みとは得たものの重みであり、また失ったものの重みでもある。

 90年代、巨大になった彼らは、ロック産業そのものをアイロニカルに演じることでますます肥大化していく。そして素に戻った彼らがリリースしたアルバムのタイトルが「捨て去ることが出来ないもの」であった。捨てざるを得ないものの裏返し。恐らく成功の真っ只中である種の喪失感を感じていたのであろう。そして「捨て去ることが出来ないもの」を愛だと説いた。

 そして今回もまた喪失の物語である。もはや自分の中に「少年」が存在する余地がなくなったことを切々と語る。

「いろんなことがわかるほど感じなくなるんだ」
「僕は自分の痛みがときどき恋しくなるよ」

 と歌い、原爆解体作業を写すテレビを株価のチェックと同列に扱う自分に嫌気がさしながらも、そのメンタリティを受け入れざるを得ないこと理解する。大概の出来事をワンオブゼムで処理出来るメンタリティは経験に基づく強さである一方純粋さの喪失でもある。

 U2の源ともいえる少年っぽい青臭さとの決別。大人のU2としてのデビューアルバムと、そう捉えることも出来る。それでも彼らは、祈りを忘れず、言葉を失くさず、叫びを捨てない。ロックそのものであり続けている。

U2 ①

2004-11-22 | CD
How To Dismantle An Atomic Bomb / U2

 ドラゴン級という自身のコメントと Vertigo のイメージでこのアルバムに接したので、第一印象は正直肩透かしって感じがした。期待指数もマックスだったし。即効性の刺激的な曲であるVertigo はアルバムの顔であり、全体的には遅効的な染み入る感じのナンバーが並べられている。なので最初のイメージからすると結構戸惑うのである。

 いいアルバムであると、何度か聴き返してそう思う。家や車の中などでよく聴いたが、一番ビビッときたのがCD屋で流れていた時。なにも構えない状態で何となく耳に入ってきた時である。案外こういった時に等身大のモノが見えるのかもしれない。大体U2の新作なんて言われると勝手な妄想が膨れ上がってしょうがない。

 勝手な妄想で言わせてもらうと、このアルバムって大袈裟なタイトルのわりにかなりパーソナルな感じがする。この辺はCDの解説と同じような意見なんだけど、大人になったU2って部分。アイルランドの田舎町からロンドン行きの列車に飛び乗った「少年」ボノとの決別。そんな切なさにも似た感覚が歌詞から垣間見れる。

 むむむ、ちょっと長くなりそうだな、こりゃ。ちょっと一旦締めさせてもらって、え~、次回に続くってことで。