洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

XTC

2004-11-04 | CD
XTC / Skylarking

 XTCの絶頂期って「ブラック・シー」から「ビッグ・エクスプレス」のあたりだと思っているので、そういった意味ではこの「スカイラーキング」は微妙にずれている。(といってもコレが彼らの最高傑作という声も多いし、素晴らしい作品であることは間違いないのだが・・・・)まあ、「勢い」から「円熟」への過渡期にあたる作品と、そういってもいいかもしれない。

 トッド・ラングレンとの邂逅によって生まれたポップミュージックの傑作、と今でこそ当然のように思えるのだが、当時はアンディ自身の否定的発言も相まって、この牧歌的なサウンドに対しては結構物足りなさを感じていた。

 で、なんでコレを取り上げたかというと、奥田英朗の「東京物語」を読んだのが原因。この人の本の中で「東京物語」だけは青春・恋愛小説っぽくて読んでなかったのだが、コレが読んでビックリ。主人公の境遇が自分そっくりなのである。名古屋出身、M大学、池袋周辺で下宿。年齢こそ自分のほうが半回りほど下なのだが、それにしてもオドロキだし妙にウレシイ。

 そして大学時代に一番印象的だったのがこの「スカイラーキング」なのである。一番良かったでも一番よく聴いたでもなく一番印象に残った作品。

 池袋の西武線の終電に乗り遅れた時、線路を歩いて東長崎(池袋から2駅目)へ帰ったものだが、その時ウォークマンでよくコレを聴いていた。アルバムの後半が、暗く不気味な夜中の線路を歩くBGMとしてかなりイイ感じであった。

 当時レコード買うことってCDをパッと買うより何となくオゴソカであったし、お金の問題もあり他に聴くものが溢れ返ってるワケでもないので、買ったレコードは相当に聴きこんだものである。

 この「スカイラーキング」に対する思いが「物足りない」から「傑作」へと変化したのがいつなのか分からないし、案外そんなに聴かなくなってからかもしれない。古い記憶なのでかなり曖昧である。それでも、素晴らしいA面よりも地味目なB面が印象的だと思うのは夜中の線路がかなり効いていると、これだけは確かである。(エッセイ風締め)