南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

フランス・25サンチーム・10サンチーム白銅貨

2011年07月24日 14時38分22秒 | 投資
戦前のサンチーム硬貨である…

材質はニッケル・銅。戦前の穴あき貨である。
このころのフランスは5・10・25サンチームの穴あき白銅貨。
また、このころ50サンチーム、1・5フランアルミ青銅貨も登場した。1920年にそれまであった銅貨類は廃止。

穴あきサンチーム白銅貨は5・10・25ともどもデザインは統一されている。それぞれ大きさが大小差がつけられているが
他はデザインは同じだ。しかし材質が年号、額面によってニッケル、ニッケル銅、ニッケル青銅などこまかく変化がある。


これらサンチーム貨はミュシャ風とでもいうかアール・ヌーヴォー風の美しいデザインだ。大戦後の束の間の戦勝国の幸福感か。
心が傷ついた人々は多かったはずだが、彼等は影の存在と化していたのでは。当時PTSDという概念はなかった。ちなみにそういった人々を絵画に残した画家ではオットー・ディクスなどドイツの画家が著名である。フランス人では知らない。

写真の25サンチームの方は1923年。10サンチームは1936年。手に取ると軽い感じはするがデザインが美しいので安っぽい感じは全くない。センスがいいコインだ。しかしこのころになるとアール・ヌーヴォーは後退しアール・デコやバウハウスなどが出ているのでやや古くなっていたかもしれない。

このころのフランスのコインは他にも植民地で発行された補助貨幣などにもデザインがいいものが多い。しかし中には高くなっている物もあるようだ。インドシナのものなど結構高いのがある。

しかし写真の二つの硬貨は形は同じで雰囲気がこれといって変わりないが、時代は大きく戦争へ傾きつつあった。
1929年の大暴落から始まる大恐慌からナチスの暗雲が垂れこめ始めていたころにまでさしかかる。1923年の幸福感は1936年には不安に変貌していたはずだ。ゆっくりと世界は動いていくのである。過去を眺める我々からすると本のページの次の行の出来事のように思えるが少しづつ世界は変化していっていたはずだと思う。



で…我々の世界だが…

先週ギリシャは延命しユーロ圏を一時安堵させた。CDSも下がって1500台。しかし対外債務が今後減るかどうか疑問だ。
また似たようなことになるだろう。最後はデフォルトしかないと思われる。

米国はベイナー下院議長が削減案に同意を拒否している。それをうけてオバマもやや焦っている感じだ。
8月に債務上限は引き上げられると思われるが、ダウも15000、16000といつまでも上げ続けるとは思えない。
いつかは…数年にわたる下げ相場があるはずだと思うが…

インターネットの時代とはいえ我々の時代もゆっくり動いていくのはそう変わらないかもしれない。




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