南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

ソ連・3コペイカ青銅貨・2コペイカ青銅貨

2011年11月30日 01時05分16秒 | 投資
いつもルーペを使ってコインを見ているが、これまでは普通の折りたたみ式の一般的な物を使用していた。
しかし夜に蛍光灯の下でルーペをかざしてみても暗く良く見えなかったし、小さなコインをつまんで見るのも不便であった。

そこで最近サンバイザー式のLEDライト付きルーペを購入。さっそく使ってコインのデティールを観察している。
今までのものより倍率が大きく、ライトで照らすことができより鮮明に細部を見ることができる。
当然、今まで気がつかなかったデティールを発見し観察するべき細部がまだ残っていたことに気がつかされ再発見となり面白みも増してくる。
安い買い物である。

絵が精緻なのは既出のロシアのコペイカ貨類。もちろん一円銀貨、モルガンなども改めて見直すと楽しい。

帝政ロシアの銀貨類についてはその精緻な文様を以前大げさに激賞したと思うが、ロシア革命以後のソ連時代の
コイン類も初期の物は帝政期の技術を受け継いでいたのか完成度は高いと思う。
年代的にいえば1920年代であろう。
ソ連のごく初期のコインは、革命直後は帝政期のコインを使用していたようだがボルシェビキの支配が強まりロシア内戦が終了するなど共産主義支配体制が整うにつれて紙幣、硬貨ともに整備されていった。(革命直後は帝政時代のルーブル銀貨の皇帝ニコライ2世の顔を削り、打刻を加えて間に合わせの銀貨を使用していた時期もあった。また、各地の反共勢力の臨時政府は独自で紙幣を印刷していた。)

1922年にロシア内戦が終了し、ソビエト社会主義共和国連邦(CCCP・エスエスエスアール)が成立。1924年に初めてCCCP名の入った硬貨が作られた。それまではボルシェビキ改め共産党はソ連邦名ではなくロシア・ソビエト連邦社会主義共和国(PCΦCP・アールエスエフエスアール)での銘で発行していた。ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国がソビエト連邦内では最大の構成国家で中核であるにせよ、内戦中は極東やシベリアに白軍勢力が臨時政府を作って抵抗しており全土統一とはなっていなかった。1922年に白軍勢力を一掃し極東地域までをも支配下におさめ、1917年に始まった足掛け5年にわたる内戦を終了させソ連邦誕生となったのである。
それから少したって、1924年にレーニンは死去するが、この年に一挙に貨幣類が整備される。いずれもCCCP名入りの新しいコイン類で、堂々としたコイン類の登場であった。当時の共産党のソ連邦発足の意気込み、喜びが表されていよう。多くのロシア人が共産主義の理想を信じていた。

1924年に登場した新しいコインシリーズは、1ルーブル、50コペイカなどの高額面の銀貨類と5コペイカ以下の青銅貨類の2種に大別される。

で、今回のコインは1924年様式のソ連・3コペイカ青銅貨、2コペイカ青銅貨である。

刷新された新しいコインはリニューアルされ、ソ連邦の国章・下にCCCP表記。周囲に縁にそってロシア語「Пролетарии всех стран, соединяйтесь!」(ソ連の標語/万国の労働者よ、団結せよ!)が期待感一杯に誇らしく書かれている。
サイズも大振りに作られており堂々としたものである。ソ連の国章もキッチリとしている。ユーモアはないが勢いというか、気迫があるコインだ。表面の数字の周囲の環状の文も、麦の穂の茎が下部で交差し環状を形作っておりいい意匠だ。飾り気は控えめだが。
気迫のある堂々としたコインで気にいっている。
しかもこの1924年様式はサイズが大きすぎたと反省されたのか、わずか1年で中止。すぐ翌々年あたりからもっと小ぶりに変更され作りなおされた。なのでこの大サイズのコイン類は貴重なのだ。2コペイカ青銅貨は24mm、6.25g。3コペイカの方は27.7mm、9g。
1925年は製造がなく、1926年にはアルミ青銅貨でサイズダウンされてしまう。


1924年。登場した新型コインは堂々とし意気軒昂さを表しているが、当時のソ連はすでに陰惨な一面が蔓延していた。
GPUの暗躍と粛清、強制収容所である。すでに人権はロシア革命の時点で蹂躙されていた。ソ連はスタートから血生臭く、
犠牲を当然あるべきものと国民に強制していたし、人命は軽視されていたのである。しかも反対的な思想や発言は密告による逮捕、粛清もしくは収容所での死であった。拷問も行われていた。

レーニンは残酷な一面を持っていた。博愛主義、人権思想はなく、暴力を肯定していた。第一次世界大戦、白軍との内戦、内部抗争など抜き差しならない状況をボルシェビキを率いて革命を成し遂げるには暴力しかなかったのであろうか。
結局暴力をもって支配することをやめることはできずその手法はスターリンに引き継がれ30年代の大粛清、収容所での悲惨と第二次世界大戦中のソ連国民の膨大な人命の浪費を生むことになる。

ロシア内戦、革命後ロシアを直撃した飢饉、そして大粛清と第二次世界大戦。
正確な犠牲者数は神のみぞ知るところだろう。


長々と書いたが、こういう背景も知るとコインを深読みできよう。今一度、ルーペで眺めてみよう。また違って見えてくる筈だ。

フランス・5フラン銀貨

2011年11月23日 15時14分56秒 | 投資
以前から赤ん坊の寝つきが悪く夫婦で困惑している。

夜の10時半ころに寝室へ連れて行くのだが寝室に行くと興奮し始め、奇声をあげながら徘徊し七転八倒するのだ。
長い時は2時間くらい続く。

妻もイライラするので私も寝室に一緒に行って横になり話し相手になり、少しでも妻が精神的に疲れないようにしているつもりなのだが
赤ん坊が騒ぐので私も不快な気分になり閉口する。
赤ん坊はイドの世界に生きているので仕方ないのだが、さすがに夜2時間も奇声を発して寝室で這い回られると疲れる。

授乳して寝かせようと妻が乳房を含ませるが、タチが悪いことに乳首を前歯で噛むので妻が痛がる。

まったくイドの世界に生きているので人の痛みなどは認識していない、というか認識力がまだない。
しかも昼間は出さないような不気味な低い声を出し唸る。まるで何らかの怨霊が憑依したかのようだ。

いったいあの唸り声は悪霊か?エクソシストを呼ばないといけないのか?
まあ、唸り声をあげているときの赤ん坊の形相は霊が憑依しているようではないが…

で、気がつくと赤ん坊も夫婦二人も寝ている。
それから起きて歯を磨いてまた寝るのだが、1時半とか3時とか、さらには朝5時になっており、もう他には何もできない。


子育ての屈託をここで述べても仕方ないのだが、特殊動物を飼育していると諦観するほかはない。

もうひとつ赤ん坊の最近の行為として、知能の発育に伴うのか、手を振るようになったことがあるのだが、
それは可愛らしいのだが、不穏な点として、昼間も夜間も時として誰もいない虚空に手を振り微笑することがある…
…霊か?
我が赤ん坊はシックスセンスの持ち主なのか?シャイニングなのか?…私も妻も霊感は皆無なのだが…



結局、種まく人の5フラン銀貨も買ってしまった。同じもの買ってもつまらないかと思ったが…
やはり銀貨の方が美しい。ニッケル貨の方はやはりコストダウンによって作られたもの。銀貨の方が格が上だった。

まずすぐ目につく差としてはエッジだ。ニッケル貨の方はギザなのに対し、例の文言、リベルテ~が刻印されている。
しかも陰刻ではなく陽刻だ。これがいい。また、表裏の絵の彫りもニッケル貨より少し深く印象が強い気がする。
コインの淵も銀貨の方が少しエッジが立っていて指触りが堅い感触。ニッケル貨は
面取りしてある感じがある。高級感が銀貨の方があるのだ。

ニッケル貨の方はワールド~カタログによるとニッケルクラッドの白銅のようだ。Numistaはニッケルとなっていたがクラッド貨の方が正しいかも。
サイズは銀貨の方が29mm、12g。品位0.835。ニッケルクラッドの方が28.96mm、9.98g。
銀貨の方が当然重い。

見ていて楽しい美しい銀貨だ。ルーペで見てニッケル貨より彫りが高級感のある植物のモチーフを見るのも楽しい。銀貨の5フランも買ってよかった…満足…


今日はデクシア救済不可能という一部報道があった。
復興関連の株を買ったのはちょっと早とちりだったか…
ある程度含み損には耐えられる程度の買いしかしていないが、相場の変化はまだ先か。気分のいいものではない。
まあ、歓迎すべきだろう。外国株用の資金には手をつけていない。スエズも8ユーロ台に入って来た。
欧州株の特別バーゲンシーズンかもしれない。ギリギリまで値切るのだ。
といいつつIMFが救済策どうのこうので突然反転するかもしれないが…

スイス・20ラッペン白銅貨・5ラッペン白銅貨

2011年11月21日 00時59分18秒 | 投資
欧州の混迷に続いてまたもや今月米財政赤字削減問題が紛糾しそうである。
長期的視点で外国株を買うつもりなので、勝手にやっていろ、安くしろという気持ちだが、既に買っている株については
いい気はしない。
ちょっと今週からどうなるかは難しいが、良くないだろう。なにもファンダメンタルに良い変化はないので。


先週の話だが、金曜に株の銘柄変更を損が出ないように気をつけて行った。
それまで米格下げ騒動の時に買っていた内需・配当銘柄2580コカコーラセントラルジャパンを売却、
その資金で5233太平洋セメントを買い始めた。
また、復興関連のはしくれ・仕手銘柄として4614トウペも買い。


S氏の主張通り来年から日本株の上昇相場が始まるとすれば主導は復興関連と思う。
内需関連も期待していたが政治が足を引っ張る可能性が強く感じられる。消費税増税、TPP。
コカコーラは好きな銘柄だが、消費税もTPPも逆風だ。反転し伸びても上値の限界性はあると思われる。

復興関連が良かろう。今後最低2年は復興は国策となる。非常に大きなお金が動く。業界に流れ込むことは容易に予想される。
ここのところの下げ相場でも観察していたが強かった。仕手系銘柄には下げ止まりも見られるし、銘柄によってはとても打たれ強い。
5233など今年9月ころ増資したにもかかわらず打たれ強い。決算の数値もいい。
買っておくべしと思った。

あまり株に関してはころころ変えたくないのだが、ここのところの下げ相場でも打たれ強い復興銘柄に重点的に買いを入れておく方が
来年以降の高パフォーマンスが期待できると判断した。

他にも1929日特建設も思案中。仕手系銘柄のようだが今は静かに推移しているようだ。じっくり待って買ってみるかも。

なぜ5233、4614を買ってみたかというと4224ロンシール工業に買いが入り始めたから。
資金は復興関連低位株に入り始めたか?と。

ま、どうなるか待ってみよう。まだまだ下げ相場は続くかもしれない。あわてて目いっぱい買わないようにすればいいだけだ。

2344平安レイサービスについては売っていない。これも内需関連銘柄。しかも最近株価が弱ってきているのだが思うところあってこれは上げ下げしようが不祥事でもない限りはずっと持っておくつもりだ。これについては機会を改めて記したい。(大げさだが。)

まあ、明日からまたハンパない下げ相場継続かもしれないが…



ところでコインはちっぽけなものを。
スイスの白銅貨。小銭である。
5ラッペンは1908年。20ラッペンは1907年。そこそこ使用感と擦れがある。
以前スイスの銀貨は退屈云々書いたが、これはそうでもない。ちょっとスイスのコインに偏見だったようだ。
単なる少額の小銭だが、わりとアジがある。イタリア・フランスのコインと比べて真面目である。

ラッペンとはスイスフランの補助通貨で10ラッペン=1スイスフランである。
もともとラッペンとは鳥類のカラスのような黒、を意味する「Rappe」が語源で、これは古いスイスの補助通貨がすぐ黒く酸化したのでカラスの足跡(Rappen)からのニックネームである。(ウィキより)

スイス人はこのコインのデザインを5・10・20ラッペンに用いており、しかも変える必要がない、コインのデザインなど同じでよいと割り切って考えたのか、1901年から今日までほぼ同じデザインでいまだに使い続けている。材質の変更は途中数回それぞれあったものの、110年以上使い続けているのである。これは驚きだ。2011年も同じデザインで発行だ。
永世中立でスイスフランが安定しているからか。しかしいい加減退屈である。わが国の10円青銅貨でも60年。これでも長く感じられるが110年は長い。ある意味コインのもつ楽しさを削いでいる。
というか、射撃際の銀貨や記念コインなどで楽しんでもらい、こういった日常用にはわりきって労力をかけないのか。
ということは写真の1907年と1908年のコインも通用するということか。だったらば、写真の2枚のコインはよくもまあ
使用の磨滅に合わず残って来たものだ。退蔵されていたものと思われる。

ちなみに御周知の通りスイスは連邦共和制で、ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏がある。これとは別にロマンシュ語という独特の地方語があるがこれを話す人口は少なくほとんど廃れている。一応公用語は独仏伊とこのロマンシュ語の4言語。
コインなどによくコンフェデラシオ・ヘルベチカと記載されているがこれはラテン語でスイス連邦の意味。4言語で記載することができないこのような場合にはラテン語で記載することとなっている。


このコインシリーズについては、同じデザインで裏表作られているが、額面記載のある方の周囲の植物の飾り環の植物の種類を変えてある。5ラッペンはブドウの実と蔓、20ラッペンは百合。細かい差をつけているところが楽しいし、これはルーペで見ないと見落とす。
女神像の横顔も美しい。額のリボン?にLIBERTATと小さく入っている。
このコインにはRappenとは記載がない。フランス語圏ではサンチーム、イタリア語圏ではセンテシミと呼称が変わるからである。


スイスといえば、昔若かりし頃欧州旅行の際に数泊したものである。旅行の一部としてアルプス山岳鉄道に乗りアルプスの山岳ホテルに一泊宿泊した。
しかしそこでの食事の不味さはこの時の旅行中トップであった。料理人が作っているのだろうけれど、まず日本人の口に合わない。
実に奇妙な味付け・調理なのである。デザートも不味い。味覚が全く違うようだ。高山病でその日は体調が悪かったせいもあるかもしれなかったが、ドイツ語圏だったからだろうと後で話し合った。

そこでの食事中の話だが、ホールの従業員の20代の女性に水を持ってきてもらいたいので英語で「ギミアグラスオブワラ」と言ったが通じない。フランス語で頼んでも通じない。イタリア語でもキョトンとしている。しまいに日本語で「水ください」と言ってみたが当然意思疎通ができない。で、とっさにドイツ語で「ワッサー」と言ったら持ってきてくれた。彼女は英語の「water」も知らなかったのである。「acqua」も「eau」も知らなかった。中学校で教えないのか…?スイス国内の他の言語地域の人々とは交流の機会は案外少ないのかもしれない。
オランダなどは全員英語ペラペラであったが…欧州人は勉強すれば他国語の一つぐらい覚え安かろうが…教育を受けれなかったか。

この旅行中(蘭、英、仏、端、伊)食事がおいしかったのはフランスとイタリアだった。食文化が豊かなのはカトリック国でプロテスタント国は不味いというのが持論である。


アメリカ・10セント銀貨(マーキュリー)

2011年11月19日 11時33分11秒 | 投資
マーキュリーダイムである。大戦期までの米10セント銀貨。額面・サイズともに小さいが立派な銀貨である。

写真のコインの年号は1939年。ナチスドイツ軍がポーランド侵攻して第二次世界大戦が始まった年。

しかしこの10セント銀貨はきれいだ。アメリカで人気があるのもわかる。やはりアメリカのコインは40年代までだ。
戦後のアメリカのコインはなぜか美しさを失う。優秀なエングレーバーがいなくなったか、あるいは戦後現代美術に影響されてか
無機質になっている。戦勝したのに不思議だ。しかし世界的に戦後はコインの美しさはなくなっていく流れだ。
対してマーキュリーは戦前コインの良さを持っている。女神像の横顔もやはりオッサンよりいい。
戦後は冷戦に突き進むせいか、アイゼンハワーにケネディとつまらなくなる。なぜそうなったのだろうか。極印の耐久性追求のため?不明だ。


マーキュリーもバッファロー同様摩耗したのも多い。きれいなマーキュリーで特年のものは首をひねるほど高価だ。興味はないが、
アメリカのコレクターは糸目をつけず買っている。他の国、時代のコインの方が良くないかと思うのだが。
揃いにしたいのだろう。すべての年号を美品でそろえたいとか。特に少ない物を買いたいとか。
バッファローも好きだがそればかり集めていてもつまらない。

このタイプの10セント銀貨は長い期間作られた。最初は1916年、終焉は1945年。終戦に合わせてアイゼンハワーのダイムに代えられた。
サイズは小さい。17.9mm、2.5g。しかし品位はよく立派な銀貨である。0.900。戦中も銀貨で作り続けているところは日本が陶貨にまで手を出していたのとはさすがに雲泥の差がある。国力の彼我の差は超然としたものがあった。
発行年数が多いために特年やミントマークの違いもある。時折プルーフも作られていた。

マーキュリーでレアの横綱は1942年に作られたもので1941年の年号の上に打刻して年号の一ケタのところが1と2の数字が重なっている
ものがある。
これは特別高価でマニア垂涎というのであるが、市場にもなかろう。アメリカ人の収集家が手放すときだけだろう。



欧米ではコイン収集は大人の趣味として完全に大手を振って歩いている。切手収集もおそらくそうだと思われる。
富裕層の収集家もおりそういった人々は専門オークションで博物館級のコインをビシバシ落札しているようだ。
富裕層でなくとも庶民も楽しんでおり盛んでebayも出品数は日本のヤフオクなど歯牙にもかけない。

対して日本は…かつては大人の趣味として市民にかなり人気があったと思うが、今はほとんど表面上に出てこない気がする。
水面下で一部のファン層によって地味に売り買いされている程度なのではないか。


切手なども下火だ。かつてはバブル以前、高度成長期の頃、切手収集ブームがあり多くの人々が記念切手など発売のたびに
シートで買っていたと思う。
それが今、その当時収集された切手類が、収集家が高齢で逝去し、遺族が切手商にまとめ売りするため、
しかもそういった世代が集中している昨今のため、なおかつ切手収集者がすくなく需給のアンバランスで、かつて収集された切手が市場にあふれ額面以下になっているという。

集めた人々が嘆くだろう。郵便局に並んで買いにいっただろうに。私の母、兄も切手収集をしていた時期があり郵便局で並んで買っていた。
当時は記念切手発売日には私の実家近くの小さな郵便局にも団地中から買いに集まっていたものだ。列を作るくらい。並ばないと買えなかった。
それが今は、切手商に随分買いたたかれている。自分で手紙を出すときに這って出した方がマシ。しかし今はメールに携帯の時代だ。はがきも出さない時代だ。コイン商からヤフオクで買うと、こういった安く買ったであろう切手類が張って送ってくる。きれいな絵柄の切手も多い。
集めた人々は…悲哀だ。しかし既に鬼籍にはいっているのだが…

以前も同じようなこと書いたかと思う。しかし実は今下火なおかげで私などが安く集められるのだ。
集めたコイン類は同じ値段では売れないと思うが…安価なお楽しみということでよかろう。


投資については…CFDであそんでいるが、それはそれとして、
外国株購入の時期を待っている。

欧州が不穏の点。何か大波乱が起きないと底打ちしないかも。
それまでは欲しい株の株価推移を見ておく。GE、バンカメ、ソジェン、スエズなど。
スエズも10ユーロ切って来た。次なる購入のタイミングは8ユーロ以下。
バンカメ、ソジェンも考えている。もちろん12ユーロで買ったスエズは放置。しかし、スエズを今売っている人々は
全員損切りだと思うが、なぜ長期目線で見れないのか不思議だ。私の知らない悪材料が出ているのかもしれないが、
悪材料が出た後の急激な下げでもない。おそらくは不安だろう。
長期目線で見たら持っとけばいいのにと思う。ソシエテもそうだが5年後10年後を考えたら今は買い時と思うのだが…
今年から来年にかけて分割して何回か買えばいいのではないか。


じっと待てば、海路の日和もあるだろう。

更新に一週間も空いてしまった。赤ん坊の寝ている隙、妻のいない隙を狙って推敲して入力、画像撮影、更新するのは容易ではないので
ご容赦願いたい。妻に知られた時はこのブログ終焉の時である。
カモフラージュのためにタイトルも変えるかもしれないのでその際はよろしく願いたい。

ベルギー・5エキュー銀貨(ローマ条約30周年記念)

2011年11月12日 18時55分53秒 | 投資
ただ今、火の車の欧州の嘗ての欧州通貨単位、ECU(エキュー)のベルギーの銀貨である。
エキューについてはウィキって頂きたいところだが、要するにユーロの前身である。しかし正式に欧州で流通していたものではない。
ちょっと引っ張ってみる。


European Currency Unit(欧州通貨単位)の略。ユーロ通貨導入前のヨーロッパにおいて、域内の通貨計算の共通単位として使用された単位であり、正式に通用した通貨ではない。使用開始は1979年3月13日。レートは欧州各国の各通貨の加重平均(通貨バスケット)によって算出された。また、各国通貨の交換比率はECUに対して一定の変動幅以内に保たれるべきものとして、為替相場の安定も目指した。

1999年1月1日に共通通貨ユーロが導入され(市中での流通開始は2002年1月1日だが、その前段階として銀行間取引などで使用が開始された)、ECUはその役割を終えた。ユーロとECUは1対1の比率で計算される。

ECUは上記の通り英語の略語であるが、同時に、過去にフランスで発行された金銀貨の名前(エキュ)でもあった。ヨーロッパ共通の通貨を導入するにあたり、ECUをそのまま通貨名に採用せず、「ユーロ」としたのは、一部の言語に偏った名称はふさわしくないとする反対意見によるものである。(はてなキーワードより)


以上よりご理解いただきたい。聡明な読者諸氏には解説不要であろうが。

で。写真のはベルギーの5エキュー銀貨。1987年。ローマ条約30周年記念。発行の経緯はよくわからないが、Numistaによるとトレードコインとなっている。しかしまさか19世紀のようにクラウンサイズの銀貨を諸外国との貿易に船に積んでいって決済に使っていたとは思えないから記念コインだろう。
荘印が入っていたら爆笑モノだが。

一般人には記念コインとしての頒布だったか。この記念コインは銀貨の他にもプルーフでも作られた。また、額面の大きい金貨もある。
欧州連合発足30周年記念コインという意味だろう。
額面は5ECUであるがこれを使って買い物ができたかどうかは知らない。1エキュー=1ユーロだからもし今交換したらたったの530円位。
しかも同じ絵柄の100エキュー金貨もあった。もし交換したら10600円位。有り得ない。

表面の絵柄が古銀貨のようであると思われるであろうが、これの元ネタは16世紀、1540年代のカルロス5世・フローリン銀貨の絵柄である。
それをそのまま象徴的に復刻して使ったというわけだ。
カルロス5世は神聖ローマ皇帝・スペイン王。カルロス5世については大物なのでググっていただければと思うが、カルロス5世の古い大型銀貨をモチーフにしたのは始めてオランダで大型銀貨を作ったからでもあり16世紀に神聖ローマ皇帝とスペイン王であり広大な領地(ネザーランド、フランドル含む)を統治していた名君だからだろう。


カルロス5世の肖像の周りに古銀貨らしくラテン語の文字があるが、これは
「神聖ローマ皇帝・スペイン王・ブルゴーニュ公・フランダース伯たるカルロス」という意味である。5エキュー銀貨について意味があるわけではない。
エングレーバーがなぜこのようなアイデアで出してきたのかは正確には知り得ないが、欧州連合、欧州通貨統合に向けての希望、期待感が
表されている。やる気があるのである。ちなみに他のベルギーのECUコインのモチーフにはマリア・テレジアなどの大型銀貨をモチーフにしている。しかしあくまでもモチーフに使用したもので、反対側の面は5ECUと星印でありレプリカコインのようでは全くない。

サイズは37mm、22.85g、品位0.833。私の持っているのはやや薄茶のトーンがかかり美しい。使い道もないせいか傷もなくいい感じである。

当時は欧州通貨危機を乗り越えるための欧州通貨単位、さらに時を経て通貨統合というアイデアに期待感一杯・意気軒昂だったのかもしれないが、今は豚と馬鹿が火薬庫になって苦慮しており、もう火だるま寸前である。皮肉なものである。ベルギーもチキショーと思っているに違いない。