南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

トルコ・50000リラ銀貨(アトランタオリンピック記念・レスリング)

2011年10月24日 00時52分22秒 | 投資
「♪そ~れ○○○に聞いてみよう~♪」のN証券会社の営業から電話があり、アメリカの国際金融公社のトルコリラ建て新発債券を
買わないかと言われた。11月1日に発売開始らしい。
購入は600万から。もっと小口でないといきなり買えん。


今までトルコリラなど関心がなかったがネットで見てみるとここ数年恐怖の通貨だったようだ。
大勢のFX個人投資家を飲み込んできた恐るべき下落トレンドのようだ。
スワップ狙いのロング派をここが底だとおもわせつつ、これでもかこれでもかと下げ続けてきたようだ。
営業は歴史的安値と言っていたが、ネットでチョコチョコ見ると、過去下げるたびにその都度、ここが底値との文章が目立つ。
昨年に50円台で底値と言われていた。ところが今年40円台。FXでナンピン買い下がりをし続けていたらトンデモなことになっただろう。現物なら持っておけばとりあえず全部失うことはないが、FXでレバレッジを賭けていると大きな損失を被る。
もちろん一方的に下げ続けではなく戻りも入れつつだから同値撤退は出来たろうが、戻りを反転と勘違いして買いを入れると厄介だったろう。
今もまだ底というわけではない。35円位もあるかも。


ま、こういうのもあると、選択肢の一つとして知っておく程度だが。
しかしトルコはカントリーリスクが高い。クルド人問題、政治、経済。だから安くて利率が高いのだが。この手の通貨はモンキー通貨とも
言われる。
なにしろトルコリラ/日本円の長期チャートは理解に苦しむ。91年以降凄まじい下落トレンド。ハイパーインフレ後のデノミも
あったのだろうが、もしトルコリラへの投資をするなら、これがなぜこういうチャートになったのかよく調べてトルコのファンダメンタルも見ておかないとならないだろう。
景況は改善されているようだがユーロ圏からの資金流入が途絶してさらに下がったか?8月にはS&Pは格付けアップしていたようだが。
投資するかどうかは別にして見ておこう。


今夜のコインはトルコのアトランタオリンピック記念、レスリングの絵柄の50000リラ銀貨。プルーフである。
発行は1995年。翌96年にあるアトランタオリンピック記念として発行された。反対側の面に1995と記載あり。
サイズはクラウンサイズ。31.47g、0.9250。
発行は15000枚。
トルコはレスリングが強くオリンピックのレスリング出場への意気込みが感じられる。
この年、他の競技の記念コインはない。
開催国なら数種類の競技の絵柄でオリンピック記念コインが作られるのだが。ワールド~で見ても断続的に
オリンピック記念コインを作っている。しかも一つか二つづつ。


入手したコインは状態も良くケース入りで保管されていたのであろう、プルーフのピカピカが楽しめとても楽しい。
レスリングの絵も緻密ではなく逆に素朴でいい感じだ。決して精密な極印ではないが、真面目な感じはしてくるのでなんとなく
好感があるコインだ。エッジもかっちりして堅めな感じ。
ちなみにアトランタオリンピックではトルコはレスリングで2個金メダル。


トルコはトルコ料理もかって東京に住んでいたころトルコ料理レストランに数回行った事があり、大好きだった。また渋谷などではドネル・ケパブのケータリング車で買って食べたことがあるがこれも好きだった。
トルコ料理はちょうど欧州とイスラム、インドの中間的な要素が混じり合い、独特の風味だ。私の住む田舎にはトルコ料理の店など
もちろんない。いつかまた東京でトルコ料理レストランに行きたいが赤ん坊がいるのでもう当面無理だろう。
トルコに数年前に行った叔母は、料理が油濃くて毎日だと食べ疲れたと言っていた。
東京のトルコ料理レストランは日本人向けにアレンジしてあるのかもしれない。

いつかリタイアしたら、トルコに行き藤原伸也の写真集で見たトルコ料理の羊の脳のスープというのが食べてみたい。
濃そうだ。
トルコでレストランで食事したら何リラ位するのだろうか?
もしかすると今トルコリラを買っておくといいかもしれない。数倍になるかも?
ただ、このプルーフの銀貨はデノミ前のものなので廃貨であろう。レストランでの支払いには使えない。
骨董品としてなら食事一回分くらいは値打ちがあるかもしれない…

イタリア・20センテシミニッケル貨

2011年10月21日 01時04分51秒 | 投資
美しいコインである…
イタリアの20センテシミニッケル貨。このコインは1921年。

Φ21.5、4g。小さめでサイズ的にはおとなしい。しかし芸術的でファンタジーのような絵柄だ。
写真には写っていないほうの表面も女神像の横顔が大きくデザインされイタリアとある他、余計な文言は一切ない。
額面のある方の絵柄・裏面もファンタジックな女神の絵とC・20の文字、イタリアの国章、1921の年号、ミントマーク、縁にデザイナーの社名がごく小さく載せてある。

写真をどちらの方の面を載せようか迷ったが裏面とした。やや使用に伴い摩耗が見られるが、表裏ともに絵柄が気に入り買った。
どことなくこの女神像の絵は神話的なエロスも感じさせる。しかしそれは美しいものであり、下賤なものでは全くない。

イタリアのこのころの小銭の中でもビットリオ・エマヌエレ3世の横顔が載っていないのは少ない。イタリアの小銭はかなりの頻度で
このビットリオが載ってくる。反対側の面は芸術的でかなり好きな絵でも反対側がオッサンの横顔では、やはりそう好きになれるものではない。

に対して、このコインはビットリオはいない。両方とも女神像の絵であり美しさが増している。で、気に入っている。
べた褒めしているが、ニッケル貨。銀貨ではない。しかしマンネリなスイスの銀貨などよりよほど楽しい。
このコイン、1908~1922年まで大量に発行された。実に不思議なことにいったん途切れ、1926年に500枚、1927年に100枚、1928~1935年まで毎年50枚ずつ発行されている。意味不明だが、記念用かテストで作ったのか?わざわざ50枚だけ毎年作るとは…そういうところがラテンなのか??

しかし初年度は1908年である。それにしても絵の雰囲気が新しい。このコインを見て1908年とは思いつかない。もっと新しいように見える。
この芸術性、イタリアだ…

イタリアも戦後のコインはややつまらなく退化している向きもある。戦前のコインがいいのだ。

さて、金。
暴落後のリバウンドを経て下げてきた。CFDの売りも随時売り増ししてあったが利も乗ってきている。
あとは引き際だが、これは様子を見ながらだろう。欲張らないほうがいいのだが、
数年に及ぶ金の上昇相場の終わりが訪れているのならば早々と手仕舞たくない。チャートの節目節目を下方向に突破していくのか
サポートされていくのか見ていきたいが、すぐにわかればこれほど簡単なことはない。だいたいバブルが終わったとわかるのが時間がたってからなのだ。



一昨日…私は留守中の時のことだが、家に金の買い取り業者がきた。妻が応対したが、薄暗い夕方6時に若い男が訪問してきたそうだ。
ネックレスくらいはあるが、もちろん売りはしないが、その男の様子がまるで憔悴しきっていたそうだ。一日中歩いていたのだろうか。
おそらく歩合のバイトだろう。
誰が売るというのだろう?いったいどれくらい買い取りできるのか知らないが、
労多くして益少なしとしか思えない。そんな労力があるのならCFDのデイかスキャルの方がマシではないか??

不思議な商売もあるものだ。その男もノルマをこなせずすぐやめるのではないか。東京、大阪ならまだ集まろうがこんなどうしようもない田舎町の路地で…一日歩いて5g集まるのか?ま、一個ネックレスとれれば一日分になるか…今グラム4000円くらいだから。

しかしこういう不可思議な現象が日本国の末端の衰退中の底辺のわが田舎街でもあるというのが金バブルの終焉を思わせるのである。
まるで松本清張の短編「西郷札」を思わせる。その一文…

「目の色変へて買占めに廻る者は一枚にても余分に蒐めんものと身代限り家屋敷田畠を質に金借りてまるで狂奔せるさまとても尋常とは思へず」




ポーランド・ウッジ・ユダヤ人ゲットー10マルクアルミ貨

2011年10月19日 00時30分07秒 | 投資
クラシックのピアノ曲が好きなのでyoutubeでもよくショパンを聞く。バラード、エチュード、ノクターン、プレリュード。好きなのはバラードNo1ト短調。エチュードは大洋、木枯らしなど。プレリュード4番も。

ショパンは御周知の通りポーランド人。

ショパンと関係してであるが、2002年の映画「戦場のピアニスト」(原題「The Pianist」仏独英ポーランド合作)も好きな映画だった。
ロマン・ポランスキー監督、エイドリアン・ブロディ主演で、ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実話に基づいた映画である。
シュピルマンはユダヤ人で大戦中のナチのユダヤ迫害によって家族全員強制収容所行き、シュピルマン自身も九死に一生を得るような流転の末、廃墟と化したワルシャワで生き残った稀有な運命の持ち主である。

戦前はピアニストとしてポーランドで活躍していたが、第二次世界大戦でナチドイツ軍ポーランド侵攻により家族もろとも
運命が一変する。当初は家族ともどもワルシャワ市街に作られたユダヤ人ゲットーに居住するも、ナチにより家族は皆強制収容所送りとなる。シュピルマンのみ逃れ、荒れ果てたワルシャワで息を殺すように隠れ住み、飢餓と摘発の恐怖に耐えソ連軍開放まで生き延びた。

物語は「戦場のピアニスト」をご覧いただきたい。いい映画だと思う…映画の中で演奏されるショパンのピアノ曲も美しい。
シュピルマンのレパートリーとしてはラフマニノフもバッハもシューマンもクライスラーもあったので
劇中ではショパンが象徴的に使用されているが実際にはショパン専門ピアニストというわけではないようだ。
しかしショパンの憂いを含んだ旋律がマッチし感銘を与える。ピアノ曲ファンとしても、歴史好きとしてもとても
引きつけられる良い映画なのだ。もちろんポランスキーの力量も高い…

シュピルマンの演奏は、ノクターン「遺作」などホロヴィッツより少し速めな感じか、やや素朴な感じか?とわずかに思わせるが曲が進むにつれ味わい深さを増す…シュピルマンの辿った運命も重ねてしまうのだが…
演奏は…蘊蓄を語れるほど聞いてないが、誰がいいとかどの曲が誰がどうのとか考えても、またしばらくすると気が変わっているのが
正直なところである。いつぞやはアシュケナージ以上はいないはずと思っていたのにコルトーの方がアジがあっていいとか思うようになったり。
その時その時の気分とか発見、出会いによって変わるものだと思う。


さて・・・
今回のコインはポーランド・10マルクアルミ貨、ポーランド中央に位置する都市ウッジ(英語名ロッツ)のユダヤ人ゲットー用。大戦中のユダヤ人ゲットー内で使用されるために使われたいわば特殊通貨、戦争通貨、トークンとでもいうか、その存在が悲痛なコインである。シュピルマンのいたワルシャワのゲットーではないが、同じくポーランドの都市ウッジにあったユダヤ人ゲットー内用のコインである。発行はナチの傀儡・ユダヤ人評議会であろう。

粗雑なコインで軽く安っぽい。プレスもいい加減なのかバリ?も表面に残ったまま。
他に10ペニヒ、5マルク、20マルクのもあったがいずれもアルミやアルミ・マグネシウムなどで作られていた。
発行枚数は10万枚。若干のバリエーションがあり、アルミ製のものとアルミ・マグネシウム合金のものとがある。後者はレアで高価であるが前者は安価で売られているようだ。ワールド~カタログにもさほど高い値で書いてはいない。他の額面のものは高いモノもある。
ワールド~によると発行は1942年から開始、写真の10マルクアルミ貨は1943年のみ作られた。流通量は少なかったものの今日でも普通に見られるとか。亜鉛含有により変質があるとか。

ウッジのゲットーについては、東大助教授の鳥飼行博氏のサイトに詳しく載っているので参考にされたい。写真も掲載されており
かなり詳しく見ることができる。このゲットー、占領後にはドイツ語でリッツマンスタッドと都市名も変えられた。
ゲットー内には20万以上のユダヤ人達が押し込められ、ゲットー内での死亡、殺害、または強制収容所に連行などによって、ソ連軍開放時には800人弱しか生き残っていなかった。当然ゲットー内での生活は飢餓と伝染病、ナチによる殺害などユダヤ人には悲惨そのものであった。

このコインもシュピルマンとショパンが重ね合わされ感傷から買ったものである。ショパンはユダヤ人ではないが、悲哀と憂いに満ちた旋律が
このコインを見ているとまるで悲劇を物語り、ユダヤ人たちを弔うかのようだ。

このコインは私がコイン収集をやめた後、もしくは鬼籍に入った後でも誰かしら後世に受け継いでいって残してほしいコインである。
輝きやデザインが美しいから、発行枚数が少なくレアとかなどで残したいといったものとは全く違う意味で、である。

フランス・1ユーロバイメタル貨

2011年10月15日 01時29分34秒 | 投資
金。若干ファンダメンタルズに変化がでている?
株と連動する点だ。夏の金の強気相場ではソブリンリスクの高まりにおいて、安全資産への逃避ということで
買いが入り上昇していたが、もはやユーロ不安が高まっても買いが入らず株と連動している。

長期チャートは長期上昇相場の終焉を思わせる…
とりあえず少しCFD売りのままで様子見。

ドルMMF、スエズが戻してきた。戻してくるともっと買っておけばよかったと思うが、
まだこの先何があるかわからないので別によかろう。ドルはもっと高くなってから買えばいいのだ。
間違いなく円安トレンドが来ると思う。
それにユーロ圏は今は鎮静化したかのように何も報道がないが、また出てくる筈。

ソロスは金を売って米国債を買っていたとか。当意即妙と言うほかはない。
このようにできたらと思うが…。格下げが来るだろうことは何とはなしに予想されてはいた。
しかし米国債格下げで米国債が値上がりする結果になるという判断は普通思いつかないし、思いついても実際に買おうとは
思わないだろう。普通様子見だろうから。そのあたりはさすが巨人である。
さらに食料調達コストの上昇を見込んで農業ファンドを買ったとか。何年も後の世界を見越してのことだろうか。

それにすこしは関連してでもあるのか(?)、スエズが急反発している。ウォータービジネスも少なからず何年後かに大きくなってくる筈だ。
9月が最も安い買い時であったか?ま、欲張らない程度がいいのだ。
GEのドルMMF使っての買いは見送っている。
米国株の長期サイクルがやや心配な気もするから。
ま、25年後まで放置とかなれば、今だろうが来年だろうがいつ買っても同じことと考えればいいのだが、まずはゆっくり考えたい。


どうでもいいことを書いた…コインへ。

今回のコインはフランスの1ユーロバイメタル貨。1999年にユーロ導入に伴い発行された。
ユーロ圏発足に伴いコイン類も加盟国間で統一され表面のデザインは共通とし、(額面とヨーロッパの地図の絵柄)バイメタルの材質・寸法なども同じで、裏面のみそれぞれの国でデザインを施すようになった。利便性アップの効果はあったろう。

買う前期待していたが、実際手に取ってみるとまるっきりカジノかメダルゲームの安物トークンである。実用的すぎるのだ。
これはちょいと期待外れだった。
もっとかわいくていい感じだと思っていたのに。ヤフオクなので手に取って選んでいない。
チープなコインでも楽しいコインはいくらでもあるのだが…
それにユーロ導入前の欧州は面白くて欲しくなるコインがいっぱいあった。特に古い物はなおさら。
そのようなコインが生まれる可能性もなくなってしまったのか。ま、コインの世界は大海のように広く深いのだから別に他を買えばいいが。


ドイツの元政治家だったか誰だったか忘れたが、ユーロ導入は今になって思えば失敗だったと発言していた。
だったら責任とって渡海でも即身成仏でも鞭打ち苦行でもしろと言いたい。経済政策の失敗は、結局下層階級の貧困層が苦しむ。
政治家は失敗しても責任はとらない。引退し、暖かい部屋でおいしい物を食べ余生をゆっくり過ごすのだ。
その陰で下層階級の民は…

ところでバイメタルのコインを手に入れたのは実に23年ぶり。前に手にしたのはヨーロッパ旅行中に
イタリアでリラのバイメタルのコインを使った時。その後欧州に行っていない。他の国でもバイメタルのコインを手にした記憶がない。
フランもリラも姿を消した。残念である。


フランス・1フラン銀貨

2011年10月10日 06時39分46秒 | 投資
チープなコインが続いている。今のUSDJPYのようだが。どうもUSDJPYは底練りなのではないかと思われる。
せめて今回は美しいコインにしたい。

ところで、先月だったか、コイン収納用のコインフリーアルバムを買った。
読者諸氏はアルバムも持っていないのか、と思われるだろう。
その通りである。ま、私のレベルなど、とっくに底は割れているのだが。

しかし買ったフリーアルバム、これはどうも使いにくい。

ビニールのページにクラウンサイズのコインがちょうど入るポケットが20づつ
ついており、コインホルダーに入れていないままでも収納ができるようになっている。

しかし、このポケットにはクラウンサイズはまだいいのだが、他の小さなコインを入れてページをめくるとポケットの中で動いて
しまい、ポケットの口から出ようとしたりする。
しかも縦にアルバムを置いておくとコインの重量でページが垂れてくる。ページをめくるのもやりずらい。

だから、クラウン程度の大きなコインを入れているが、ホルダーに入っている状態のコインはそのまま
とっておいてある。
また、小さなコインでホルダーに入っていないものはプラの小箱を買ってきて入れている。
この小さな箱に入れておくのが一番楽しい。気が向いたらすぐ取り出して手にとって遊べるからだ。安物コインはわざわざ大事にホルダーに入れる必要などない。どんどん触って眺めて楽しむのだ。
高価な銀貨はちょっと入れておこうと思うが、安いコインはむき出しで触って楽しむ。

元の持ち主が所有時に入れておいたコインホルダーのまま入手した場合はあえてそのままにしている。
ホルダーの古びた感、書き込み、ホチキスの錆、コイン屋での販売時に押された値段のスタンプなどが残ったままのホルダー入りのコインは、
それもそのコインの味だと思っている。ブログにアップする時コインが小さくホルダーから出さないと写真が小さい場合はホルダーから出して撮り、また元に戻すのだ。

近いうちにコインホルダー用のストックアルバムを買おうと思う。地元では売っているところはない。当然ネットになる。
フリーアルバムは地元の老舗文房具店で買った。これは売っているのだが、ストックアルバムはない。コインホルダーも売っていない。
ないのかと店員に聞くと、卸問屋が潰れたとのこと。
よほど需要がないのだろう。私が初めて小学生の時にコインに一時期興味を持ちコインを買ったのがこの文房具店で、
その時はガラスのショーケースにコインを並べてあり、コイン収集用グッズも置いてあった。小遣いで買える範囲でいくつか外国のコインを買ってホルダーに入れてアルバムに入れて眺めたものだ。初めて日本貨幣カタログを買ったのもその
文房具店。その後、小学生の小遣いでは買える範囲に限界があり、やめてしまった。
しかし当時その文房具店(ビルになっておりコインコーナーが上階にあった)においてもコインコーナーはそこそこのスペースを与えられ、堂々としていた。今はレジのカウンターの下に少しフリーアルバムが置いてあるだけ。事実上往時の痕跡のみである。


今現在やはり世間からするとコイン収集はすっかりマイナーな趣味のようだ。しかし、これは実はコイン好きにはメリットである。
なぜなら欲しがる人が少ないおかげで値が上がらなくて済むからである。
欲しい人が多くなれば当然金銀貨もマイナー貨も何もかも値が上がる。そうすると気軽に買えるコインが減る。珍しい物なども買えなくなる。
顕著なのが東京オリンピック1000円銀貨。バブルの頃は普通品でも10000円程度であったという。今は2000円程度で買える。
願わくばコイン収集ブームなど来てほしくないものである。もし来たらどうしよう。1銭錫貨一枚650円とかなったら…
ま、コインブームなど来ないだろう。普通に考えて。

今回はフランスの1フラン銀貨。古いほうの「種まく女性」の銀貨のもの。

結局O.Rotyの絵柄が美しいコインなので古い銀貨のほうも買ってしまった。絵柄は以前アップした新しい5フランニッケル貨と表も裏もほぼ同等の絵柄。今回の写真は額面の方を載せている。現代版ニッケル貨よりも表面のギラギラ感が少ない。品位0.835。Φ23、5g。少し小さく薄い。作られたのは1898~1920まで。私の買ったものはすこし表面が摩耗しているが状態はまずまず。年号は1915年である。
ちなみにこの種まく女性の図柄、オスカル・ロティ(Louis Oscar Roty, 1846 - 1911)の作による。ロティは当時活躍の彫刻家で新コインのデザインを依頼されこの図柄をデザイン、50サンチーム貨で1897年に発行され、さらに1フラン、2フランと続けて作られた。
そしてこの図柄はフランス人お気に入りとなり、戦後もまた再登場、ユーロになるまでコインとして使われるのである。
当然私もこの1フラン銀貨は気に入っている。また安く手に入るのである。現在完全にコインブームなどではないからだ。