南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

ドイツ緊急紙幣・シュティンネス汽船会社1000万・500万マルク紙幣

2011年06月29日 00時20分25秒 | 投資
月曜深夜から原油CFDのショートのポジションメークをしようとしているがかなり疲れた。
原油は初めて。貴金属では結構過去儲かった。買いのみでだけど…原油も銀なみに結構動く。

何回かショートしかけたものの突然噴き上げたりする。日中から夕方ころポジションメークしたのに
今夜9時ころ突然大暴騰。買い戻してはまた空売り、を繰り返し。92前半が上限だろうと思ったが…

いつぞやのFXドルロングのポジションメークの時の徒労感、疲弊感をまたしても味わされてしまった。
今は少し原油熱が冷めたか…?今夜9時~9時半ころの突然の暴騰はダウ先物と連動してのヘッジファンドの仕掛けではなかろうか。
結局損失を出しつつ小さめの規模でのポジションをとった。売り上がりの過程でちょっと大きめにしたら踏まれて損したので
もう小さくしておいた。後はストップロスオーダーに引っ掛からなければそのままにしておきたい。
まあ、なんのことはない、戻りをもっとじっくり待てばよかっただけの話なのだが…しかし戻りがいつどのくらいあるかわかるなど
無理だと思う。


あと、ダウは反転したかのごときで結構なことのようだ。ダウCFDショートは損しないくらいでストップつけているので
放置。明日にでも終わるだろう。
ダウが上がり日経が上がれば私の個別銘柄株も上がるので良いと思う。食品会社の株が今日上がっていた。
しかし、今夜発表の指数、ケースシラーは悪い。予想通りとのことで材料視されていないが、住宅バブルの後遺症はいつ治るかわからないのである。

愚痴みたいになるのでこれでよしておく…


今夜は前回に引き続きドイツのインフレ期の紙幣。ノートゲルド(緊急紙幣)。ハンブルグのシュティンネス汽船会社発行の緊急紙幣だ。
発行のいきさつは前回述べた通りでインフレがあまりにも突き進むので紙幣が足りなくなり自治体や企業、また軍隊までも独自で紙幣を発行し
経済活動の便宜を図ろうとしたものである。

発行は1923年8月。オレンジ色のは1000万マルク。紫のは500万マルク。すぐに足りなくなったと思われるけど…
ノートゲルドは無数に発行され、種類を網羅するのは困難なほど。5500種あるとかネットで見たことあるが真偽はいかほどか。
このシュティンネス汽船会社は右下に HUGO STINNESとあるように、当時ドイツの大実業家フーゴー・シュティンネス傘下のものだ。
シュティンネスは当時ドイツでもロスチャイルド以上とも言われた実業家で右派政治家。権力を持ってライヒスバンク理事会を掌握し、ハイパーインフレを起こしたと言われる。その動機はマルクの超絶大量発行によりマルクを減価しその減価したマルクで第一次世界大戦の天文学的賠償金を支払おうとしたとか。(経済学専門ではないのでこの程度でご了承を)ちなみにシュティンネスはインフレ終息後の1924年に死去している。ハイパーインフレは私利追及の手段でもあった。ちなみに写真に写っているハゲ頭のオヤジはシュティンネスではない。当時のドイツのどっかのパン屋のオヤジである。

しかしノートゲルドは絵画的かつ芸術的な印刷がされている物も多くコレクターの対象になっている。
何枚か持っておき眺めると楽しいと思う。ヤフオクでもネットショップでも容易に手に入る。
とても紙幣とは思えないほど美しいものが多い。
使っていた人々は生活に困窮していたはずだが。その困苦を糊塗したいがために芸術的な紙幣が印刷されたのかもしれない。

ドイツ・1000億マルク紙幣

2011年06月26日 16時07分28秒 | 投資
インフレつながりで。
今回はドイツのインフレ紙幣、1000億マルク。

ドイツの1920年代に発生したハイパーインフレ時に発行された多種多様な紙幣の一つである。
このころの紙幣はパピエルマルク(紙マルク)とも呼ばれていた。このインフレ期には硬貨が発行されずもっぱら紙幣の大増刷によっていたためである。
ハイパーインフレ時に発行されたインフレ紙幣の中にはもっと額面の高いものもある。
ドイツのハイパーインフレは頂点は1923年でこの年だけで月を追うごとに高額紙幣が発行されていく。
1922年以前1000マルク程度の紙幣があった程度だったが、1922年中ごろには5万マルク紙幣、1923年になると2月に10万~100万マルク、7月に1千万~5千万。8月に1億マルク、10月に10億~5千億マルク、11月には1兆マルク紙幣登場。10兆マルク紙幣などというものも登場した。
もう破局へ向かって突き進んで行くしかない様相である。
10月になってレンテン銀行が設立され1レンテンマルク=1兆マルクのデノミを実施することを発表しようやく安定に至る。
しかしそれまでにドイツ社会に与えた影響は甚大なものがあった。最悪期にはパン一個1兆マルクだったという。


写真の紙幣は23年10月発行。ライヒスバンクノート(国立銀行券)、ライヒスバンクディレクトリアムのサインなどと刷ってはあるものの
ほとんど芝居小屋の入場券並みの粗雑さだ。印刷は片面。裏面はなし。一応簡単な透かしが入っているが、国立銀行が輪転機フル回転では偽札も作る気しないだろう。
写真では100と右隅に書いてあるが1000億マルクである。einhundert milliarden は1000億である。
これを札束にしたのをいくつもカバンに入れて買い物しないとならないしそれでも次の日には足りなくなったりするので
ほとんど市民生活マヒ状態といえよう。

ドイツのインフレ紙幣は最高額が10兆マルクなどもあるし、ほかには紙幣の額面を上げるために低額面紙幣にゴムスタンプで
高額面を捺印したりしたトンデモなものも存在する。もう末期症状である。ほかにも各地方自治体や企業などが独自で通貨不足解決のために発行した地方貨もありノトゲルドと呼ばれている。
この時期の経済活動がどのようになっていたのか不思議だ。企業の原料調達や生産、出荷、あるいは証券取引、不動産売買、はたまた公共投資から徴税など大きな金額の動く場面などでマルクはどうなっていたのだろうか。他国の通貨のほうが歓迎されていたか。貿易はドルやフランなどで行われていたのではなかろうか。

このような苦しみと鬱積したやり場のない不満がナチズムの台頭につながるわけだがこの年の11月、ヒトラーはミュンヘン一揆に失敗している。まだ「わが闘争」も書かれていない。

このハイパーインフレを収束させたのは当時のワイマール共和国首相シュトレーゼマンであった。
シュトレーゼマンは1926年にノーベル平和賞を受けている。ロカルノ条約締結の功績とのことだが。
あまり関係ないが、オバマもノーベル平和賞を受けている。オバマは米経済の舵取りをどうやっていくのだろうか。
債務上限とかどうするつもりなのだろう。どうにかなるのだろうか。

仏領インドシナ・1サンチーム銅貨

2011年06月25日 20時46分05秒 | 投資
引き続き仏領インドシナの貨幣。
1サンチーム銅貨である。(この記事のアップ時まで、サンチームでなくセントだと思い込んでいたが、あるサイトを発見し
サンチームであることを見つけて慌てて訂正した。)

これはヤフオクで買った。なかなか欲しい時にないコインである。年代は1879年、製造はパリである。
表面は貿易ピアストルなど同時代の仏領インドシナコインにあるモチーフの女神の坐像。裏面は1Cと中心に四角形で囲まれた百分之一の漢字表記。なぜ漢数字をモチーフにしたのか?フランス風のエッセンスか、華僑向け?

単位はサンチーム。1ピアストル=100サンチームだ。

これは銅貨で当然濃茶色に黒ずんでいる。このコインの完全未使用などどこかにあるのだろうか。ebayなど見てみようか…
しかし貿易ピアストルは中国製フェイクが跋扈しているもののこのような補助貨幣の銅貨はフェイクは有り得ないのではないか。この銅貨特有の黒ずみ、古びた感じは年数、人の手から手を経てできるものであるから、人為的に加工してこのような黒ずみ、古色が演出できはしないだろう。銀貨ならダマシでできるだろうが。
しかし1厘銅貨の贋作も出回っているのでどうとでもできるかもしれない。

前も書いたが実物はそれとなく風格があるものだ。フェイクは必死で頑張っているだろうけど、実物に近付けようとすればするほど
手間と時間がかかりコストが上がって儲けが出にくくなるのではないか。極印作るだけでもかなりの労力とコスト、時間だと思うのだが、
中国人の贋作作りへの情熱?も大したものだ。というか、贋作とは思っていないだろう、実物は高いからコピーで楽しもう、
それなりに良くできているからこっちのほうが楽しいという発想ではないか。

ヤフオクで前見かけたが、「古銀幣型録帳」みたいな表紙でコインアルバムにクラウンサイズの銀貨が沢山入ったお土産物?みたいな出品物があった。
例の袁世凱とか孫文とか清朝、中華民国発行や貿易銀などのクラウンサイズの銀貨が入った土産物風アルバムなのである。トーンは全部同じ。黒い塗料を薄めて塗り、拭いてそれらしく古色を演出したフェイクのアルバムである。
中国国内の庶民相手のコピー趣味品なのだろう。こういうのがあるところがアジアンだ。欧米人にはない笑いがある。


さて、前回も書いたがベトナムなど新興国や中東諸国を直撃したインフレはQEバブルの副作用であることはわざわざ言うまでのこともない。
この強烈な副作用はFRBも認識していることをかんがえるとQE3は現時点では実行は難しいだろうと思われる。
しかも莫大な巨費を投じて実行したQE2でさえも国内産業の振興、雇用回復にはそのコストに見合うだけの効果があったのかと
も思われ、株価と商品高だけで終わったかのごとしである。その逆にあまりにも歪な副作用は払拭しがたい筈である。
フィラデルフィア連銀総裁は、QE3はハードルがかなり高い旨発言している。PIMCOのグロース氏もQE3は実現の可能性低いと予想している。

しかし連銀総裁はコロリと態度が変わったりするし案外QE3やるかもしれない。やる時はショートポジションはすぐやめて
またダウや原油が上がりだすかもしれないからロングだ。
もしやったらどうなることか。新興国や中東諸国の庶民は大変であろう。米国内もガソリンがあがったりして生活を直撃するはずだ。

QE3発動決断にはしかしまだ時間が必要だろう。発動するにはまだまだ米国株は安くなっていない。
米政府筋などのロイター電に注意しつつ原油CFDの戻り売りをやってみたい。まだQE2も終わらないうちから原油の上げ相場は終わっている。
まだこれから10ドルは下げるのではないかと予想している…


今日は台風で外出もできない。赤ん坊の機嫌をみながらネットでコインを渉猟する。初心者向けの安いものばかり買っている。
しかし安いコインでもいろいろ調べたり想像を膨らませたり、実に楽しめる。ネットで調べれば調べるほど知らない言葉、歴史的事実が浮かんでくる。金のあまりかからない本当に手ごろで奥の深い趣味だ。
数十円のコインでもネットなどで調べたりじっと観察しているだけで何千円分(?)も楽しめるのだ。

仏領インドシナ・貿易ピアストル銀貨

2011年06月25日 15時51分02秒 | 投資
今日は仏領インドシナ・貿易ピアストル。発行に至る経緯についてはググっていただければ詳細に記述されているサイトがあるので
割愛させていただくが、(おかねの情報室・「アジアで流通した様々な貿易銀」)いわゆる仏領インドシナ版貿易銀である。
自国植民地に横溢するメキシコ銀への対抗手段としてフランスが発行した貿易銀だった。ただ、貿易ピアストルが発行されるころには
アメリカのトレードダラーも勢力をのばしていたようだ。

貿易ピアストルは1885年から1928年まで発行されており比較的容易に入手できるが
年号によってレア度が高い物もある。
ありふれたものなら3000円程度で買えるがほとんど女神像の鼻が摩耗してなくなっている。
私のものも1907年で使用されており女神の顔が摩耗している。というか、誰か磨いたか。元のまんまでいいのに…
ちなみに写真の右下に写っているのは中国製のフェイクである。なぜか厚みが実物よりすこし厚い。またギザが不揃いである。しかし全体の雰囲気は良くできておりオモチャとして楽しめる。手にとって放り投げてキャッチしたり赤ん坊に掴ませたり、転がしたりして弄ぶのに最適である。

1894年以前の貿易ピアストルは銀含有量が多く中国商人に鋳潰されて1895年以後は銀含有量が減らされている。いつかこの1894年以前のものが手に入るといいが…



三菱モルガンの藤戸レポにベトナム株に関する記事が5月末にあった。一時期人気を博していたベトナム株だが今は下落しており
リスクが高まっている。
中国も含め新興国の高成長も停滞かと思わせる。新興国への輸出に活路を見出したいわが国としては暗然たる状況である。
ベトナム株も含め新興国への株式投資はうまくいっているときはいいが落ちると恐ろしい。結果論だけどやはりベトナム株がもてはやされていたころに投資をしていたら今現時点でどうなっていただろうかと思う。新興国株も他の人が騒ぐ前に買い、流行ったら売り逃げるという戦法通りにしないと危ない。ベトナム株アクティブファンドなど買っていたら信託手数料などコストばかりかさみ基準価額は下がってしまい憂鬱な結果となっていただろう。

しかし今週は日経は9300円切るどころか強い感じだった。打たれ強くなってきたのだろうか。
28日に株主総会をする企業が多いのでそれまでのお化粧買いだろうか。来週下がるなら日経225CFDショートも良いかと思う。
個別株で買ってある分はそのままにヘッジにCFDで日経225をチョコチョコとショートするのがいいかもと思っている。

あと、原油。200日線を切ってきた。下げトレンド継続だろう。これもDMMのCFDで扱っているので戻りを空売りしようかと思う。
QE3発動がない限り原油にファンドのマネーが流入するとは考えにくい。FRBのマネー供給も間もなく終わるのだから。在庫も余っているとか。
空売りでいいかと思う。銀空売りも良いかもしれない…?


仏領インドシナといえば…文学で思い出すのはマルグリット・デュラスの「愛人/ラマン」(84年作・92年映画化)だ。
デュラスの母は未亡人になると現地役人に騙され海水につかる土地を買ってしまいデュラス家は貧困に陥る。しかも
長兄は粗暴な性格であるが母に溺愛され家族間の人間関係は冷めた状態であった。
そんななか主人公の少女は華僑商人の青年と出会い愛人となるが…
デュラスの自伝的小説である。映画化されたころに文庫も出て私も読んだ。どういえばいいのかよくわからないがしかし良く覚えている作品である。

華僑商人たちの間でも貿易ピアストルは山のように使われていたのではないかと思う。物語の時代は1929年。青年は当然、主人公の少女も一度は貿易ピアストルを手にしたことはあるだろう。

しかしウィキると、デュラスも1980年、66歳の時に(1914年生れ)38歳年下の男と恋人関係になっている。
その28歳の男というのも、なんで66歳相手なのか、よくわからない。



桐1銭青銅貨

2011年06月25日 00時56分06秒 | 投資
先週末から忙しさが増しブログのアップも滞りがちだった。今夜はゆっくりできる。
暑さも日中はこたえるが夜は過ごしやすい。youtubeで音楽聴きながら作業する…

今夜のコインは桐1銭青銅貨。
以前ご紹介した稲1銭青銅貨が物価の上昇で額面を上回るコストになったのと、1銭という額面に比べて大型すぎて使用しにくい物と
なったために大正5年に貨幣法改正で登場した。稲1銭青銅貨よりずっと小さくなった。

小さくなりはしたものの意匠は結構凝っていると思う。表面の唐草文様、花びら状の菊紋、裏面の桐の文様も丸みを帯びてアレンジされ
表面はきりっとした工芸的な恰も天平か万葉を思わせる唐草文の美しさに比し、裏面はややユーモアを持たせている。大正ロマンを感じさせる小さいながらもなかなか優れたいいコインである。稲1銭もいいが時代とともに進化している風情を感じさせる。

発行年が長かったためにいくらでも現存している。いくつか安くで買って楽しめるコインだ。アイコインズでは後期の完全未使用でも安価で手に入るので買ってみたい。
これの同デザインの5厘青銅貨もあるので手に入れたい。まだこのころは5厘銭も立派に活躍中だったのだ。

近代コインの良い進化はここら辺までであろう。昭和が進むと戦時色がモロ反映されてゆき徐々に安物になりやがて異様なコインになっていく。そして戦後は現行貨幣になり固定されてしまう。

しかし今の我々のコインはなぜ味気ない物を何十年も使わなければならないのだろう。
効率化、コスト削減が優先された結果なのか。出される記念貨幣もまるで欲しいと思わない。
これを使う人間も同様に効率化された人生を歩いているのではないか。

写真の桐1銭青銅貨は大正12年。桐1銭青銅貨は昭和13年まで生産される。しかし通用は昭和28年まで可能であった。
このコインを戦後に支払いなどで使った人がいたのだろうか。今500円札を出すような感じではないか。しかし戦中の悪貨1銭錫貨、1銭アルミ貨と同じ額面である。古い物の方が地金としても価値ははるかに上だが。江戸時代みたいに支払いの時には古い貨幣のほうが歓迎されるとかあったとしたら面白いが?


さて…米国株は今夜も執拗に調整している。昨晩激しい下落後復活して朝アレ?と思ったが今夜またこのように執拗に下げるとは。
来週も下げ基調か。日足オシレーターを観察しておきたい。
反転も近いのではないかと思うが。昨晩のザラ場で反転したと今日は思っていたが、懸念は晴れないようだ。
明日の朝起きてどうなっているだろうか。
CFDはナスのショートがストップに引っかかって1000円プラスでカットされていた。ショートの位置が低かったか。
ダウは残っており含み益出ている。同値+スワップ調整料で撤退するように逆指値している。
昨晩のようなザラ場反転は今夜はないと思う。2日続けて長い下ヒゲつけないと思うが。

反転は来月雇用統計だろうか。

コインでも見て寝るとしよう。