南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

イタリア・100リラステンレス貨・500リラバイメタル貨

2011年12月18日 12時26分40秒 | 投資
更新が無沙汰になって申し訳ないが、社内や取引先との忘年会などのイベントが続き
しかも赤ん坊の添い寝などでとても無理だった。ようやく久々にとりかかっている…
全然更新しきれないのに多くのアクセスいただいている。誠に申し訳ない次第である。
読者諸氏が面白く読んでいただければと思う…

ずっと外国のコインばかり続いている。日本のコインがそろそろ恋しい。

といいつつ、また外国のコイン。イタリアのステンレスとバイメタルのリラ貨。
パチスロのメダルのようだがなんとなく「美・品」があり悪くはないコインだ。手で弄ぶのにもちょうどよい。

イタリアはステンレスコインを戦後本格的に作り出し、多用された。100リラのほうは1955年より生産され1980年代までずっと作らていた。1990年にはもう少しサイズを小さくして再発行されたが1992年に終了。
500リラバイメタル貨の方は1982~2001まで。このコインの面白いのは縁がギザとツルツルの交互になっているところ。また、盲人用の点字も付いている。現代的である。

またもや国債利率が危険水域に入ったイタリア。しかしクライシス到来はまだ来年ではないか。
欧州まとめて格下げになればかなりの不安が市場を襲う。というか、それを材料にヘッジファンドが空売りを猛攻する。

格下げに値するとはもう誰も皆分かっている。しかし格下げになれば不安心理の広がりと称して
下げる。格付けでの相場の動きなどうんざりしている。
わざとらしいと思うが相場の力学が働くから仕方がない。膿を出し切らないと下げ切らない。
別にこの世の終わりでもないのに下げる。で、下げていく過程で売ってしまい損失を出すのは誰か。個人投資家である。
そのような時に買うのは富裕層である。だから富裕層がいつまでも少数で独占しているのではないか。


欧州のこの世の終わりかと思われるくらいになったらスエズを買い増ししよう。BOA、GEあたりも。
30年代のような延々と続く大恐慌のようなことになれば逆にあきらめもつこう。ひたすら働くだけだ。

コインからそれたが、このステンレスコイン。彫りが浅い。わざと耐摩耗性を追求してのことか?それともステンレススチールは硬くて
極印の耐久性の都合からか?わからない。
バイメタルの方も同じようなものだ。

おそらくコインの摩耗をわざと薄っぺらくすることで耐久を上げようとしているのではないか。
わからないが、現代コインの多くが美しさよりも耐久性、経済性を追求している。わが国のコインもそうだ。
一般の日常に使われるコインは素っ気なくても耐久性を優先、
記念コインはやる気を出して作り、コインの美しさは記念コインで発揮、
買ってもらおうと…?憶測だけれども。でもフランスのコインなど美しいモノもあるから…どうとも。
アメリカのコインなど安っぽさが進行しているのは顕著だ。

リラはもうない。今はユーロだ。リラもフランもマルクも歴史は古い。もちろんドラクマもギルダーもエスクードも。
ドラクマなど紀元前5世紀から存在していた。コイン好きにとって実に残念なことだ。素晴らしいコインばかりなのに…今のユーロコインは後世のコレクション対象となるかは極めて疑問だ。

ちなみにリラの語源はラテン語の天秤を表すリーブルである。それが変化しリラとなる。古いフランスのリーブルも同じである。
で、どこでこの貨幣単位が始まったかというと、諸氏はもうとっくにご存じであろうが、古代ローマである。
古代ローマにおいてリブラという貨幣単位があった。これは1リーブラの重さの銀という価値であり、リーブラは重量の単位でもあった。

で、古代ローマは滅亡するが、以後形を変えつつもフランス、イタリア、イギリス(これは「1スターリングポンドの銀」から来たポンドも同じである。ポンドと変化したが£という記号はリーブラのLである)などの国々に残っていくのだ。面白いものだ、古代ローマの影がまだつい最近まで…

この浅薄なステンレスコインも古代ローマからの系譜のはしくれにいる品物なのである。
しかし浅薄であるがわりと美しいと思い好きではあるコインだ。

ちなみにロシアのルーブルは語源が全然違うので注意。ロシアのルーブルはもと中世の頃、銀の量り売りから始まる貨幣が根底にあり、このころ1グリブナの銀を割って切銀を貨幣にしていた。この割るという動詞「ルビーチ」からルーブルは発祥している。
ロシアのルーブルも語源はラテン語の天秤だよ、などと知らずに自慢げに話していると半可通で失笑を買うところになるので注意が必要だ。

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