南海泡沫の後で

貨幣収集を時代背景とともに記述してゆきます。

イタリア・10センテシミ銅貨

2011年12月03日 02時47分48秒 | 投資
金曜の夜、NHKの「世界街歩き」でローマをやっていた。この番組は赤ん坊が生まれる前はよく見ていたが最近はたまにである。

いつもこの番組で紹介される欧州の街は美しい。
欧州の街並み(番組で紹介されるのだから厳選されていると思うが)を見るとひどく自分の住まうこの右肩下がりの
廃屋だらけの斜陽の町が悲しく思えてくる。溢れる原色の看板・広告、パチンコ店のどぎついネオン、どこに行ってもパチンコ、コンビニ、マック。
わが町も景観は崩れている。景観という概念はわが国は極めて低位である。その点アジアなのだ。

欧州人は根本的に景観、おのれが住む場所に対する美意識が違っている。街並みの映像を見てもけばけばしいネオンだの広告などがない。
そういうものを置こうという発想がないのか規制がしっかりあるのか。

選ばれているとはいえ、紹介されるような美しい街に住めるということはそれだけで人生が豊かである。


しかし…

イタリアに若かりし頃訪れた時はちょっと好きになれない面も多かった。私が若造で精神的にも軟弱で憂鬱だったせいもあるが
教会の前に待ち構えるジプシー、襤褸を纏った乞食、釣銭をだまそうとする女店員…トレビの泉などまったくつまらなかった。

イタリアはローマ、フィレンツェ、ピサ、ミラノなど。食事は良かったが暑く、つまらなかった。美術館のお宝、ミケランジェロの絵画。
どれも別に…

フィレンツェのドゥオモの入口にはジプシーの物乞い、スリの類が(子供や老女)屯し、観光客にすり寄ってくるのであった。
彼等は段ボールの切れ端を手に持ち、それで片手を隠してバッグに手を入れようとするのである。ほとんど誰も相手にしなかったが、
アメリカ人の中年女性が財布をすられて怒っていた。
地元警察も取り締まらないのだ。おそらく中世からそうなのだろう。いつもたむろして観光客に隙あらばスリをしたりしようとするのだから警官が常駐すればいいと日本人なら考えてしまうが。

出鱈目な面が地中海性気候の大らかさのもと、存在している。日本人には分からない面が多かろう。ラテンの国々は。




ドル供給で湧いているが、どう考えても根本的治療にはならない。ただ、銀行が金の工面がしやすくなっただけの話である。

今後の推移というか、単純にCDSスプレッドを見る限り、来年以降、問題は避けられず、今年解決できなかった以上来年に持ち越された形になっており、クライシスは進行しているのだ。

資金投入のタイミングを充分配慮して運用する必要があろう。
外国株もやはりあわてて買わないようにしたい。スエズも思い切り下げて、なおかつ欧州が火だるまになっているときに買うべきだ。
だから、来年何もしないという選択も考えておく方がいいかもしれない気がしている。

こないだから買った株類もできたら売っていきたい。5233、1929。4224も処分してもいい。2344は置いておく。

そして、4406。
もうネット上で騒々しいので語ることもないが、少し先週買った。本来ならば手を出すべきではないが、例の話題のHPを見て
氏の日本市場と経済に対する鬱屈した憤懣が感じられ、もちろん私も儲けたい一心が先であるが、一種のドラマを感じて
少し買った次第である。

氏はもう一生かかっても使い切れないくらいの金は持っているはずと思うが…
もちろんHPの文言など修飾があり提灯買い誘導のためのエサというか大義名分であろうが、底意にはここまでダメになった日本市場と食い物にする外資、それに同調して短期空売りに明け暮れる個人投資家への不満があり、その心情は日本人投資家ならば大勢の人間が抱いているはずで、その現状への怒りの一撃を食らわさんとする氏の姿勢は痛快なものがあるのだ。

ま、いつ終焉してもおかしくないが…儲けられなくて終わり例え損してもなんとなく溜飲が下がる気がする。


気になるのは低位仕手系銘柄がこの今のタイミングで一斉に掛けてきたことだ。来年以降は欧州の悪化で仕手もさらに仕掛けにくくなると読んだか。そうなると仕手戦を演じる大口も金主もリスクオフへ向けて動き出していると考えられもしよう。

4614は…仕手戦始まった瞬間に売ってしまった。勿体ない事をした。まあ、これも運。忘れるべきだろう。(かなり口惜しいが…)



今夜のコインはイタリアの10センテシミ銅貨。年号は1920年である。
このコイン、絵柄が面白い。花にとまる蜂の絵である。反対側の面はヴィットリオ・エマヌエレ3世の横顔。
しかも銅貨。青銅貨ではない。

花の止まる蜂の絵の下に10c表記。花はポピーだろうか?イギリスやドイツのコインはわりと保守的なのに対し絵画的芸術性を追求している。芸術を重んじるイタリアらしい。単なる小銭にも美意識が強いことを感じられる。いや、第一次世界大戦の戦勝国としての余裕か。

このコインは小銭なので小さい。Φ23mm。5.4g。
1919年から1937年まで発行された。戦勝国なのでインフレもドイツほど直面しなかったか??

出鱈目・非常識なほうが芸術的である。芸術の国イタリアや古代に矜持を持つがやる気のないギリシャと真面目なドイツは融和するのは難しい。お互い自分の方が正しいと思っているはずだ。

ドイツにも優れた芸術はある。コインでいえば前に書いたノトゲルドだ。ただしイタリアは自分達の方が芸術は上だと思っているはずだ。借金まみれで返せなくなってきているが…。

イタリアの国がまるで自堕落で出鱈目だが才能のある芸術家風情のようだ…

最新の画像もっと見る

コメントを投稿