その後、寅さんとポンシュウは、落合川駅から4㎞離れた木曽川沿いにやって来ました。
写真の真ん中に、1978年に廃線になった北恵那鉄道の鉄橋が見えます。二人が来たのは、鉄橋の左岸の桜の木のあたりです。ロケ当時ここに、奥恵那峡下りの遊覧船の乗り場がありました。
映画では、遊覧船が出ようとしているのを知ったポンシュウが、寅さんをせかせます。用でも足していたのか、寅さんが遅れてしまい、ここでも二人は乗り遅れました。船乗り場の近くに、運よく行商のおばさんが乗る小舟がありました。二人はその小舟に乗せてもらい、川を下って行きました。
ここで音楽とキャスト・スタッフの紹介が終わり、映画は本編にはいります。
●遊覧船の待合室の建物 (2021/4/7)
現在は、建物だけが残り、遊覧船の営業はしていません。ずいぶん前にやめたようです。
映画では、水仙が咲いているあたりにポンシュウが立っていて、こちら側にいる寅さんに急ぐように声をかけました。
水仙の右に、川岸の船乗り場に下りる階段があります。建物の左に石垣が見えます。かつて石垣の上に線路があり、北恵那鉄道が走っていました。
●待合室の建物の向かい (2021/4/7)
向かい側は、ロケ当時と大きく変わっています。
映画では、正面に石垣が見えます。これが先ほどの北恵那鉄道の石垣のつづきです。左やや上方向に伸びています。廃線前には、ちょっと先に恵那峡口駅がありました。
写真は、ポンシュウにせかされた寅さんが木の後ろから、ひょっこり姿を現した場面です。
現在の写真。北恵那鉄道の石垣は、左斜め上に伸びる道路の上に築かれていました。石垣は今では完全に撤去されていて、後ろの風景が露出しています。寅さんが姿を現したのは、この桜の木の後ろからです。
●船乗り場の付近 (2021/4/7)
遊覧船の待合室の建物から、階段を下りた船乗り場の付近です。
映画では、遊覧船に乗り遅れて地団駄を踏むポンシュウを、寅さんが階段の上からのんびりと見下ろしていました。
たびたび水害を受けたためか、川岸は狭くなり、コンクリートの構造物は壊れています。階段があったところの両サイドは、竹や低木が生い茂り、荒れ果てています。
●廃線鉄橋近くの川岸 (2021/4/7)
船乗り場のすぐ上流に、北恵那鉄道の鉄橋が残っています。この鉄橋を渡った左側に、遊覧船の待合室の建物があります。現在は竹にじゃまをされ、下から建物を見ることはできません。寅さんたちが乗せてもらった小舟があったのは、鉄橋手前の左岸です。
つづく