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新型コロナウイルスのワクチンの大量供給が課題となるなか、開発と製造の企業間分業が進んでいる。富士フイルムホールディングスは28日、米製薬会社など向けにつくる原薬の生産能力増強を発表した。欧米では複数の製薬会社から生産を受託する企業も多い。化学メーカーなど異業種の参入機会にもなっている。
富士フイルムは米政府からワクチン生産の補助金を獲得した。すでに米ノースカロライナ州で米ノババックスから受託した原薬を製造しているが、米テキサス州の工場でも原薬を生産する。
ワクチンは基礎研究から製剤化までを製薬会社が一貫して進めるいわゆる「垂直統合型」の代表的な医薬品だ。ウイルス培養や原液の状況、容器に充填する作業などは規制当局の厳格な品質チェックを受ける。品質管理に加え、毎年の需要に合わせて供給量を調整するなど生産体制そのものにノウハウがあるからだ。
一方、新型コロナ向けのワクチンは開発と生産を異なる企業が担当する「水平分業型」が進む。未知のウイルスを扱うため、既存のワクチンを転用することは難しく、新たな増産設備などが必要となるからだ。生産受託会社の間では案件獲得競争が始まっている。受託最大手のスイスのロンザは5月に米医薬ベンチャーのモデルナとワクチン製造の契約を結んだ。モデルナは27日に、臨床試験(治験)が最終段階に入ったと発表。秋をメドとした実用化が正式に決まれば、ロンザが数億回分規模で量産を請け負う。モデルナと開発スピードを競う英アストラゼネカは21日に韓国SKバイオサイエンスと生産委託の契約を結んだ。6月には米エマージェント・バイオソリューションズとも契約しており、各地での量産準備が進む。エマージェントは米ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノババックスなどからもワクチンの生産を請け負っている。(中略)
米国ではコロナワクチンについては政府が事前に買い上げる計画を公表する例が多く、製薬会社は生産数量の調整を考えずに治験に注力できる。日本でも国産ワクチンの開発が進むが、買い取り制度がないために民間による量産投資はリスクをはらむ。分業時代に見合ったワクチン政策も不可欠だ。(*日経 記事より)図も
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