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創業からわずか5年でありながら、名だたる大手企業と取引するベンチャー企業が横浜市にある。今をときめくテックカンパニーでもなければ、ユニコーンと呼ばれるほどの派手さもない。だが、独自の接合技術を武器に、地味だが地に足の着いた実績を積み上げている。大手企業が評価するのは、「超音波複合振動接合」と呼ぶ技術。これは超音波振動接合の一種で、直線振動とねじり振動を組み合わせた楕円形状の振動(楕円複合振動)を利用する点に特徴がある。対象は、電機・電子部品の導通部。金や銀、銅、アルミニウム合金、ニッケルなどを、同じ金属同士でも異なる金属同士でもくっつけることが可能だ。2つの金属を上下に重ね、重なった部分に超音波複合振動装置の先端チップを当てる。こうして2万~4万ヘルツの楕円複合振動を加えると、両金属の表面を覆う酸化層が接合界面から除去され、新生面がむき出しになる。こうして原子間結合が起こり、金属同士が強固に接合される仕組みだ(中略)はんだは十分に確立された技術であるため、品質面でもコスト面でもかなり競争力が高い。従って、超音波複合振動接合がはんだを全て置き換えるとは考えにくい。そして、その用途の一つとしてLINK-USが狙うのが、次世代半導体材料の炭化ケイ素(SiC)製パワー半導体(以下、SiCパワー半導体)だ。現行のシリコン(Si)製パワー半導体と比べて大幅な効率向上をもたらすことから、今後のインバーターやコンバーターなどの電力変換器の心臓部を担うと期待されている次世代デバイスである。だが、SiCパワー半導体にはコストが高すぎるというよく知られている課題に加えて、もう一つ大きな課題がある。はんだが使いにくいという課題だ。SiCパワー半導体は耐熱性が高く、250~300度の高温でも動作するという優れた特徴を備えている。ところが、現実にはここまでの高温では使えない。はんだがもたないからだ。はんだは200度を超えると劣化してしまうためである。はんだが劣化しない範囲の温度で使用するしかなく、その分、SiCパワー半導体の機能をフルで引き出せない。ここに、超音波複合振動接合ではんだレス化の潜在的なニーズがあると考えて開発を進めているのが、LINK-USなのである。(*日経 記事 より)
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