2020/1/20 | から | 2020/1/24 | 記入日 | 2020/1/18 | |||||||||||||||||||||
1.来週の見通し | |||||||||||||||||||||||||
ドル/円 | 109.50 | ~ | 111.00 | ||||||||||||||||||||||
米中対立の一時休戦で、米国景気の最大の懸念材料に落ち着きが見えたことの意義は大きいだろう。大統領弾劾は上院での否決は確実で、民主党は世論を味方につけようとまだ弾劾決議の上院への送付を渋っている状況であるが、英国労働党同様、独りよがりの正義感があるのかもしれぬが、「党利党略」との印象を強めるだけではないか。今回の第一弾合意でトランプ支持基盤のラストベルトでの雇用・景況がどう改善されるか2020年の大統領選挙および米国の金融財政政策を決定するのは、その一点に尽きるのかもしれない。米景気の底堅さを見ながら、徐々に米国金利は上昇しているが、賃金上昇のペースは決して高くなく、むしろ鈍化している。今後は大統領選挙をめぐる支持率の変化と、景況指標(とくに中西部)、これを受けての米金利の動きが最大の円相場決定要因のように思える。 | |||||||||||||||||||||||||
ユーロ/円 | 121.70 | ~ | 123.50 | ||||||||||||||||||||||
イランをめぐる制裁問題など、EUを離脱する英国がむしろ今後欧州の政治・軍事を先導するのではないかと思えるぐらい元気ではないか。極右と呼ばれたポピュリズム政党が、政策を現実路線に変える一方で、痛みを伴う改革に乗り出した仏マクロンは 国民の幅広いかつ大きな抵抗に直面し改革は中途半端または挫折で終わりそうだ。ギリシアやイタリアといった南欧のおかげのユーロ安で潤っていたドイツの製造業は、このところのユーロ高で元気なく、ジャブジャブのマネーが流入した株式市場だけが高値を更新している状況ではなかろうか。深堀されたマイナス金利もマネーに利用されるだけで、実体経済への投資や雇用創出に繋がるものとなっておらず、(日本と違って)財政出動にも及び腰の現状では、まるで10年前の日本と同じような状況に思えるのは私だけだろうか。ドラギと異なりドイツのご機嫌伺いのラガルドECB総裁では、明るい未来は望めないのではないか。ECB総裁としての発言に予想外の内容は期待するだけ無駄なのだろうか。 | |||||||||||||||||||||||||
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2.先週の動き | |||||||||||||||||||||||||
ウクライナ機はイラン革命防衛隊による誤爆であったことが米国の指摘後イランが認めることで明白となり、イラン国内で最高指導者のハメネイ師を嘘つき呼ばわりするデモが行われたことと、虚偽の発表をしたことにイラン外相が批判的なコメントをしたこと。また英国を中心にイランのウラン濃縮の合意破りに対して制裁を加えるべきだとする欧州の対イランの動きに変化が出てきたことは、今後のイラン国内での革命防衛隊をめぐる世論や、米イラン対立の動きをみる上では重要な出来事であったように思う。一方、市場の関心を集めたのは米中摩擦であった。米中は15日に第一弾の正式合意、中国が米国からの輸入を大幅に拡大することや知財保護、資本市場の米企業への開放を約束することで中国は譲歩、米国は為替操作国指定を解除した。履行状況の監視が問題を複雑化させる要因として残り、かつ、そもそもの構造協議は手付かずであるが、大統領選挙までの一時休戦が成立したことで、米国株式市場は、連日の史上最高値更新となった。マネーの米国集中を反映してかドルはじわじわと上昇(円高値109.50 円安値110.29、110.12での越週)、ユーロは対円でも上昇し(円高値121.78 円安値122.88 122.12での越週)円安基調の為替の動きであったが、日本株は期待されたほどの上昇はなく、24115の週中高値で引けは24041であった。2018年高値24448を付けた時の本邦証券会社の強引・無理な営業に騙された人々の怨念を感じたのは私だけかもしれないが、一般投資家の不信感が市場の重荷となり、東京市場そのものの地位低下につながっていることは否めない。まじめな投資家が相場観を形成するためのお手伝いを肝に銘じたい。 | |||||||||||||||||||||||||
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格納レポート | |||||||||||||||||||||||||
200118__00来週の予想 | |||||||||||||||||||||||||
200118__01a相場を考える.(長期的な経済・政治情勢、の分析・現状認識です) | |||||||||||||||||||||||||
200118__01b相場を観る.(中長期的な為替・株(日経/NYKダウ)のチャート分析です) | |||||||||||||||||||||||||
200118__02先週の動き | |||||||||||||||||||||||||
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20200113_17_経済指標実績
20200111_17_一週間分日経メール
20200120_24_経済指標来週の予定
20200120_24_外交安保-時事国際_来週の予定
2020 年相場の動き
みずほ銀行 「外国為替ダイジェスト」 200113~200117 (本邦祝日は休刊)
三菱UFJ銀行 Daily Market Report as of 200110 ~200116 (本邦祝日は休刊)