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日米欧の安全保障体制にきしみが生じている。日本は米国から調達する地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」計画の停止を決め、秋には在日米軍の駐留経費の交渉が本格化する。韓国やドイツでも駐留米軍をめぐる摩擦がある。北朝鮮や中国、ロシアに隙を与えかねない。日本のミサイル防衛は海上のイージス艦、地上の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の2段階で迎撃する体制だ。北朝鮮の核・ミサイル開発などを受け2017年にはイージス・アショアを2基導入して3段構えにすると決めた。計画の停止で3段構えに穴があく。河野太郎防衛相が代替策としてイージス艦で防衛すると説明したことについて、小野寺五典元防衛相は「北朝鮮にイージス艦が対応すれば南西諸島に穴があく。どういう体制をとるか説明しないと日本の防衛は不安だ」と強調した。政府は3段構えにする理由を「イージス艦の運用負担を軽減する狙いもある」と説明してきた。イージス艦に頼るなら代替策とはいえない(以下 小見出しと抜粋)
■対米関係に影
計画の候補地だった秋田、山口両県は北朝鮮がハワイとグアムにミサイルを発射した場合の経路にある。19年当時の岩屋毅防衛相はそうしたミサイルを「限定的な集団的自衛権で撃ち落とせる」と話した。米ランド研究所研究員は計画停止に「日米に良い影響を与えると思えない」と語る
■経費巡り難航も
日本や韓国は米軍との連携で安保体制を築いてきた。日米や米韓の足並みが乱れれば、米国と対峙する勢力には好機だ。ミサイルを挑発手段に使う北朝鮮はもちろん、積極的な海洋進出を続ける中国にも、東アジアで力を示す機会が生まれる。外務省幹部は「計画の停止は中国やロシアにも誤ったメッセージを送ることになる」と話す。元防衛相の石破茂氏は16日「防衛体制は24時間365日穴がない、ということでないといけない」と指摘した。代替策を示すことで「隙は生じない、と説明することが政府の責任」と述べた。地域の不安定化を招かないためにも、穴を埋める新たな安保戦略を早急に打ち出す必要がある。
(*日経 記事より、図も)
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