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「中国の責任ばかり追及する新しい『8カ国連合軍』による包囲網の本当の目的は何か」「中国に賠償を要求する動きには巨大な陰謀が潜んでいるに違いない」。世界が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に苦しむ中、中国では120年前の歴史上の出来事が話題をさらっている。8カ国連合軍とは1900年、排外主義を掲げた「義和団の乱」の最中、包囲された北京の公使館地区の解放を目的に清国に攻め入った列強の軍隊の総称である。8カ国は英国、米国、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、日本、オーストリア・ハンガリー帝国だった。翌年の北京議定書で清国政府はこの8カ国に加えて、関係するベルギー、オランダ、スペインなどにも賠償金を支払うことになる。銀4億5000万両という賠償額は当時の清の年間予算の数倍。結局、39年間の分割払いとなり、清朝滅亡後も中華民国に引き継がれた。利子を含めて2倍近くに膨らんだ賠償金は、後世の国民にまで記憶される深い恨みを残した。北京議定書の交渉で清国側の全権は、西太后の意を受けた李鴻章らだった。(以下小見出しと文末)
■8カ国は全てコロナまん延国という因縁
■イタリア以外は中国離れ
■死者の8割以上が欧米という惨状
未曽有の被害が出た以上、湖北省武漢での初動の遅れと情報の隠蔽があった中国に厳しい視線を向ける社会心理は当然だろう。120年前の8カ国連合軍という屈辱の記憶を今なお維持する中国なら、渦中にいる「被害者」の感じ方が理解できるはずだ。世界第2位の経済大国である中国はすでに他国から恐れられるほど十分強い。単に過去の8カ国連合軍の幻影におびえ、他国を非難し、対抗措置をとるだけなら、中国自身が損をしてしまう。世界が納得する「開かれた中国」へ。ここは想像力を働かせて次の大胆な一手を考える時だろう。(敬称略)(*日経 記事より)写真:「義和団の乱」の際、欧米人や信者が籠城した北京のカトリック教会「北堂」の建設には康熙帝と感染症を巡る秘話が(同記事より)
その他ニュース(05/13_朝) | ||||||||