丙丁童子のブログ 

◎まだ、だれもいっていない、そんなこと、あんなこと。(童子)

丙丁童子の為替週報(10/19-10/23)  10/17記入

2020-10-17 19:33:49 | 2017年3月~2021年7月
  2020/10/19 から   2020/10/23         記入日 2020/10/17
1.来週の見通し
  ドル/円   104.50 106.50  

大統領選挙までに米政治状況に大きな変化は期待し難く、米追加経済策や最高裁後任判事の上院承認 あるいは大統領選挙(第三回TV討論会)に関心・注目は集まろうが、大統領・上下両院選挙が終わるまでは大きな動きは期待しにくいのではなかろうか。基本的に来週も膠着相場の展開で、国債増発でじわじわ上昇する米金利に支えられ、じわじわとドル堅調、を予想する。コロナ禍進展・ワクチン期待・米政治(後任判事承認での共和党上院議員の反対表明・反対票が50超の見込み)等のニュースに反応することはあっても、基本は膠着相場の展開となるのではないか。ただ、ポンド・ユーロ相場の一時的な乱高下が 円相場にも波及する可能性には要注意か。      

  ユーロ/円   122.00 125.50  

いま英国=EUで最大の懸案事項は「北アイルランド」の扱いである、離脱合意時の「北アイルランド議定書」では北アイルランドとアイルランド間の国境を越えた自由な貿易が認められるが、EUは北アイルランドと英国本土間を通過する物品に関しては検問が必要になる場合があるとしている。しかし、ジョンソン首相はそうした物品に対する輸出申告や関税の義務付けを排除しようとして「国内市場法案」を英議会で成立させた。英国内の北アイルランドを通じれば、EUとは域内の特典が享受できてしまう。これをEU側は国際法違反と反発しているのである。これが北アイルランド問題を複雑化させ、かってのIRAの武装闘争を再現させるような処置となるのかジョンソン首相が言うような平和形成のための処置なのかはわからないが、EUからの離脱といいながら北アイルランドを経由すればEU域内の恩典を享受できるというご都合主義であることは確かだろう。ただ英国内の移動であり、EUが関税を強制できるのか むしろ北アイルランドーアイルランド間で通関手続きをとる等のEUからも議定書を破棄する対抗策もあり得るのではないか、北アイルランドの英国からの分離独立やアイルランド統一の動きとも重なり、非常にややこしい問題ではある。英国もEUもなかなか譲歩しにくい問題で年末ぎりぎりまで英国内・北アイルランド分離問題の進展も絡めて事態の進展を見守る必要がある。一時的にポンド売りユーロ売りの展開はありえようが問題解決が現在できないのは明確で事態の進展を見守る必要があるのではないか。一時的な円高はありうるものの 基本は膠着相場継続とみたい。 

   

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2.先週の動き

先週の材料としては、米追加経済策協議の行方、後任最高裁判事の承認に向けた米上院公聴会、第二回TV討論会中止といった大統領選挙への米政治動向と、特に欧州、米中西部でのコロナ禍再拡大、最終検証段階にあるコロナワクチン・治験薬をめぐる治験中断や承認をめぐる動きといったところか。米政治動向の中で筆者が最も注視しているのは、後任最高裁判事の承認である。今までのところパトリック判事個人に大きな問題は見つかっておらず、確かに保守信条を確信していることはうかがえるものの、法律家としての良心に従い判断すると、民主党議員の意地悪い質問の罠にはまることもなく無難な受け答えをした。民主党議員は全員反対で、大統領選挙前に承認することに対し、上院議会選挙で当落上にある共和党上院議員の何人が反対に回るかがキーとされる。共和党が強硬すれば、民主党の反発は必至で、共和党上院は、今後長年にわたり米最高裁が保守派の牙城となる代わりに選挙敗北を覚悟してまで保守派の利益を優先するのか「ガッツ石松の顔か頭か:究極の選択」が迫られているともいえよう。判事承認を強行すれば、11月選挙で民主党の安定多数(下院だけでなく上院でも多数)・大統領選ではバイデン有利、ただ、司法は今後長期にわたり保守派の牙城。となる可能性が高まる。ただ、前回大統領選挙でも終盤でのドンデン返しの原因となった「かくれトランプ支持者」の存在で ただでさえ「みずもの」の選挙の行方は世論調査では判別はつけがたい。後任最高裁判事承認でまずは上院共和党がどう出るかに注目だろう。案の定 歩み寄り姿勢を報道陣にみせつつも、民主党知事の諸州にのみ連邦支援とか、決して妥協できない主張を続けて、合意する意思のないことを明確にしている民主党で、バイデンが負けるとは思っていないこのタイミングで期待はもたせつつも、決して合意は成立しないだろう。米経済指標もまだら模様で、必ずしも3月時点のような危機にあるわけではないが、コロナ禍拡大とワクチン・治験薬開発進行の案配にくわえ、国債増発による米金利下げ渋りとその金利水準にもそろそろ市場は反応しだすのではないか。ということで、一方向に決めた動きは取りづらく膠着相場の展開の先週であったが来週も同じような地合いがつづくのではないか。また、10/16EU離脱に伴うFTA交渉が行き詰まる中EU側は別に新提案を出したわけでもなく、英首相も失望を表明し移行期間経過後の「合意なき離脱」に備えよと表明はしたものの交渉打ち切りとはしなかった。これを交渉継続と見るか、実質の決裂と見るのか、来週のポンド・ユーロ相場への市場の反応には注意が必要。円は週中高値105.04 安値105.66 引けは105.38 ユーロ円は円高値123.02 円安値124.82 引けは123.47 ダウは高値28957 安値28181 引けは28606、 日経平均は高値23667 安値23382 引けは23410 であった。           

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    三菱UFJ銀行 Daily Market Report  as of201009~201015 (本邦祝日は休刊)
    週報参考資料( 円 ユーロ 日経平均 NYダウ チャート等):日曜に追加


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