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高橋尚子 東京女子国際マラソン優勝に思う

2005-11-23 23:51:19 | スポーツ
21日、東京女子国際マラソンをテレビ観戦した。
今大会の注目はなんといっても高橋尚子がどんな走りを見せるか、の一点にあった。
結果、高橋は例年と比較してもさほど悪くない記録で優勝した。

だが、このレース前の高橋本人の発言は腑に落ちない、というか気に入らない。
レース前の18日のこと。
公式記者会見に臨み、その席上で右足のふくらはぎを中心に3カ所の故障があり、このまま放置すれば「肉離れ」になる可能性がある「筋膜炎」と診断されたことを公表。
しかしレースには出場するという。
ここで疑問なのは、何故「筋膜炎」であることを敢えて言う必要があったのかという点である。
これは負けたときのために伏線として用意されたものではないか。
しかも高橋は会見で「肉離れ」という言葉を使っている。
コメント全体の報道を僕自身が入手できなかったため多少曖昧さを含んでしまうことに問題はあるが、診断の内容を正確に伝える責任が高橋サイドにはある。
本来、出場も危ぶまれるような危機的状態であれば、診断した医師が報告するかあるいは診断書を元にマスコミに報告すべき事態である。
会見でのコメントは、極めて軽度だが情報操作の性格を帯びている。
ちなみに高橋が診断されたのは、「筋膜炎」のレベル1で、これは最も程度が軽い状態。レベルは1~3まであり、さらに症状が悪化すると「肉離れ」となる。

何故高橋は負けたときの伏線を張る必要があったのだろう?
彼女のチームは報道によれば年間の運営維持費が約2億円である。
また、今回はレースに優勝すれば1億円のボーナスが用意されていた。
彼女はプロのランナーであり商品としての価値が下がればスポンサーは離れることになり、別の意味で選手生命の危機的環境にいた。
その意味から高橋には優勝しなければならない事情が他のアマチュア選手、実業団の選手とは異なる。
レースへの出場を決めているにもかかわらず故障会見を行ったことを負けたときの伏線と考える理由はここにある。
高橋自身がプロアスリートとして存続するためにスポンサーの注目を得る手段として開いた会見だったように思えてならないからである。

僕の思うスポーツマンシップの尺度からすれば、出場が決まっている前提の中では今回の会見は開くべきではない。

何はともあれ高橋は優勝した。
現在世界の中で最も高レベルである日本の女子マラソン界に、彼女の鮮烈な復帰は一石を投じたのだろうか?
答えは国内有力選手と同じレースに出場したときに初めてわかる。


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