なつぞら #39

　なつはおじいちゃんに前言撤回、謝罪しますが、泰樹は許しません。天陽の所へ行けば行ったで、
「なぜウソをつく」
　と叱られて、自分でも出来ると思ってなかったと言い訳するハメに。

「東京へ行きたいが、出来るかどうかわかんない」とグレるなつに、天陽は、「そんな奴、何もできねーよ！　行かん方がマシだ」と怒ります。天陽は自分の思いを封印したままでいるのでした。

　一方、彫刻家の阿川さんちへおじゃました富士子と照男。砂良と照男の間に、なにやら愛が芽生えてくるようなのも知らず、富士子はなつが一晩中ここで絵を描いていたと知りました。

「なつがそんなに絵画好きだなんて知らなかった」
　と富士子さんはつぶやきます。そして富士子は、帰宅してなつのノートを隠れて見てしまい、絵がいっぱい描かれているのを見て、思うことがあるのでした。

　そうしている間に天陽くんは、こんな説教を垂れます。
「なっちゃん。もともと人間の生き方に、いいも悪いもないんだ。それは、人間がこしらえた観念に過ぎないのさ。自然の中で生きるもんは、そんなこと思わんべ。なっちゃんも自然になればいいだけのことだよ。自分がどう行きたいのか、どうしたりいのか、自然な気持ちに従えばいいだけだろ、何も悩むことはない」

　 また、応援する山田家の人々の代表として、こうもいいました。

「出来るかどうか判らなくとも、泰樹さんは、たった一人で海を渡って、北海道へ来たんだべさ。泰樹さんは、なっちゃんにとって見本だべさ。誇りだべ。したら、なっちゃんは「どうするべきか、自然と判るだろ」
　応援しすぎと反発するなつは、天陽の家から飛び出していきました。