◆12月号◆人を動かすパフォーマンス
「パフォーマンス学」という言葉をご存知ですか。
かつてハーベスト・タイムにゲスト出演してくださったことのある佐藤綾子先生は、日本における「パフォーマンス学」の先駆者であり、開拓者です。その佐藤先生のお招きで、10月2日(土)に、社団法人パフォーマンス教育協会主催の『第22回コンベンション』に参加してきました。
実に興味深い体験をする一日となりました。
私が見せていただいたのは、ワークショップです。総合テーマが「人を動かすパフォーマンス」となっており、七人の講師がそれぞれの部屋で、それぞれのテーマで、ワークショップを開いておられました。その一部をご紹介します。
「人を動かす表情」樋田慶子(女優・メディアワークショップ常任講師)
「美しく輝く身体表現―体のパフォーマンス」工藤守利(工藤ロイヤルクラッシクバレエ・ディレクター)
「人の心を動かす電話対応」中家八千代(相模女子大講師)
「ゲームで学ぶ役割理解」大島武(東京工芸大学助教授)
「人を動かす表情」の講師となられた女優の樋田慶子さんは、俳優座養成所の五期生で、その後新派に入り、花柳章太郎に師事したとのこと。新派と言えば、初代水谷八重子くらいしか知らない私にとっては、人生の大先輩です。個人的には、樋田さんのワークショップを非常にエンジョイしました。喜怒哀楽の表情を受講者たちに演じさせるのですが、何を教えたと言うよりも、受講者たちへの「愛の眼差し」がなんとも言えず心地良いのです。また、合間合間に入ってくる人生訓が、押し付けがましくなくて、軽妙な味があり、熟成したワインかチーズのような味わいでした。講師として人の前に立つことの多い私にとっては、教えられることの多いワークショップでした。
午後一杯ワークショップを楽しんだ後、いよいよ今回の取材のクライマックスがやってきました。本年度のベストパフォーマー賞の贈呈式と記念講演がそれです。
今年は、聖路加国際病院名誉院長・同理事の日野原重明先生が、ベストパフォーマーに選ばれました。現役医師であり、ベストセラーの著作家でもある日野原先生を一目見ようと、ほとんどの参加者が贈呈式まで残っていました。
観客が注目する中、日野原先生はかくしゃくとして舞台に立たれました。それからの数十分間、観客の目は舞台に釘付けになりました。講演では、心に残る言葉がいくつも出てきました。その中には、次のようなものがありました。
「医療行為とは、科学的知識に基づいた芸術である」
本当にその通りです。このような認識を持つ医師がたくさん出てくれば、日本の病院も大きく変わることでしょう。
「僕は自分が担当する患者さんには、家の電話番号を教えている。困ったことがあれば、いつでも電話してきなさいと言ってある。もし夜中に電話があれば、床から身を起こして、電話を取る。横になっている時と、起きている時とでは、声の出る位置が違うからだ。そして、低い声でぼそぼそと返事をするのではなく、少し高めの声で元気よく『ハイ、もしもし』と返す。相手は不安な状態で電話をかけてきている。少しでもその不安を取り除ければと思う。
もし相手が、『夜分遅くにすみません』と言ったなら、『いいえ、今起きて原稿を書いていたところです』と答えることにしている。これもまた、相手への配慮である」
最後に日野原先生は、「僕はあさって、93回目の誕生日を迎える」と言われました。本当に驚嘆すべき人物です。
非常に感銘深い講演でした。元気よく数段の階段を下りていく日野原先生の背を、波のようにうねる大きな拍手の音が追いかけました。クリスチャン医師でもある日野原先生の生き方から、多くの人が励ましと生きる力とを受けています。それは先生が、愛、希望、信仰など目に見えない真理を、目に見える形にして表現しておられるからだと思います。まさに、「ベストパフォーマー賞」にふさわしい姿がそこにあります。
今年もクリスマスの時期がやってきました。人類の歴史における「ベストパフォーマー」は、間違いなくイエス・キリストです。この方は、人の目には見えない、また人が近づくことも許されていない栄光に満ちた神の姿を、人間の目に見える形で表わしてくださいました。
「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである」(ヨハネの福音書1・18)
世界中の人々がキリストの誕生を祝うのは、キリストが私たちの罪を赦し、復活の希望、また永遠の命をもたらしてくださったからです。
キリストは、「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイの福音書11・28)と語っておられます。
今年のクリスマス、教会を訪問してみませんか。そこには、あなたを歓迎してくれる牧師や教会員の方々がいるはずです。そして何よりも、天の父なる神様があなたの「帰宅」を喜んでくださいます。
メリー・クリスマス!
「パフォーマンス学」という言葉をご存知ですか。
かつてハーベスト・タイムにゲスト出演してくださったことのある佐藤綾子先生は、日本における「パフォーマンス学」の先駆者であり、開拓者です。その佐藤先生のお招きで、10月2日(土)に、社団法人パフォーマンス教育協会主催の『第22回コンベンション』に参加してきました。
実に興味深い体験をする一日となりました。
私が見せていただいたのは、ワークショップです。総合テーマが「人を動かすパフォーマンス」となっており、七人の講師がそれぞれの部屋で、それぞれのテーマで、ワークショップを開いておられました。その一部をご紹介します。
「人を動かす表情」樋田慶子(女優・メディアワークショップ常任講師)
「美しく輝く身体表現―体のパフォーマンス」工藤守利(工藤ロイヤルクラッシクバレエ・ディレクター)
「人の心を動かす電話対応」中家八千代(相模女子大講師)
「ゲームで学ぶ役割理解」大島武(東京工芸大学助教授)
「人を動かす表情」の講師となられた女優の樋田慶子さんは、俳優座養成所の五期生で、その後新派に入り、花柳章太郎に師事したとのこと。新派と言えば、初代水谷八重子くらいしか知らない私にとっては、人生の大先輩です。個人的には、樋田さんのワークショップを非常にエンジョイしました。喜怒哀楽の表情を受講者たちに演じさせるのですが、何を教えたと言うよりも、受講者たちへの「愛の眼差し」がなんとも言えず心地良いのです。また、合間合間に入ってくる人生訓が、押し付けがましくなくて、軽妙な味があり、熟成したワインかチーズのような味わいでした。講師として人の前に立つことの多い私にとっては、教えられることの多いワークショップでした。
午後一杯ワークショップを楽しんだ後、いよいよ今回の取材のクライマックスがやってきました。本年度のベストパフォーマー賞の贈呈式と記念講演がそれです。
今年は、聖路加国際病院名誉院長・同理事の日野原重明先生が、ベストパフォーマーに選ばれました。現役医師であり、ベストセラーの著作家でもある日野原先生を一目見ようと、ほとんどの参加者が贈呈式まで残っていました。
観客が注目する中、日野原先生はかくしゃくとして舞台に立たれました。それからの数十分間、観客の目は舞台に釘付けになりました。講演では、心に残る言葉がいくつも出てきました。その中には、次のようなものがありました。
「医療行為とは、科学的知識に基づいた芸術である」
本当にその通りです。このような認識を持つ医師がたくさん出てくれば、日本の病院も大きく変わることでしょう。
「僕は自分が担当する患者さんには、家の電話番号を教えている。困ったことがあれば、いつでも電話してきなさいと言ってある。もし夜中に電話があれば、床から身を起こして、電話を取る。横になっている時と、起きている時とでは、声の出る位置が違うからだ。そして、低い声でぼそぼそと返事をするのではなく、少し高めの声で元気よく『ハイ、もしもし』と返す。相手は不安な状態で電話をかけてきている。少しでもその不安を取り除ければと思う。
もし相手が、『夜分遅くにすみません』と言ったなら、『いいえ、今起きて原稿を書いていたところです』と答えることにしている。これもまた、相手への配慮である」
最後に日野原先生は、「僕はあさって、93回目の誕生日を迎える」と言われました。本当に驚嘆すべき人物です。
非常に感銘深い講演でした。元気よく数段の階段を下りていく日野原先生の背を、波のようにうねる大きな拍手の音が追いかけました。クリスチャン医師でもある日野原先生の生き方から、多くの人が励ましと生きる力とを受けています。それは先生が、愛、希望、信仰など目に見えない真理を、目に見える形にして表現しておられるからだと思います。まさに、「ベストパフォーマー賞」にふさわしい姿がそこにあります。
今年もクリスマスの時期がやってきました。人類の歴史における「ベストパフォーマー」は、間違いなくイエス・キリストです。この方は、人の目には見えない、また人が近づくことも許されていない栄光に満ちた神の姿を、人間の目に見える形で表わしてくださいました。
「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである」(ヨハネの福音書1・18)
世界中の人々がキリストの誕生を祝うのは、キリストが私たちの罪を赦し、復活の希望、また永遠の命をもたらしてくださったからです。
キリストは、「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイの福音書11・28)と語っておられます。
今年のクリスマス、教会を訪問してみませんか。そこには、あなたを歓迎してくれる牧師や教会員の方々がいるはずです。そして何よりも、天の父なる神様があなたの「帰宅」を喜んでくださいます。
メリー・クリスマス!