ハーベスト・タイム『収穫の時』

毎月発行の月刊紙『収穫のとき』掲載の聖書のお話など。

虚しさからの脱出

2004-12-18 | 番組ゲストのお話
◆12月号◆京都府在住 トニー・バレラ、佳代子ご夫妻 (10月4週放映)

神様を無視していた人生

 私は、1982年、21歳の時、アメリカのニューヨークから関西外大の交換留学生として日本に来ました。日本の文化や価値観をもっとよく理解するために、少林寺拳法クラブに入ることにしました。
 少林寺拳法の魅力は、(1)肉体の修行、(2)「自己確立」と言って、自分の努力の積み重ねで人徳を高め、より良い人間になるという哲学です。30歳になるまでに黒帯の四段になり、京都で指導者になっていました。大会や指導者講習会に参加し、新聞やテレビにも取り上げられました。使命感と情熱を持っていたので、少林寺拳法が生活の中心でした。


虚しさの中で出会った御言葉

 結婚、長男誕生、仕事の昇進、全て順調に進んでいるように見えましたが、なぜか満たされない思いで一杯でした。 ちょうどこの頃、クリスチャンが何人か私の部下として働いていました。他の部下と違ってクリスチャンの部下は、問題に対して大変落ち着いて対処していました。心の中の恐怖心や弱さを見せまいと強そうにふるまっている自分と対照的に、弱そうに見えてなぜか落ち着いているクリスチャンの秘訣を知ろうと、その中の一人から聖書を借りました。
 キリスト教にも、クリスチャンになることにも、イエス・キリストにも全く興味はなかったので、新約聖書よりも旧約聖書を読もうと思い、「伝道者の書」を見つけました。著者のソロモン王は実在していた人物であり、世の男が欲しい物、富、女、知恵、成功、尊敬、全てを持っていたので、その王様の知恵を知りたく思いました。

「空の空。伝道者は言う。
  空の空。全ては空」(伝道者の書1・2)


 「全くその通り!」と思いました。更に、「知恵」、「富」、「快楽」も無意味であると書いてありました。では全てが無意味なら、人生の目的は何なのかと思いました。
 最後の12章、「神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。神は、善であれ悪であれ、すべての隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからだ」(12・13、14)を読んだ瞬間、その時までの重荷がなくなりました。なぜなら、その時まで私は、問題の原因にではなく、症状に注目していたからです。その問題がなくなったわけではありませんが、物の見方が確かに変わりました。「神を恐れよ」とあります。私は、神を無視してきました。「神の命令を守れ」とあります。私は、創造主なる神に対して、侮辱し無礼を働くような生き方をしてきました。


罪の悔い改めと救い

 旧約聖書の他の部分を読んでいくと、何度も「裁き」という言葉が出てきました。今までのひどい(罪深い)生き方に対して裁きが下されるのは、納得がいきました。なぜならこの世界では、良い事には報酬、悪い事には罰があるからです。

 その頃、近い親戚の者と電話で自分自身に下る裁きについて話をした時、「あなたの気持ちはとてもよく分かるけど、その裁きの代価はもうイエス・キリストの十字架によって支払われました。新約聖書のヨハネの福音書を読みなさい」と言われました。ヨハネの福音書には、イエス・キリストは神と人間の関係を正しくするために、人間の代わりに罪の代価を払うために、この世に来られたことが書いてありました。それを読んだ時、罪を悔い改めなければならないことと、イエス様を救い主として受け入れることが分かりました。私は罪を悔い改め、イエス・キリストを自分の救い主としました。変化が起こったのは、それからでした。


虚しさからの脱出と変化

1.少林寺拳法をやめました。少林寺拳法は「宗門の行」と言われている通り、宗教ですから、修行は出来なくなりました。
2.結婚生活が変わりました。以前の優先順位は(1)自分、(2)少林寺拳法、(3)仕事、(4)家族だったのが、(1)神様、(2)家族、(3)仕事になりました。妻に変わることを要求できないので、自分が変わり、良い夫良い父親になりたいと思いました。今では、イエス様の次に妻は一番の親友です。
 少林寺拳法は日本の企業で働くという門戸を開いてくれましたが、クリスチャンの信仰と教えが成功への土台になっています。成功は目的地ではなく、旅の道程です。イエス様と一緒に行くのは安全で良い旅です。
 ビジネスの世界での失敗の原因は、ある問題について無知であったか、又は、その問題を無視していたか、のどちらかです。人生に失敗しないために、イエス様について無知だったり、無視するのでなく、事実と真理を調査した上で、決めるべきだと思います。


佳代子の証

 1992年に主人がクリスチャンになってから、変化が起こりました。
 礼拝のメッセージの同時通訳をする主人を助けるため、私がその準備としてメッセージの英訳をして、聖書の教えを少しずつ理解しました。ある時、イエス様が歴史上の人物であることがわかりました。2000年に長男のケントが洗礼を受けてクリスチャンになりました。その翌年、私も洗礼を受けました。