新しいサンダルを履いて仕事に行ったら、
帰り道、靴ずれしてしまったらしく、
駅までの急な坂道が、
痛くてどうにも歩けない。
コンビニで絆創膏を買い、
近くの公園のベンチに座った。
サンダルを脱ぐと、
足の指の皮が見事にまあるく剥がれていて、
血がにじんでいる。
傷の上に絆創膏を貼ったら、
なんとか歩けそうだ。
やれやれ・・と思いながら
ふと顔を上げると、
まわりには、しろつめくさがたくさん咲いている。
四つ葉を探すほどの元気はなかったけれど、
しばらく、白い花たちにかこまれて、
ひとりでぼーっと座っていた。
海からの、夕方の風に吹かれて。
もうお姫様にはなれぬ我のため白詰草の冠を編む