映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

4369-小さな夏祭り

2024年07月26日 | 30秒の心象風景

 道分稲荷夏祭りは、福崎の駅前で開催される小さな夏祭りで、地域活性化の活動の一つでしょう。なぜ、駅前でこのような祭りが行われるようになったのでしょうか。それは福崎町の歴史的な変遷の結果だといえます。福崎町の歴史を考える上で播但線の存在は大きいものです。江戸時代以前、豊かな農村地帯が経済の中心です。市川沿いに発展した集落は農業による収益力が村の経済力だといえます。かつては、市川東岸の地域が政治経済で有力でした。そこに、新たに鉄道敷設の時代が来たのですが、農業を基本とした政治経済的に有力な地域に鉄道を通すことは難しかったようで、狭い市川の西岸を通ることになったようです。ここで経済の逆転が起こりました。小さい福崎村が、江戸時代以前から有力な辻川村を飲み込んで福崎町になったのです。何もなかった福崎の駅前には銀行もでき、いっきに栄える時代が来たのです。新たに開かれた土地である駅前地域には鉄道を中心とした近代産業が展開していったのです。そのため、農業を基礎とする江戸時代以来の有力な神社はありません。その後、高速道路ができる時代になると寂れていた市川東岸にインターチェンジができたのです。すると今度は東側が経済の中心に変わっていったのです。広い田園地帯が商業地域になって行きました。そして、福崎駅前はローカルで静かな町になりましたが、ここで、駅前の再開発が行われ鉄道の近代化が進みました。小さな夏祭りはその歴史によって生まれたのでしょう。小さな社を中心に路地で行われる祭りです。

30秒の心象風景28325・小さな社殿に~道分稲荷祭り~
https://youtu.be/ATzvE58Nxd8


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