播磨地域で集落毎にある鎮守様とでもいうべき神社には必ず石造の狛犬があります。その多くが江戸時代の終わり頃から明治、大正、昭和時代に造立されたものですが、平成や令和の新しいものまで、つぎつぎ造立されています。そのなかで個性的で魅力的な造形の狛犬が見られるのは江戸時代のものです。明治時代に入ると同じ工房で大量生産されたと感じるものが増えてきます。また石材にも善し悪しがあるようで、新しい年代のものなのに風化が進み崩落しているものがあるのです。それに比べると数は少ないものの江戸時代に造立されたものには、魅力的で風化に耐えたものが多いと感じます。寛政八年と刻まれた岩戸神社の狛犬もその一つです。石材は硬そうで加工するには技量を要すると感じられるのですが、鬣(たてがみ)から尾の造形まで丁寧な造作を見ることができます。
30秒の心象風景28369・石造狛犬~岩戸神社~
https://youtu.be/slD_TaBm25k