北斎の富嶽三十六景の映像化を始めて3作目まで来て気づいたことがあります。江戸日本橋、江都駿河町、東都駿台とタイトル表記で示される地名は、なぜか江戸、江都、東都と変えられています。何かへのこだわりでしょうか。次々と異名を使っています。いずれも富士山を眺めることができる場所として有名だったところです。そして、絵の構図です。近景から奥に独特の遠近法で構成されて、富士山に目が向くようにされていることです。そのとき、近景には多様な人々が描かれます。一番印象深いのが屋根で働く瓦職人でしょう。これまでの3作品だけでも、武家や商人、職人から旅人まで、色んな身分の人々が登場しています。北斎は人を描きたかったのではと思わせます。風景の一部であることを越えた存在になっていると感じるのです。
30秒の心象風景28180・東都駿䑓~北斎の富嶽三十六景~
https://youtu.be/xTxFlijmTtk