こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。
今日はお休みなので のんびりとブログ更新です。
それでは、今回紹介するのはこちらです。
革パッチが付いていて、バックポケットのステッチが無い!
まさか幻の「501大戦モデル!」
これ見たとき1人で興奮してました。
ちょっとこれは解説させて頂きます。
第二次大戦中(1940年代前半)
リーバイス社がアメリカ政府の戦時製品監督局(WPB)から規制されたジーンズで
ジーンズを作るのに物資の無駄だと考えられる部分を排除された
歴史を感じさせるモデルです。
品番がS501XX 頭文字にSが付きますが
Simplified(簡素化された)のSで 通常の501XXとは違うという
識別された物でした。
ちょっとディテールを紹介します。
バックポケットのアーキュエイトステッチ(通称カモメステッチ)が
糸の無駄だと考えられ、ペイントに変更された。
写真では解らないですが、現物見ると オレンジ色が薄っすら残っています。
黒線でそのラインの下をなぞっています。
コインポケットのリベットが有りません。
この部分を留めるリベットは物資の無駄だと思われたのでしょう。
バックポケット裏の隠しリベット
鉄製です。
(戦後モデルは銅製になったはずです)
当時は手打ちだったのでしょうか?
いびつな形になってます
↓
<2016/3/4 追加事項>
このブログを書いた時には知らなかったのですが
大戦モデルにはこのように ぷっくりと丸まった リベット裏が採用されています。
(手打ちとは関係ないと思います)
大戦後は裏がフラットなタイプに変更されますが、鉄製の銅メッキリベットだったようです。
(使い込むと、銅メッキが剥がれて鉄が出てきます)
革パッチが残っています。
この状態を良く「ビーフジャーキー」と呼びます。
今にも外れそうです、、、
フロントボタンはリーバイスの刻印入りでした。
ここも無地のボタンだったり、廉価な月桂樹柄だったりする物があります。
ボタン裏も手打ち感のある
いびつな形をしています。
↓
<2016/3/4 追加事項>
このブログを書いた時には知らなかったのですが
1940年代頃までは、このようにボタン裏もぷっくりと膨らんでいます。
(手打ちとは関係ないと思います)
1950年代に入ると、ボタン裏もフラットになるようです。
スレキも通常タイプでした。
ここも色々な素材が使われていたようで
ヘリンボーン地を使ったのが有名です。
「完璧な」大戦モデルになってないので
移行時期だった前期型という推測が出来ます。
生産ラインもいきなり全て変更出来なかったのでしょう。
ベルトループがこの時期 極太になるのも特徴
耐久性を上げる事も物資節約と考えられたのかな?
↓
<2016/3/4 追加事項>
このブログを書いた時には知らなかったのですが
こちらの画像をご覧ください。
これは大戦モデルになる前の501XX ビンテージ 1937モデルです。
シンチバック部分のリベットアップです。
刻印の C o の o が小さいです。
これが戦後になると、C O と O が大きくなります。
(最初は刻印が中央寄りです)
よってこの大戦モデルは前期型だと推測されます。
(ベルトループ画像のリベットをよーく見ると、C o 刻印が確認できました)
ちなみに大戦中期になると、リベットが無刻印の既製品に変更されます。
ボタンもドーナツ型で無刻印、月桂樹柄の入った当時の既製品ボタンに変更されています。
これが当時の物資削減を象徴した大戦モデルの完成形だと思います。
生地も肉厚です。(織り傷もビンテージの味ですね)
12.5オンスから 13.5オンスに変更されたという説があります。
これも耐久性UPが物資節約と考えられたのかな?
この色落ち感たまりませんねー
ムラのある縦落ちです。
セルビッチの折幅も太めです。
オリジナルのチェーンステッチの欠片が見えます。
退色して白くなってます。
リペアの事何にも書いてませんでした。
前ポケット口の破れとスレキのリペア(解体します)
裾のリペア(解体します)
後ポケットの擦れ穴のリペア(解体します)
ボタンホールのリペア(解体なし)
以上、次回は解体とリペア後の記事書きます。
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