昨年6月に公開され大ヒットした映画「海猿」が、7月スタートのフジテレビ系火曜9時枠でドラマ化される。
海上保安庁の潜水士の卵を演じた伊藤英明、共演の加藤あいをはじめ、映画版のスタッフを揃え、ドラマの常識を破る映像作りを目指す。
さらに映画第2弾の来春公開も決定、業界初の試みとなる映画→ドラマ→映画の大プロジェクトが動き出す。
映画「海猿」は、日本映画史上初めて海上保安庁が全面協力したが、今月6日にクランクインしたドラマ版も横浜海上保安部の協力を受け、制服をはじめ、同施設内外や巡視船「のじま」「しきね」などを借りて撮影している。
これだけでもドラマの常識を超えているが、映画からドラマへ、そして映画へと媒体をまたぐ“3部作”構成のプロジェクトだけに、制作スタイルは特別。
フジテレビによると、ドラマは水中シーンを含め全編ハイビジョン撮影。
演出は映画の羽住英一郎監督、脚本も福田靖氏が手がけ、3部作の一体感を出す。
また、映画の撮影所で撮影し美術をスケールアップ。
さらに回想シーンなどを中心に映画の映像がドラマへ、ドラマの映像が次の映画に使われるという。
ドラマは、厳しい訓練に明け暮れる新人保安官・仙崎大輔(伊藤英明)が潜水士になるまでを描いた映画の続きからスタート。
ダイビングのマスター資格(アマチュア最高ランク)を持ち、映画では吹き替えなしで見事な潜水シーンを見せた伊藤は「常に視聴者がわくわくしたり感動したりできるよう集中力を保っていきたい」と抱負を語り「水中の撮影は体力も使うし、簡単なシーンでも常に危険が伴うので事故やけがに気をつけたい」と気を引き締め現場に臨んでいる。
米中枢同時テロに触発され、人命救助にスポットをあてた「海猿」を製作し、全作をプロデュースする同局映画制作部の臼井裕詞氏は「映画製作の段階から、すばらしい原作の中には表現したいテーマが多く1作品では絶対に終われないと思っていた」という。
「人が人の命を守るというテーマを通し、人間の持つ弱さ、強さ、そのすばらしさを伝えたい」と力を込めた。
(サンケイスポーツ 記事参考)