自選10句

天気　晴

気の急くこの時期に、呑気なことばかりしています。

今年の結社誌の1月号～12月号までの、主宰の選を得た句から、自選など試みた。主宰の選んだ句なので「拙句」などとは言わないことにした。
拙い句を主宰が選ぶ訳はない、と思っているので。

写真の句は、私がとても気に入っている句。縁ある福島へ墓参りがてら行き、憧れの滝桜を見に行ったら、今年に限ってもう見頃を過ぎていた。でも、それもまた老いた桜の木には一日という大切な生きた日なのだ。自分の生きた日々の何と短いこと。

掲載されるのは3ヶ月遅れなので（11月投句→1月掲載）11月から始まります。


漱石のこころそれから冬に入る

猫の目の光る寒柝過ぎし町　　

五十年暮らしてふたり畳替

滝桜その千年のひと日かな

うぐひすや夫の祖母なる人の墓

武蔵野の青葉を誇る大欅

前頭葉まで梅雨湿りしてゐたり　

翅たたむ夏蝶水をわたり来て

かき氷崩す平和を崩すごと

心臓の鼓動闇夜の鉦叩

うろこ雲病むたび人の強くなり
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　以上　KUMI作

クリスマス

天気　晴

クリスマス、といっても全く関係のない暮らし。
買い物に出たら、本屋からスーパーへ行く通路にクリスマスツリーが3本飾ってあった。通り過ぎようとして見たら、飾りがとても幼い。近所の保育園児の作った折り紙が吊るされてあったのだ。一生懸命に折ったらしいあとが見えて微笑ましい。

何を、というでもなく不足するものを買っての帰路、舗道で私と同年輩のオバアサンに追い抜かれた。若い人に抜かれるのは仕方のないこと。こちらは荷物を持っているといっても、同年配やそれ以上の人に抜かれるのはちょっと悔しい。でも・・めえちゃんの世話になってから、足も器械に動かされているので、なかなか速度が上がらないのだ。
抜いた方は、ほんとに健康そうな足の運び。元気なのねえ、と思って彼女の足元を見たら、靴のかかとの上に白いものが貼ってある。なんとなく眺めたら・・大きく23.5、と書いてあった。
ウフフ、買ったばかりの靴のサイズの紙を剥がし忘れ。
洒落たコートにお帽子・・駅を降りたばかりのようだから、あの靴で随分歩いたことでしょう。知らない方なので、楽しませていただきました。

折り紙のサンタの揺れるツリーかな　　KUMI

デジブック 『振り返る2015年』

天気　晴

妙に暖かい日になってしまった。
今日から少しは年末らしいことをしよう・・と思いながら、結局、「年用意」は何も出来ず。
午後、日光浴もしておかなくては、と、郵便局に年賀状を出してからちょっと市の公園へ行ってみる。楓の紅葉が残っているかと思ったらすっかり散っていた。やっぱり冬になった。

すごそこを電車の通る冬菜畑　　KUMI


帰路、そうだ、今日はデジブックを作ってしまおう、と思った。
2011年、震災の年に作り始めてもう5年目になってしまった。時々、あの年はどこへ行ったっけ・・と思うと覗いてみたりする。写真ファイルは月ごとに整理してあるので、そこから拾うのは大変ではあるけれど、私はあまり枚数は撮らない方なので、2時間もあれば出来てしまうだろう。
俳句と同じで、気に入らない写真はどんどん削除してしまうからだろう。

ということで作ったデジブック、写真はたいしたことはないけれど、私には貴重な記録。
携帯電話でご覧の方には表示されないと思います、悪しからず。

デジブック 『振り返る2015年』

納め句会と忘年会

天気　曇のち時々雨

毎月欠かさず参加することにしている、私の俳句の中心になる句会の今年最後の句会。今日は席題句を中心で、3時間半の間に2回の句会となった。席題は大の苦手。
でも、運よく、1回目の席題に「鮟鱇」が出た。昨夜食べたばかり。何とかなりそう・・と思ってみたが、鍋の句は、鮟鱇だろうが寄せ鍋だろうが同じになってしまう。諦めかけたら、昔よく見た魚屋の店先を思い出した。鮟鱇の「吊るし切り」

鮟鱇の叫ぶ口して吊られけり　　KUMI

年の功、だ。思い出した場面で人気の句になれた。どこかに似たような発想はあるかもしれないけれど。
「叫ぶ」は「さけぶ」と作ったつもりが、「おらぶ」と読んだ方が良いかも、と教えられた。ありがたいこと。

終ってから、今流行りのちょっと洒落た居酒屋で忘年会。
狭い店でちょっと窮屈だったものの、膝突き合わせて飲んで食べてしゃべって、楽しい時間を過ごせた。土曜日の失敗もあるので、お酒はウィスキーを2杯いただいて、気分良く終わることが出来た。

これで今年の句会はすべてお終い。
明日からは、それこそ「年用意」を考えなくては。

臘梅

天気　晴

府中郷土の森のロウバイ園が見ごろになっている、とネットでの情報。
去年は1月16日に行った。お正月明けに咲くはずの花がもう・・。やっぱりおかしい気候だ。
ということで、今日は内科の最終通院日なので、医院のすぐ近くの殿ヶ谷戸庭園へ寄ってみた。上の黄葉の写真が臘梅の木だ。花の香りがしてくるので良く見たら、やっぱり咲いていた。この木、いつも葉っぱが落ちないうちに花が咲くけれど、年末に咲いたという記憶はない。
帰路に買い物予定があったのでカメラは持たず、スマホでは花に近づけないので、何だか黄葉の木の写真になってしまった。

紅葉のすっかり終わった園内、雪吊と菰巻の木が目立つばかりだ。


滝の上にある池の金魚と鯉、私が近寄ったら、口を開けてたくさん集まってきた。ごめん、何も上げられるものは持ってません。


医院は、明日明後日が休みなので結構待たされた。
帰路、奮発してアンコウを買って、今年初めての鍋にした。暖かい日ばかりであまり鍋でも・・という気分になれなかったのだ。下仁田葱が美味しかった、やっぱり鍋なら下仁田葱・・と思うのも関東の人間だからだろう。
食べ終わってから思い出した。冬至なのに柚子は用意したものの南瓜を忘れていた。先週食べたから、ま、いいか。

沈めても柚子のまた浮く冬至風呂　　KUMI