美杉の小さな庭でおきていること ~カフェ葉流乃音のつれづれ~

 町ナカ(大阪府堺市)から
 山ナカ(三重県津市美杉町)に移住した店主夫婦が
 日々のアレコレを写真とともに綴ります

「兵士ピースフル」

2019年01月26日 | 本を紹介


去年の秋ごろからでしょうか、
はるのん2号と一緒に、せっせと図書館に通うようになりました。

僕は、小さい頃から本が好きで、暇があったら本ばかり読んでたんですけど、
葉流乃音を始めてからは、暇はあるけどお金がないし、
近くにぶらっと立ち寄る本屋もないので、
ちょっと読書からは遠ざかり気味になってたんですね。

でも、常連さんが「最近は図書館ばかり」と話されているのを聞いて、
「そうだ、行ってみよう!」ということになりました。
最近は2週間に一度の図書館通いをとても楽しみにしています。

2号は、いろいろな趣味系統の本を選んでいるようですが、
僕が借りるのは“児童文学”の本ばかり。
昔から「物語」が好きなんです。

児童文学といえば、「ハリー・ポッター」なんかが有名ですが、
児童文学には、売れてなくても、有名じゃなくても、
心に染み込んでくるような作品が、たくさんたくさんあるんですよ。

ただ読み飛ばしているのももったいないので、
出会った素敵な作品を、不定期で紹介していきたいと思います。

でも、僕はストーリーの紹介をするのがとても苦手。
感動した作品ほど、そのすべての描写が愛おしく、
要約なんてとてもできなくなってしまうからです。

そういうわけで、“印象”しか書いていない、
いい加減な本の紹介になりそうですが、
よろしかったらお付き合いください!


さてさて、記念すべき第1回の作品です。

『兵士ピースフル』 マイケル・モーパーゴ 評論社 2007年発行



モーパーゴは、1943年生まれのイギリスの作家で、
現代イギリスを代表する児童文学の作家です。
この作品がちょうど100冊目にあたるそうです(多作ですね)

舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ。
ベルギーに侵攻したドイツ軍に対抗するため、
ほんのはずみで兄と共に戦場に行くことに決めた16歳のイギリス人の少年が主人公。

物語は、主人公の少年を通じて語られるのですが、その描写のなんとリアルなこと。
人間の残酷さと温かさ、強さと弱さ、
自分ではどうしようもないことを引き受けながら生きてゆくことの絶望、
そして、あるのかないのかわからないほどの希望。
描写はどこまでもリアルなのに、作者のまなざしはどこまでも優しい。

心に迫る描写に、読み終わった後、しばらく言葉が出てきませんでした。
16歳という年齢で、これほどの命の重みを背負いながら、
この少年はこれからどんなふうに生きてゆくのだろう・・・
読み終えてからそんなことばかり考えています。

20世紀初頭、イギリスの農村で、貧しくとも健やかに生きる人々の姿や、
戦争に振り回され、命の重さと軽さに直面する人々の様子、
(第一次世界大戦でも、毒ガス兵器が使われてたんですよ)
それを知るだけでも一読する価値があります。

さらに、愛とは何か、生きるとは何か、
自分は自分の命と向き合えているのだろうかなんていう事まで考えさせてくれる!

いやぁ、児童文学って、ホントにいいですねぇ!
それじゃあ、またお会いしましょう。
サヨナラサヨナラサヨナラ。

                    はるのん1号


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (よっちん)
2019-01-26 11:25:32
子供の頃に本がボロボロになるまで
何度も何度も読んだのが
マーク・トウェインの
「トム・ソーヤーの冒険」
「ハックルベリーフィンの冒険」でした。

久々に読もうかな。

応援ぽち
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Unknown (guuchan)
2019-01-26 14:33:51
 わぁ~~
お久しぶりの(はるのん1号)さん♬

 実は私たち夫婦も、息子たちが児童文学を卒業した後も、私たちはまだまだ児童文学大好きでした。

 家族中ではまった児童文学は、ル・グウィンの
(ゲド戦記)でした。
翻訳された 清水真砂子さんの講演会にも行き、
家族で読み聞かせから始まり、何度も読んだ思い出のシリーズです。
 息子たちが読んだ児童文学は、4人の孫たちにばらまき(笑)ました。
返信する
よっちんさんへ (はるのん1号)
2019-01-26 21:05:01
いつもコメントありがとうございます!
僕も子どもの頃、「トム・ソーヤの冒険」と「ハックルベリー・フィンの冒険」を繰り返し読んでいました。
最近、おしゃれな店で、「そば粉のガレット」というメニューを見かけますが、なんと、「ハックルベリー・フィンの冒険」に出てくるんですよ。分厚い生地にリンゴジャムをはさんで食べてますけどね。
返信する
guuchanさんへ (はるのん1号)
2019-01-26 21:12:44
guuchanさん、お久しぶりです(笑)
僕もル・グウィンが大好きで、「ゲド戦記」は4、5回読んだと思います。昨年亡くなったと聞いたときはショックでした。88歳ですから、仕方ないんですけどね。
2000年代になって発行された≪西のはての年代記≫「ギフト」「ヴォイス」「パワー」も独特の世界観で描かれていて、おもしろいですよ。
返信する
Unknown (よっちん)
2019-01-27 13:53:31
この週末は冷え込みましたね。
大阪でも周囲の山は
雪が積もっていますよ。

昨日の宴会で飲み過ぎてしまい
今日は朝から死んでいます。

ああ、いい歳して恥ずかしいですわ。

応援ぽち
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Unknown (guuchan)
2019-01-28 12:55:23
わぁ~ 嬉しい!!
友達に(ゲド戦記)と言っても「戦争物は嫌い!」と言われる始末。
家族以外で、なかなか面白さを共有する人がなく・・・
 本は全巻そろえていましたが、
色が変わって汚くなり、泣く泣く数年前に処分しました。
 息子たちが集まると、(ゲド)の話は出るのですが、
私の記憶が薄れつつあり・・・(゜_゜>)
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Unknown (よっちん)
2019-01-28 21:26:00
週初めの出勤は気が重いのですが
今日は本当に寒かったです。

この寒さもこれがピークかなぁ。
早く暖かい日が来てほしいです^ ^

応援ぽち
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Unknown (よっちん)
2019-01-29 21:34:58
1月末ともなると
夜明けが早くなり
日没は遅くなって
日照時間が長いことを実感します。

ちょっと嬉しいですねぇ。

応援ぽち
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Unknown (よっちん)
2019-01-30 21:34:26
1月も明日で終わり。
もう1年の12分の1が終了です^ ^

平成も残り3ヶ月ですね。
なんだかワクワクじゃないけど
不思議な気分です。

応援ぽち
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ご無沙汰しております😄 (pixy)
2019-01-31 15:15:33
ご無沙汰しております。久々の投稿となり申し訳ありません。ブログを読ませていただきながら、ひょっとして『常連さん』って、pixy2号のことなのかなぁと妄想してしまいました。『私のことを葉流乃音さんに取り上げていただけるなんて光栄やわ〜』とpixy2号は喜んでいます。はい、図書館大好き民族!です。pixyは何故か『新美南吉』のストーリーが大好きです。30歳という若さで亡くなった南吉ですが、歳を重ねて読むと、物語の味わいがまた違ったものとして蘇ってきます。
はい、これからも図書館をいっぱい利用させていただくつもりでいます。
返信する

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