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美杉の小さな庭でおきていること ~カフェ葉流乃音のつれづれ~

 町ナカ(大阪府堺市)から
 山ナカ(三重県津市美杉町)に移住した店主夫婦が
 日々のアレコレを写真とともに綴ります

コーヒーは “ サンタテ ”

2018年05月25日 | カフェ葉流乃音のこと


おいしいコーヒーの条件は“サンタテ”だといいます。

サンタテとは

①煎りたて
②挽きたて
③淹れたて

のこと。
“新鮮な”コーヒーほどおいしいんですね。



コーヒーは、生豆の状態であれば、日持ちがするのですが
焙煎すると、そこから酸化が始まり
鮮度がどんどん落ちてゆくのです。

じゃあ、焙煎したての豆が一番おいしいのかというと・・・
これが、ひとによって言うことが違うんですよね。

「焙煎したてが一番うまい!」というひともあれば
「うちの店では、焙煎後1週間以上経った豆しか販売しません!」
というお店もあったりします。

僕はまったくの独学なので、試行錯誤の毎日ですが
焙煎してすぐの豆は、なんだか香りも味も薄い感じがしています。
また、焙煎後10日以上経ってくると
抽出するときの豆の膨れも悪く
苦みや雑味が目立ってくる感じです。

コーヒーは嗜好品。
それぞれに好みやこだわりがあるので
結局、自分が一番おいしいと思えるものに行きつくんですね。

葉流乃音のコーヒーは
焙煎の翌日から1週間程度をめどに、お出ししています。
僕としてはその期間が、淹れるときも飲むときも
“一番いい感じ”なんです!



葉流乃音のような小さな店の強みは
焙煎の量を調節できること。
煎りたて、挽きたて、淹れたて
のサンタテが実現しやすいですからね。

でも、新鮮なコーヒーをお出しするかわりといってはなんですが
お客様にコーヒー豆の銘柄を選んではいただけません・・・
焙煎の都合で決まる「本日のコーヒー」を
文句を言わずに、飲んでいただいています?!
わがままですみません(笑)

ご家庭でコーヒーを淹れるのに
自家焙煎から始めるのは、ハードルが高すぎるので
焙煎された“豆”の状態のものを、少量ずつ購入し
淹れる直前に、手回しのコーヒーミルで
挽いてみてはいかがでしょうか。
コーヒーの香りが何倍にも広がるし
抽出もしやすくなって、楽しいですよ~



一度、大勢のお客様に
“静かに”コーヒーをお出ししなければならないときがありました。
事前に豆を挽き、1回分ずつを小さな密封袋に入れておいて
2時間くらい後に、抽出しました。

結果は・・・最悪。
二度とするまいと誓いました。
味も香りも「なんで?!」というくらい、ダメだったんです。
たったの2時間ですよ!



だから“挽きたて”は、かなり重要なポイントだと思います。



もちろん“淹れたて”のコーヒーを
“冷める前に”楽しむことをお忘れなく!
              はるのん1号







カフェ葉流乃音の椅子のこと

2018年05月14日 | カフェ葉流乃音のこと


葉流乃音の客席は、“畳に椅子”のスタイルです。
「靴を脱いで上がるのが面倒…」という
お客さまもおられますが
“古民家の良さ”を味わっていただくためにも
ぜひ、上がっていただけたらなと思っています。


 <ゆうゆうたたみ椅子>


今から15年ほど前になるでしょうか。
ちょっと奮発して泊まった宿の、ラウンジのようなところに
何とも素敵な椅子が、所狭しと並べてありました。

しっかりした木の造り
革のステッチ、大胆なファブリックの柄
いっぺんに、その魅力のとりこになってしまいました!


 <くつろぎ工芸和椅子>


マンション生活で、いくつか取り入れてはみたものの
意外に大きいので、思ったように置くことができず
欲求不満に…
椅子を買うには、まず大きな家を買わなければ?!
まさか!!


 <こぶりチャウチャウ椅子>


でもそのことが、“古民家でカフェを”という
夢の原動力になったのかもしれません。
“BC工房”という、そのお店に
私たちの夢を持ち込みました。


 <きのこスツール>


仕事休みの日、アポも取らずに東京へ。
青山にあるBC工房をたずねました。

“楽さん”というスタッフの方が
「大阪から、はるのんさんがいらっしゃいました~」と
大きな声で店内に呼びかけ
笑顔で出迎えてくれて、ビックリ!
通販で、いくつか買ったことがあるだけなのに…


 <玄関もてなし椅子>


「古民家でカフェをやりたい!」
「こんな雰囲気になるような、椅子とテーブルを置きたい!」
というと、熱心に話を聞いてくださって…

「こういうのが一番大事だから」と
私のヘタなエンピツ書きのお店の見取り図まで
写真に撮ってくれたのです…カンゲキ♡♡


 <青山BC工房 店内>


「たった1回で、お店に置くすべての椅子とテーブルを
ちゃんと選ぶことができるんだろうか…」と
優柔不断なはるのん2号は、とっても不安でしたが
楽さんのアドバイスで、迷うことなく選ぶことができました!
楽さんは、この家を知らないのに…
本当にスゴイですね!!


 <ゆうゆう和椅子・ゆらゆらロッキング>


2年前の4月初旬
楽さんはもうひとりのスタッフと、トラックを運転して
自ら、椅子とテーブルを運び込んでくれました。
もちろん、この家の雰囲気にピッタリと納まって
「BC工房の椅子のギャラリーみたいに賑やか」
と、喜んでくれました。

奥津宿の入り口の、宮城橋の桜が満開の頃で
「今年見たサクラの中で、一番ココロにささった桜」
と、気に入ってくれました (*^_^*)




あの日から椅子は、私たちと一緒に
お客さまをもてなす、仲間のような存在です。
お気に入りの椅子を見つけに来ていただければ
嬉しいです!!

楽さんはその後、BC工房を離れられましたが
葉流乃音で、お客さまに
“はる”のように
“のん”びりと過ごしていただけるのも
楽さんのおかげです♡♡

楽さん、またお逢いできる日を楽しみに
私たちもガンバッテますよ~(^O^)/

             はるのん1号 2号



ハンドピック

2018年05月10日 | カフェ葉流乃音のこと


コーヒーの生豆、見たことあります?
匂いを嗅いだことは?

カウンターの後ろの生豆の瓶に、お客さんが気づき
「あれ、何ですか?」と質問されることがあります。
そのとき匂いを嗅いでいただくこともあります。

初めてコーヒーの生豆を買った時
ちょっとした衝撃を受けました。
思っていたよりずいぶん小さく、色は緑色。
匂いは・・・ちょっと草っぽい?!
生豆を目の前にして思ったこと。
「コーヒー豆って農産物なんだ!」

今、葉流乃音で出しているコーヒーは
インドネシア産、グァテマラ産
ケニア産、パプアニューギニア産の4種類ですが
全て農場までわかっている
”スペシャルティコーヒー”と呼ばれる豆なので
問屋さんのサイトを見れば
現地での生産の様子や収穫の様子
豆を干す作業の様子やハンドピックの様子などがわかります。
多くの手間ひまがかかっているんですね。

でもね、届いた生豆の袋を開けてみると
割れたのやら、虫が食ったのやら
時には豆でないもの(石ころやジャイアントコーンの粒など)まで
変なのがけっこう混じっていたりするのです。



焙煎前にそういう豆を取り除くことを
“ハンドピック”といいます。
毎朝、すべての豆の裏表を一粒ひとつぶ確認し
欠点豆(ダメな豆)を、文字通り“手でつまみ出して”います。



でもこの“つまみ出す”基準がけっこう難しい!



こんな風に欠点豆って
はっきりとわかるのばかりだといいんだけど
“微妙な豆”が結構多くて・・・
遠い国から、日本のこんな山奥までやって来たのに
ここで捨てちゃうのもなぁ・・・

最終的には“焙煎後の姿”を想像し
“美味しくなりそうかどうか”で決めます。
というと、なんだかちゃんとしているように聞こえますが
日によって、基準はぶれぶれ。
結局は“その日の気分”で
“気に食わないやつ”を取り除いているのです(笑)



人間相手にはとてもできない“非道なまね”を
日々、平然と行っているはるのん1号なのであります。





美杉はお茶どころって知ってました?
日に日にお茶の新芽も、葉を伸ばしていってます。


ところで今日のブログ中の中に
“生豆”という字がいっぱい登場しますが
なんと読んでいましたか?

僕はちょっと前まで“きまめ”と読んでいました。
でもそれは間違いで
“なままめ”と読むのが正解なんだそうです。
ちょっと舌を噛みそうですね。

加熱前の卵を“きたまご”とは言わず
“なまたまご”というように
焙煎前のコーヒー豆は“なままめ”と読むんだよと教えられ
なるほどなぁと感心いたしました。

そういえば、昔
「ナマムギナマゴメナマタマゴ」という早口言葉を
練習したことがありました。
でも、あんまりうまく言えるようにならなかったんですよねぇ。

                      はるのん1号

564回目の自家焙煎

2018年04月27日 | カフェ葉流乃音のこと
昔からコーヒーが好きなんです。

といっても、
高校生の頃、初めて飲んだブラックコーヒーは、
ホント~に苦かった!!

喫茶店で、女友達がブラックで飲むのに衝撃(!)を受けて、
「僕もいつもブラックなんだ~」みたいなフリして、
ズズズズ・・・
その時は、最後まで砂糖やミルクを入れずに飲むのが
辛くてつらくて・・・

でも、今から思うと、あのコーヒー、
ホントに苦すぎただけなのかも・・・


店を始めてからの焙煎の回数は、
今朝でなんと564回。
まだ2年弱の営業で、ものすごい回数になっているんですけど、
実は、葉流乃音の焙煎機は家庭用の小さな機械なので、
1回あたり、200g程度しか焙煎できません。
それが2台あるだけなので、
こんな回数になっちゃうんですね。



コーヒーの味は、豆の種類で決まると考えている人が多いかもしれません。
確かに、良い豆でないとおいしいコーヒーにはならないので、
どんな豆を使うかは決定的です。

だから葉流乃音では
スペシャルティコーヒーと呼ばれる
”ちょっといい豆”を使ってます(笑)

でも、ハンドピッキング(欠点豆の除去)、
焙煎方法、焙煎してからの時間、豆の挽き方、
抽出方法などなど、
コーヒーの味は、他の様々な要素にも左右されます。

その中でも、やっぱり一番大きいのは焙煎だと思います。
焙煎は、やればやるほど奥が深くて、
たぶん、永遠に迷いながら
続けていくことになるんだろうな。

葉流乃音が目指しているのは、
ブラックで飲んだことがない人に
ブラックで飲んでもらって、
「おいしい!」と言ってもらうこと。

時々ですけど、そんなお客さんもいらっしゃって、
そんなときは本当に嬉しいですね。



今思うのは、
葉流乃音のコーヒーを、
高校生だった僕がブラックで飲んだら
「おいしい!」と言うか、それとも「苦い!」と言うか。

永遠にわかるはずのないことですけど、
あの時の自分に
「ブラックコーヒーって本当はうまいんだ!」とわからせたくて、
今朝も豆の煎り具合を真剣に見つめていました。

                      はるのん1号

春を惜しんで…

2018年04月22日 | カフェ葉流乃音のこと

梅・モクレン・桜・ミツマタ…が次々と春を彩り
入れ替わるようにして
庭のオオモミジの古木が柔らかい新芽をのばし
薄緑色の葉を広げてくれました!

秋の紅葉に対して“青紅葉”という言葉をみかけます。
「まだ紅葉しないカエデ」のことらしいのですが
“新緑”に代わって使われているような感じがします。

庭のオオモミジは、紅葉があまり得意ではないようですが
青紅葉はピカイチ!
木陰に入ると、なんだか守られている感があって…
古民家やお寺の大屋根みたいです♡
シアワセ~



先日、葉流乃音で二胡の会を催しました。
庭のオオモミジも葉っぱをゆすりながら
楽しんでいるようでした。

往く春を惜しみながらの夕べ
奏者の皆さんも、青紅葉に癒されながら
演奏してくださったとのこと。
美杉は人それぞれの過ごし方で
いろいろな体験ができるところなんですね~

                    はるのん2号